奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1066)

2019-07-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「親日派朝鮮人消された歴史~終戦までの誇り高き日韓友情の真実(拳骨拓史著・PHP新書2019刊)」を読んだ。拳骨拓史(げんこつたくふみ1976生れ)氏は、名越二荒之介(元高千穂商科大学教授)、杉之尾宣生(元防衛大学校教授)に師事して、漢学、東洋思想、東洋史を研究し、当該分野の評論家として活動している。-----

「親日派朝鮮人消された歴史」は、日韓併合時代(1910~1945)の晩期において、太平洋戦争の激しくなる中で、日韓併合による日本の教育効果が極度に高まった時期があり、多くの親日派朝鮮人が現れて日本の戦争遂行に協力してくれた歴史があると言うことで、その事実を克明にたどりながら、日韓併合を悪しき歴史としてだけ見るのではなくて、朝鮮の中でも日本帝国臣民として平等に扱われるのであれば、志願兵であれ、徴兵制であれ、協力を惜しまない人々が大勢いたことを、日本人としては忘れてはならないのだと、拳骨拓史氏は声高に叫んでいる。----

文在寅政権では、過去に日本帝国に協力した人びとは売国奴だとのレッテル貼りをしているが、歴史を遡ってまでしているが、このようなむごい仕打ちをされている人達が、子孫を含めて今も朝鮮半島におられると言うことは、日本人としてヘイトスピーチにばかり熱を上げるのではなくて、親日派朝鮮人のことを学習もし知らなければ教えを請わねばならない。でなければ、現在の文在寅政権の左翼勢力にこれらの今も存している親日派朝鮮人たちの夢望みが消えてしまうことを恐れねばならない。そしてそれらの人達に協力の手を差し伸べなければならないと、拳骨拓史氏は訴えている。韓国だって一枚岩ではないのだから、例え4分の1の勢力であったにしても、日本としては支援の方策を考えなければならない。それが日本のためになるのだと書いている。

 

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1065)

2019-07-25 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「韓国壊乱~文在寅政権に何が起きているのか(櫻井よしこ&洪熒共著・PHP新書2018刊)」を読んだ。櫻井よしこ(さくらいよしこ1945生れ)女史は、ハワイ州立大(歴史学部)卒で、日本テレビキャスターを経て、現在もジャーナリストとして活躍している。洪熒(ホンヒョン1948生れ)氏は、韓国陸軍士官学校卒で、外務部に転職後、駐日韓国大使館公使を務めた。現在は“統一日報”主幹である。--------

「韓国壊乱」は、文在寅政権の左傾化を余すところなく解説している本であり、これが事実ならば驚愕の“韓国壊乱”が始まっていても可笑しくないと思わせられるのである。がしかし、タイトルの過激さとは別に、櫻井よしこ女史と洪熒氏の対談は、処どころ噛み合わないながら、淡々と進められていて、未だ今からでも遅くはないので、韓国にヘイトメッセージを発するだけでなくて韓国の右派を励まして貰えないかと日本の読者に薦めているのである。--------

確かに米ソの冷戦終結後、世界的には共産党政府の強い国は中国と北朝鮮だけになり、皆開放経済に邁進している旧共産党政権国の中にあって、経済で成功した筈の自由陣営の韓国が此処に来て文在寅政権の内部革命によって共産党政権のようになって仕舞っているのであると、日本人に警戒心を高めるように教え諭してくれているのである。だがしかし日本のメディアは未だ未だ気付いてもいないと、お二人は嘆いている。甘っちょろい、文在寅政権が北朝鮮にすりよれば、簡単に韓国は呑み込まれてしまう瀬戸際に立っているのだと。そうなれば日本が今更ではあるが防共の矢面に立つことになり、大変困ることになると警告してもいるのだ。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1064)

2019-07-24 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「令和を生きる~平成の失敗を越えて(半藤一利&池上彰共著・幻冬舎新書2019刊)」を読んだ。半藤一利(はんどうかずとし1930生れ)氏は東大(文学部)卒で、文藝春秋に入社し役員まで務めた後、現在は作家として活躍している。池上彰(いけがみあきら1950生れ)氏は慶應大学卒で、NHKに入局した。2005年に独立し、以後執筆業となると共に、広くメディアで活躍し、大学講師もこなしている。-----

