奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1042)

2019-07-02 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「中国全省を読む地図~22省4直轄市5自治区香港マカオ台湾(莫邦富著・新潮文庫2001刊)」を読んだ。莫邦富(モーバンフ1953生れ)氏は上海外国語大学(日本語学科)卒で、1985年来日し、執筆/TV出演で活躍している。-----

アリババなどのIT企業の出現するずっと以前の中国の様子を書いておられるのであり、文化大革命は終わっていたが、改革開放の嵐が吹き荒れて国営企業のリストラが進められていた時期であり、その後、中国はかなりの経済発展をするが、天安門事件(1989)で一度頓挫する。莫邦富氏は日中の経済交流の盛んだった初期に来日されている事になる。-----

「中国全省を読む地図」は、そのタイトル通り、個々の省に付いて、簡単な歴史と特産物、そして主要都市の説明など、丁度、地理学の教科書のように要領よく書いてくれている。日本人ではここまでバランスよく書けないのではと思われる程に、良く仕上がっていると思った。-----

改革開放路線では、各省はそれぞれに地の利などの特性を活かして殖産興業の策を練らなければならなかったようだが、地勢が山ばかりであれば当然にして貧しい省もあり、読んでいて共産中国と云えども13億の民がそれぞれ平均的な生活を送れる訳ではなくて、中央政府のかじ取りは大変に難しいのだなと考えさせられるのである。このような地理書を読むと読者もその省長になった気分となり、省民の所得を気にして工夫をしなければと思わせられるのである。この本の出版時点より20年が経過して中国は世界でナンバー2の経済大国となり、やがては米国を抜くとも考えられているが、この本の時点の各省の努力が実を結んだのだなと読むだけで感慨に耽らせても貰えるのである。

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