21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

セルビアとコソボ

2008年06月29日 20時36分37秒 | Weblog
セルビア国内、アルバニア系が多く住むコソボの独立問題が、ヨーロッパの大国達にもてあそばれている。

セルビアは、ユーゴスラビアからクロアチア・スロバキアが独立して、マケドニアが独立して、モンテネグロが独立して、最後に取り残されるようにセルビア人が起こした国だ。コソボはその一地区で、「アルバニア系が多い」と言っても、アルバニア系は多数派ではない。セルビア系も多く住んでおり、他にもイスラム系やロマ系の人が住んでいる。「民族自決」を掲げて独立できる国ではない。大体、ほぼアルバニア系のみが住んでいる国は他にある。

セルビア・コソボ地区の問題は、ドイツ・フランスの経済運営に失敗している政治家に利用されている。ドイツ・フランスの国民は、経済状況の悪化で、必要最低限の国民の権利だと「思われていた権利」のいくつかを失った。たとえば、手厚い失業保険・年金・医療保障等だ。政治家は人気を失い始め、焦りだし、「コソボの独立」を助けることで、「コソボ人の必要最低限の権利」を守ったように振舞うわけだ。

国民にしてみれば、外国人の人権を守るような政治家なら、国民の権利も守ってくれると思ってしまうものだろう。人気取りを目指す政治家の煽動活動が現実には存在しない「コソボ人」と言う概念を生み出したのだ。

「コソボは独立してコソボ人の手によって運営されるべきだ」と言う意見は、「千葉は独立して、千葉人の手によって運営されるべきだ」と言う意見に近い。千葉に住んでいる政治家は、政策の自由度が広がるのを喜ぶだろうし、国家公務員・国会議員は、自分たちの影響力が弱まるのに抵抗を感じるだろう。
 大きな問題は、「千葉人」って誰ですか?って話。住居は千葉でも、東京都内で働いている人は多い。生まれ故郷は北海道の人もいれば沖縄の人もいるだろう。千葉人の何人が「千葉生まれ、千葉育ち、千葉勤務」何ですか?って聞きたい。そして、あまりにも「千葉人」の概念を大雑把にして、人の流入・流出を自由にするなら、わざわざ独立する必要もない。それこそEUが、貿易の自由化を通じて、拡大・強化されていっているのを考えてほしい。

 「コソボ人」の話も同じだ。「コソボ人」って誰ですか?

少人数教育って何人??

2008年06月27日 07時37分34秒 | Weblog
 フィンランドの教育の質が高いのは教師の質が高いからです。1980年代の恐慌時に、優秀な人材が安定した収入を求めて教師になったため、「頭の良い学校の先生」が多くいるのです。フィンランドの「学校制度」が良いために、教育の質が高いのではありません。優秀な教師がそろっているところでは、学校制度の違いに関係なく、高い教育の質が保障されています。現在、フィンランドでは景気が回復してきて、優秀な学生は一般企業を目指すようになってきています。一つ下のレベルの学生が教育の中心を担うようになる20年後、フィンランドの教育の本質が証明されるでしょう。
 日本でも同じです。金を積んで優秀な講師を集めている「某・有名学習塾、私立学校は大規模授業をしているにもかかわらず、結果を出しています。そして、資金難で優秀な教師を募れない公立学校は、少人数教育を実施しても教育の質を上げられずにいます。

 それに「少人数教育」って、何人から言うんですか? 本当に優秀な講師の方は、教室に生徒が50人いようが100人いようが、話で全員を引き込んでいきます。逆に、生徒の側が優秀な場合も講堂で300人ぐらい相手にしても落ちこぼれは出ません。「超・専門家」が集まっている学会の場合、規模が大きくても機能するのと同じです。その場合、100人以下でも「十分に少人数」って言えるんじゃないですか?