「令和を生きる」は、改元の時期の出版社の企画本であるが、豪華なお二人に対談をして貰っており、流石目利きの幻冬舎と思わせる本である。副題の“平成の失敗”とは、“小選挙区制の導入による一強支配”、“原子力の安全神話の崩壊”、“経済の失われた30年”、“災害に弱い日本列島”、“カルト宗教に弱い若者”、“ネットによる全体主義の蔓延”、“経済格差の拡大”、“IT起業に失敗した日本”、“国家財政の負債の拡大”、“非正規就業者の増大”、“経済の2流だけでなく、官僚の資質も低下している”などの数々の問題を平成の時代には露呈したのであるが、これを一つ一つ令和の時代には解決して貰いたいものであると、半藤一利氏と池上彰氏はこれからの若い世代に希望を託すのである。-----

どの箇所を読んでも面白く、お二人とも反日のジャーナリストと文化人と揶揄されている事も知りながら、そんなことはものともせずに、了見の狭い心では、何れは世界に立ち遅れるのだと警告を発している。兎に角、良い本に仕上がっている。役者に不足はないのだから。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1063)

2019-07-23 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「ミステリーで読む戦後史(古橋信孝著・平凡社新書2019刊)」を読んだ。古橋信孝(ふるはしのぶよし1943生れ)氏は、東大(国文科)卒、同大学院博士課程修了し、現在は武蔵大学名誉教授である。-----

「ミステリーで読む戦後史」は改元の時期に合わせた出版企画の一冊であり、戦後の代表的なミステリー作品の簡単な文藝批評文を寄せ集めて本に仕立てたものであり、古橋信孝氏が東大出のインテリだから編集者が間違いないと考えて依頼したものであるようだ。-----

ざっと戦後のミステリーをお浚(さら)いしたい人には最適な本であると思った。取り上げられた作品は、次のようなものである。“獄門島(横溝正史)”、“野獣死すべし(大藪春彦)”、“能面殺人事件(高木彬光)”、“社会部記者(島田一男)”、“ゼロの焦点(松本清張)”、“海の牙(水上勉)”、“人間の証明(森村誠一)”、“終着駅殺人事件(西村京太郎)”、“テロリストのパラソル(藤原伊織)”、“マークスの山(高村薫)”、“不夜城(馳星周)”などであり、古橋信孝氏は2000年以降の作品に付いては改めて読んで原稿を書いたそうであり、結構疲れたそうである。多分担当編集者はそれを校正するのにもっと疲れたに違いないと思われるが、最終的にはそこそこの本に仕上がっているのは、古橋信孝氏が学者先生であるからの所為も当然あるのだろうと思わせられた。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1062)

2019-07-22 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「原発に挑んだ裁判官(磯村健太郎&山口栄二共著・朝日文庫2019刊/2013の増補改訂版)」を読んだ。磯村健太郎(いそむらけんたろう1960生れ)氏は、朝日新聞記者で、サンパウロ/ローマ支局長を務めた。山口栄二(やまぐちえいじ1956生れ)氏は、朝日新聞記者で、社会部/司法担当、週刊朝日副編集長などを務めた。-----

「原発に挑んだ裁判官」は、原発訴訟を担当し、運転中の原発を運転差し止め判決で停止させた当該裁判官にインタビューして、司法と原発の関係を鮮やかに浮かび上がらせている稀有な本である。普通、裁判官は担当した裁判の内実に付いて口を開かないそうだが、例え既に退官されているとはいえ、インタビューに答えているのは大変誠実な人であるのだなと思わざるを得ない。原子力開発という国策に司法の面から、“行政サイドの規制が甘いので、運転させられない”という判決を言い渡すのは勇気が要っただろうが、ほんの少数にしてもこのような裁判官のおられることは、日本の司法も捨てたものではないと、磯村健太郎氏と山口栄二氏は褒めたたえるのである。-----

裁判官が文系人士の代表的な存在であることから、理系の自然科学に疎い筈であり、その学問的な内容を理解できるとは通常は考えないのだが、敢えて運転差し止め判決を出した裁判官はその自然科学の領域に踏み込んだとインタビューでは白状している。本当に理解できているのかは定かでないが、またインタビューしている記者も文系人士の代表みたいなものなので、原子力村の大先生たちが原子力の安全神話を語ってきた歴史があるにしても、それを揶揄する能力は科学的な素養のない裁判官や新聞記者であってみれば無理とも云えるのだが、この本ではそのような悲観的な口上は皆無である。従って東日本大震災で原発はシビアアクシデントを起こしたのだから、全部ダメだと言っているに過ぎないことを読者は注意して読む必要があるだろうと思った。その他日本の最高裁の内部事情の調査などは秀逸な叙述があり、とても参考になるとその面では良い本だと思った。

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