monologue
夜明けに向けて
 




ナイトクラブには最後に演奏する定番の曲がある。日系クラブの閉店時に演奏するラストソングは普通は「そっとおやすみ」だった。あまりお決まりの曲を演奏するのは気が乗らなかったのでわたしは休憩時にダウンタウンでブルースハープ(ハーモニカ)を買ってきた。それでラストソングに童謡「赤とんぼ」を吹いた。すると「栄菊」のママがもっとハーモニカを吹いてくれという。郷愁を掻き立てられて胸が迫ったらしい。それでしばらく吹き続けた。日本にいると気づかないが日本から外国に行った人が童謡「赤とんぼ」を聴くと心の琴線に触れ深く感動する。歌詞を歌わなくともあのメロデイだけで十分なのだ。
fumio

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