 逆に、30人一クラスをまとめられない教師もいます。そして、全く基礎が理解できない生徒は、一対一で教えてもらわなければ、集中していられません。(発明王エジソンは、母に家庭教師をしてもらっていた。)その場合、10人程度でもまだ「少人数教育」とは言えないでしょう。


 一人で勉強できる優秀な子どもに金をかけるほど無駄なことはない。大人が何もしなくても、彼らは勝手に伸びる。むしろ、邪魔をしないように気をつけるべきだ。進級試験を導入して、合格者は「飛び級」できるようにする。大学は入学定員を設けず、最低点以上を獲得した受験生を全員合格にする。そして進級試験と卒業試験で学生の質を維持する。(出来る学生は講義に出なくても、進級するから、大学の教室の「定員」を気にしているだけ無駄だ)
 そして、できるガキ共を追い出して、出てきた余力で「落ちこぼれ」が出ないように対応する。200人一学年では10人に一人教師をつけようとすると20人分の人件費が必要になるが、200人の内100人が勝手に勉強してくれていれば、10人分の人件費で10人に一人教師をつけられる。間をとって15人雇えば、基礎のできない5人の落ちこぼれに専属の先生をつけてあげることができるようになる。その上、飛び級をした何人かの優秀な生徒が授業を手伝ってくれるようになれば、教育はもっと「安く」あがる。その上、授業を手伝う生徒は、教えることを通して復習ができ、リーダーシップを学ぶことができる。


 公立教育の根底は、「優秀な生徒の成長を阻害しない」「落ちこぼれを出さない」ことだ。例えば、教育指導要領を改正して、必修漢字の数を半分以下にすれば(ゆとり教育を導入すれば)、落ちこぼれの数を半分以下に減らせるが、それでは優秀な生徒の成長を阻害してしまう。進級テストを導入し、出来る生徒をさっさと上に押し出してしまった後で、ゆっくり時間をかけて出来ない生徒の指導に当たるべきだ。
 現状では、落ちこぼれた生徒は、劣等感を感じているだけでなく、教師にも相手にしてもらえていない。進級テストを導入すれば、感じる劣等感はさらに強くなるかもしれないが、教師の側が一人一人に時間をかけて、勉強を教え、精神的ケアに気を配ることができるようになる。

科学馬鹿をねらえ・・・・・

2008年06月27日 06時46分02秒 | Weblog
 有名国立大学の理系の学部の学生は、将来出世が確実視できるにもかかわらず、モテません。理由は簡単で、彼らには遊ぶ金がないために勉強だけをしていた人が多く、勉強ばかりしてきた分、話が一般の常識から外れていて面白くないからです。

 その一方、大企業に就職し収入が伸び始める30歳前後から、彼らはモテ始めるようです。人付き合いも得意になり、話も面白くなり、遊ぶ金もでき、社会的ステイタスも高いので、まぁ当然でしょう。

 ただ、学生時代に不遇を囲っていた分、その後に「遊ぶ」ようになります。


学生時代の科学馬鹿の時点で、易しくして恩を売っておくのが、長期的には最適でしょう。



他の投資家に無視されている株こそ、安く買えて、将来大きく値上がりする可能性が含まれているのだよ。

出来る男を摑まえるには、、、、

2008年06月27日 06時33分12秒 | Weblog
「私、頭良くないし、勉強しても良い大学いけないだろうし」「自分で働いても大した収入を得られないだろし」もしくは「安月給で働き続けるのは嫌だけど、転職先は見つからないし」なんて消極的な理由で、「仕事のできる男を摑まえて専業主婦になりたい」と思っている方がいるようですが、不可能です。

仕事のできる出世が期待できる男は、どこにでも転がっていません。
高収入が期待できる男性は、高学歴であることか、大企業勤務であること、もしくは努力家であることが最低条件になってきます。


その一方、頭の悪い女性は、高学歴の男性に出会える可能性が低いです。例えば、高収入職種の代名詞である医者を摑まえたかった場合、自身が医学部に進学するのが最適です。6年間を通して、浮気をする心配のない確実な男を摑まえられます。それと同じように、旧帝大卒を摑まえるためには実際にその大学に進学してしまうのが確実です。そして、その一歩前の状況として、金の卵が多くいる有名高校・中学・小学校へ通学している方が、将来成功する男を摑まえる確率が高まるのです。
 その上、ずっと頭の悪い男とだけいた場合、できる男の扱い方が分からずに、数少ない機会を逃してしまうことになります。

