奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1046)

2019-07-06 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「城山三郎が娘に語った戦争(井上紀子著・朝日新聞社2007刊)」を読んだ。井上紀子(いのうえのりこ1959生れ)女史は、学習院大学(国文学科)卒、同大学院博士前期課程修了している。戦後を代表する作家の一人/城山三郎(しろやまさぶろう1927~2007)氏の次女である。-----

「城山三郎が娘に語った戦争」は、城山三郎氏他界の年、恐らく城山三郎ファンに向けて家庭内での日常の一端を娘さんにインタビューして聞き出して本に仕立てたものである。------

大作家も娘には弱いもので、本音を漏らしている事もある。城山三郎氏はさてどのような態度で家族に臨んでいたのだろうかと城山三郎氏のエッセイで知るある種飾られた内容ではなくて、生身の城山三郎が垣間見えないだろうかと、物見高い出版人が企画したものであるのだが、内容的にはとてもソフトであり、戦争の悲惨な話は殆ど書かれていない。詰まりは城山三郎氏は戦争の話しを子供たちにすることはなかったのであるようだ。-----

井上紀子女史は、出版の趣旨に沿うべく色々と話してくれているが、“指揮官たちの特攻”に一番の想い込めたのではないかと、作品を上げて紹介してくれている。-----

家庭内の城山三郎氏は最期まで好々爺であり、奥様を亡くされてからの晩年の6年間も子供たちに頼ることなく懸命に生きられたという。でも奥様を失われてからの気落ちは相当であったようだ。娘も代わりにはなるが娘でしかない。古い写真も掲載されており、女性目線でありとても読み易くて、城山三郎ファン必読の本に間違いない。

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