奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1043)

2019-07-03 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「英単語の世界~多義語と意味変化から見る(寺澤盾著・中公新書2016刊)」を読んだ。寺澤盾(てらさわじゅん1959生れ)氏は、東大(英語英米文学科)卒、同大学院(英語英文学)修士課程修了し、1985~89ブラウン大学大学院(言語学科)留学し、PhDを取得している。現在は東大(言語情報科学)教授である。言語学者であり、“英語の歴史(2008)”など著書も多数出している。-----

「英単語の世界」は“英語の歴史”の続編だそうであり、細々とした“英語の歴史”では毀(こぼ)れてしまった個々の単語の説明を丁寧に、数は多くないが事例を上げては上げては懇切に書いてくれている。よくある受験参考書のように目一杯に詰め込んだ本ではなくて、エッセンスを選りすぐって書いてあるので、安心してゆっくりと考えながら読めば良いのであり、読むだけで理解が進み、英語嫌いの人でも幾らかは引き込まれるように手抜きをせずに偉そぶらないで、ページを繰るごとに辞書を引かなくても読める文章で必ず日本語訳をペアで叙述していて、学校英語のテストで虐められた人も、トラウマを忘れさせてくれる本となっている。-----

“Trunkは木の幹”の語源から始まって、旅行鞄であったり車のトランクであったり、半ズボンのトランクスであったり、多義語となっているが、そんなに難しくはないと解き明かしている。学校の英語教師であれば時間もないので雑な教え方であり、丸覚えせよということが多いだろうが、呑み込み易くすることも大切である。近年、英語の言語学的取り組みは一層分かり易いことが求められていると言う。恐らく、AIを利用した通訳システムを構築するにはこれまでの言語学的な取り扱いでは通用しないので、これまでの言語学の知識の組み換えが行われたものと考えられるが、寺澤盾氏はそこまでは書いていないがきっとそうだろうと思った。機械でも分かるような説明が続くのだから。

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