 学歴の話と同じように、収入の多い大企業勤務、もしくは収入の安定している公務員を摑まえたかった場合、実際に同じ職場に入ってしまうのが確実です。しかも、長期の正社員として、できればキャリア職で。短期の仕事で一緒になっても、遊ばれて捨てられるのが落ちなので。将来的に、信頼して協力して仕事をしなければいけなくなるキャリア職の女性に、男性は遊び半分では手を出しません。就職の段階で躓いてしまった場合、仕事に役立つ資格をとって「会社に必要な人材」になってください。そうすれば、遊ばれることは無くなります。


 要は、将来成功する男性を摑まえたかったら「勉強をしてください」と言うことです。より多くの「出来る男」と出会うためには、進学校を出て、名門大学の優秀な学生の多い学部に進学する必要があります。より真剣に「出来る男」に付き合ってもらうためには、有力な資格を持ち、人よりも仕事ができる必要があります。


そして人より仕事ができれば、もし男を摑まえられなくても、自力で食っていけます。

つまり、「玉の輿」に載るにも、一人で生きていくにも、高学歴か有力な資格がいると言うことです。まぁ、努力してください。

pro-active investment,

2008年06月21日 07時16分36秒 | Weblog
 ガソリン価格が急激に高騰している中、ガソリン税を引き下げて消費者を守ろうと言う意見がある。ガソリン税が道路特定財源なら、私はこの意見に賛成だ。
 ガソリンが高すぎればだれも車に乗らなくなる。道路建設を続ける意味がない。それに、ガソリン減税で消費量が増えれば最終的に価格はすぐに高騰する。

 その一方で、ガソリン税が新技術開発の財源になるのなら、減税する必要はない。将来的に省エネ技術の輸出で利益も見込める。ぜひ、株式か債券を通して新技術開発に投資してもらいたいものだ。


ガソリン税収入で、世界中で新油田開発を援助するのも良いかもしれない。

官製不況のリスト・・・・

2008年06月21日 07時07分59秒 | Weblog
 政令の変更・法律の制定により発生した不況の簡単なリストです。


過剰投資の急激な締め付けーバブル崩壊・平成不況

消費税の導入ー個人消費の減退

消費税課税対象の拡大ー個人事業主の廃業

時価会計の導入ー帳簿上の企業収益の圧迫

建築基準法の改正・基準審査準備の不備ー着工件数の激減

貸金業規制・法定金利の引き下げ・総量規制ー信用市場の縮小

ゼロ金利政策の解除ー金融引き締め

NTTの間違い・・・・

2008年06月21日 06時48分39秒 | Weblog
 「ワン切り、もしくは着信履歴に残っていた番号にかけ直したら、有料サービスにつながった。そして、意図して電話でもないのに、高額の通話料金を請求された」

 2000年に入ってから、そう言った問題が多発した背景を受けて、最近では9割以上の人が「ワン切り等」にかけ直さないそうです。

 これは、NTTの独善が生んだ大間違いの結果でしょう。

 有料サービスの多くが、電話事業者に一般の電話料金と一緒に通話料金を徴収してもらい、その後に配分を受けています。NTTはその時の手数料収入を目的に、利用者からのクレームがあっても、一律に料金を回収していたのでしょうが、それが電話利用全体での収益を押し下げているのです。

 「かけ直し」をしてもらえるだけで、NTTには通話料金が入ります。9割の人がかけ直さなくなったということは、それだけ利益を逃している計算になります。


 初期の段階でNTTが率先して、クレームが多かった有料サービス提供者からの請求を断り、一般の利用者の権利を守っていれば、起らなかった事態です。


 利用者軽視の姿勢を続けてきた欠点は、そのうちに他の面にも表れてくるのではないかな? たとえば、NTTドコモの契約数のシェアの下落とか?

