奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1053)

2019-07-13 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「日本企業はなぜ世界に通用しなくなったのか(林原健著・ベスト新書2018刊)」を読んだ。林原健(はやしばらけん1942生れ)氏は、慶應大学卒で、カバヤキャラメルを創業した父親/林原一郎氏から継いでより、会社を研究開発型に転換して、バイオ技術をもつ医薬食品原料メーカーに育てた。1979年にはインターフェロンの量産化に、1990年代には“トレハロース”の量産化にも成功している。-----

「日本企業はなせ世界に通用しなくなったのか」では、林原健氏が寝耳に水の状態で、父親の創業した“林原”の経営不振を招いて会社更生法を受けねばならなくなったとのことから書かれている。自分は研究一途で財務は弟任せで全く分からなかったというのだ。-----

本のタイトルの意味合いは何処にも書かれていなくて、会社経営から撤退させられた自分であるが、未だ未だ世間のお役にたてると、過去の栄光の成功物語を書き綴っているのである。たしかに“トレハロース”の量産化で安価に市場に提供できているこの商品は数々の食品に添加されて使われているそうであり、そこだけ読んでいると何故経営に失敗したのか不思議でさえあるのだが、人間は失敗の本質をあからさまには書けないとも云えるのだと考えさせられた。歴史の長い酵母利用による食品産業では、カルピスの発明や、ヤクルト菌の利用など、商業化に成功している例には事欠かない。バイオ技術の以前から人間は甘酒にしても漬物にしても多くの食品にその自然の加工技術を取り入れていたのだ。それが今ではバイオ技術でより科学的に取り組めるようになったともいえるのだろう。林原健氏の時代ではまだバイオの黎明期であり、その中間的な巧まない努力でブレークスルーを為し得て来られたようだが、如何せんもうお歳だとこの本「日本企業はなぜ世界に通用しなくなったのか」を読んで思った。今の日本人は何事にもスマートに取り組もうとするが、日本が世界に対峙するには、林原健氏曰くもっと泥臭く取り組めとでも言っていて年寄りの繰り言のように聞こえた。

 

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