リスクを取れ!!!

2008年06月03日 08時48分27秒 | Weblog
リスクを取って、積極的に投資をしていかなければ、競争力を維持して経済成長を続けることはできない。が、、、、

投資を促進する目的で、投資家の責任は出資額に限定されている。たとえ、化学工場が爆発し地域に大打撃を与えたとしても、会社を倒産させてしまえば投資家はそれ以上、その地域の再建に責任を持たなくてよいのである。四日市の郊外では、チッソは地域の再建に資金を拠出し続けるためだけに国の支援を受けて存続した、そしてしている。責任は投資家にあるが、企業の失敗の対応は、国・国民全員がするのである。その点で、企業は過剰にリスクをとり利益を最大化しようとする。ように法律ができている。(現実には、日本企業の最大の目的は「利益」ではなく「長期的存続」になっているため、問題は起きていない。)

そして、企業は社員に失敗の責任を取らせることができない。小さな間違いの話じゃない。たとえば、フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルのある社員は、個人で社員に1兆円を超える損害を与えたが、企業側ができるのはその社員を首にすることぐらいだ。まぁたとえ、1兆円の損害賠償が請求できたところで、その社員に自己破産されてしまえばそれで終わりだ。特にボーナスの制度が社員個人の業績に基づいている場合、社員は過剰にリスクを取って収益を最大化しようとする。失敗して1千万円の損失を出しても首になるだけだが、成功して1億円の利益を出せば数千万円のボーナスが期待できるからだ。(現実には、終身雇用制度と並列のボーナス制度が日本人社員が不必要なリスクを取らないようにしている。)


経済界がリスクを取れるのは、最終的な責任を(工場が爆発しようが、バブルが崩壊しようが)国がとることが大前提となっている。しかし、世界は政治家にも過剰なリスクを取らせようとしている。たとえばテロ対策。テロ対策を強化しようとする(予算がかかるし、検問ができれば経済交流が阻害される)政治家は人気が出ないが、テロが起きた後にテロリストを追求する政治家(アフガニスタンを侵略したり、イラクに攻め込んだり)は人気が出る。バブル対策。バブル潰しをする政治家は株価が上がるのを邪魔するとして嫌われるが、バブル崩壊後、対策として公的資金を大量に注入したり・小切手を印刷したりする政治家は人気が出る。疾病予防でも同じ。病気がはやり始まる前から、副作用が出るかもしれない予防接種と推奨する政治家よりも、病気がはやり始めた後になってから対策を取り始める政治家に人気が出る。しかも人気者が権力を握る民主主義下、この傾向には拍車がかかる気がする。

いや、この傾向には既に拍車がかかっている。問題点を指摘し、危機感をあおり、対応力を誇示する政治家は多くいるが、問題の発生を予測し予防に尽力する政治家はほとんどみない。地球温暖化問題を考えてみてほしい。既に起こってしまっている「空気中の二酸化炭素の増加」を問題視し危機感をあおり、二酸化炭素の排出量を削減しようと努める政治家はいても、地球温暖化が起こることを前提に、海面が何m上がるのかを予測し、その後の対策、土地の利用策を提案する政治家は出てこない。首都東京の一部が海に沈むなら、土地の利用方法を検討し直さなければならない、そして、別に海面が上昇しないならわざわざ苦労して二酸化炭素の排出量を削減する必要をする必要はない。

バブルの遺産、

2008年06月03日 08時47分20秒 | Weblog
日本の平成バブルの崩壊は「後悔」と「平成不況」以外の遺産を何も残さなかった。残ったのは、不良債権と地方で乱開発された自然環境、それに維持費ばかりかかる公共施設である。そして、企業のみならず公共団体も負債を隠していたために、資産価格が再投資に適するレベルに下がるまで時間がかかり、不況が長引いた。

フリードマンの「フラット化する世界」によると、アメリカのITバブルの崩壊では地下に施設された大量の光ファイバー・大容量の情報通信インフラが遺産として残り、再投資も受けて、その後の経済成長の基盤となった。

将来、2007年のサブ・プライムローン・バブルの崩壊では何が遺産として残った、と言われるのだろう。単純に考えれば、アメリカ全土に建設された大量の「住宅」と言うことになる。国境にフェンスを建設しようとしている現状では無意味だろうが、アメリカの移民政策が変った場合、空家として残った大量の住宅が移住者の受け入れ基盤として力を発揮して経済成長を助けるのではないかと思う。すでに住宅価格は十分に下がりきり、再投資に適する価格になろうとしている。空っぽになった住宅街丸ごとを買いたたき、設備を整理し直し、移住者に合うように改装し(日本人向けの大きめのバスタブ? 中国人向けのキッチン? インド人向けの大部屋?)、売り出せばよいのである。電気代を抑えるために、太陽電池・風車をつけたり、インターネットの回線を強化したり。郊外にあり、ガソリン代が高騰した(と言ってもガソリン税が無い分、日本よりも欧州よりもかなり安いが)ために、通勤者には向かないというのなら、老後過ごそうとしている大量の超裕福・中高年を対象にすれば良いのである。

アメリカ経済の景気回復は08年7月に始まる。

非暴力・不服従は成り立つのか

2008年06月03日 08時46分37秒 | Weblog
インド・ガンジー、米・キング牧師の平和的抗議活動とその後のインド独立・人権状況の改善を持って、非暴力・不服従の理想を語るバカがいるが、現実を全く理解していない。

非暴力では人権を回復することも独立に得ることもできない。インドの独立の要因は第二次世界大戦後の大英帝国国力の減退だ。国力が衰えていたイギリスは世界中に点在する植民地を物理的に維持することができなかったのである。インドの独立とガンジーの運動には関連はない。同時期に、オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカ・エジプトも大英帝国から独立している。その一方、ガンジーの平和的運動に効果があったとするのなら、インドとパキスタン・バンクラディッシュが分離独立して対立しはじめるはずがないが、実際インドとパキスタンは敵対してきた。ガンジーの理想は「大インドの平和的共存」だったが、現実にはカシミール地方の国境争いに始まり(一部を中国にもってかれ)、数々の戦争を経験し、今インド・パキスタンの両国は核保有国になっている。(もしかしたら最初から、ガンジーは第インド圏に二つの核保有国を成立させたかったのかもしれない。さすがは「平和的」運動家!!)。私の主張は違う。大英帝国は自国が植民地を維持できないほどに弱体化していることを隠すためにガンジーを利用したのだ。ガンジーの偉業はマスコミが作り上げたものであり、虚像である。イギリスとしては「武力独立派」に屈してインドの独立を認めたと世界に見られるのを恐れた。そのため「平和的独立派」のガンジーを政治的に利用したのだ。大英帝国の国力に余力のあったボーア戦争・南アフリカ侵略戦では、イギリス軍は武装・非武装を問わず抵抗勢力を皆殺しにしている。第二次世界大戦での消耗がなければ、ガンジーの「塩を求める行進」参加者はマシンガンで一掃されていたと思う。

キング牧師の活動も似たようなものだ。黒人優位主義者による暴力的抵抗活動に手を焼いていたアメリカ政府が、武力に屈したと見られずに、黒人大多数の代表と和解して黒人暴動に対処したいと考えたために平和的運動を続けていたキング牧師に白羽の矢が立ったのだ。「人権」って言葉があるが、100年前の黒人達の人権を守る活動は、現代のクジラの生存権を守る活動ほどに活発ではなかったでしょう。まぁ、日本人の伝統文化(人権)への尊敬もなく、クジラの人権を唱えられても困るんだけど、黒人の人権保護活動をしていた人たちは本当に彼らを「人」と考えていたのですか? 私には分りません。黒人は平和的な活動を続けていただけでは、おそらく無視され続けていただろうと思う。

人権活動家とクジラ保護活動家・菜食主義者を比べるのは間違っていると、私は思います。でも「なぜ、間違っているのか?」、人によって二通りの考え方があると思う。

 それそれで。チベット・ラサで暴動が起きるまで、ダライ・ラマは無視され続けていた。それ以前に、軍事力を持つインド政府が英米と協力して、中国の南下を牽制するためにダライ・ラマの亡命を受け入れなければ、平和的に自治権拡大を求める坊さんは、どこかで中国に暗殺されていただろうし、ノーベル平和賞も受け取れなかっただろう。

汝自身を知れーーー

2008年06月03日 08時45分45秒 | Weblog
ソクラテスの言葉に触発されて、私自身について考えてみました。私は誰ですか?

「あなたは誰ですか?」と聞かれれば、何と答えますか?
まずは名前でしょうが、別に名前が変わったところで、私が私であることには変わりない。名前は記号であっても、私の正体ではないでしょう。それこそ、納税者番号を答えているようなものです。

次は職業でしょうが、私は別に天職についているわけではないですし、暇つぶしにブログを書いているからと言って「作家」と言うわけでもないでしょう。ほとんどの課題は、計画的に努力をして乗り越えてきたので、転職しようと思えば、どんな職にも就くことができると思います。かと言って、今の職が天職でもなければ、これからなってみたいと思っている職業があるわけでもありません。とりあえず、ソクラテスの言葉を思い直してみている私は哲学者です。(笑)

趣味は? 今の私の趣味は、今の私を語るのに相応しいでしょう。趣味にはその人の現状が現れるものです。だからこそ、私の深層・普遍的な面を考えた時、趣味を語ることは間違っていると思います。

あと、出身地でも行ってみますか? 確かに、生まれる場所が違えば、私の人生はかなり変わったものになっているだろうと思いますが、私の故郷はどこでしょう。母が出産した産婦人科がどこにあるは知っていても、引っ越しも何回か経験しましたし。どの場所での経験が今の私に最大の影響を与えているのでしょうか? 関西弁も話せますが、かと言って共通語を話せない訳はないですし、言ってしまえば英語も話せます。

私は両親の子供で、祖父母の孫です。彼らの内、もし戦争とかで誰かが死んでいれば私は絶対にここにいません。とう言う意味で、私は幸運な人間ですが、同じぐらい幸運な人間は日本中に無数にいます。また、同じように私と同じぐらい不幸な人も無数にいるでしょう。そして、私より幸運な人も不運な人も世界中にあふれています。人を助けたことも、人に助けられたことも沢山あります。そして、一人でさみしい思いをしたこともあります。私の祖先の中には、大成功をおさめた方もいれば、大失敗をした方もいると思います。それこそ、豊臣秀吉の父は乞食で、本人は天下人で、子供は殺されています。人それぞれ、先祖もそれぞれです。

年齢は、儒教の年功序列が影響力を持っている社会でしか意味を持ちません。年齢では世界での私の位置を語れないのです。誕生日も私を語る一つのものですが、地上に60億人いる内、誕生日が同じ人は2000万人近くいます。そして、血液型の場合15億人は同じ血液型を持っていると考えて間違いないでしょうし、星座・干支では5億人と一致するはずです。「これが私だ」と言うような明確さは出てきません。


私は誰ですか? 今までの長い人生で、私は私を分かっていません。おそらく今後も、死ぬまでには自分自身が誰かわからないでしょう。まぁ、それで良いです。考えるのも面倒くさい。そして、ここで面倒くさいって思っている私は、「今」の私であって、「明日」の私はわかりません。

あなたは誰ですか?

アフガンの呪い

2008年06月03日 08時44分47秒 | Weblog
アフガニスタン侵攻を諦め、軍隊を引き揚げた直後にソビエト連邦は崩壊した。これを受けて、オサマ・ビンラディンは「イスラム聖戦士がアフガニスタンでソ連を打ち破り、ソ連の崩壊を引き起こした」と勘違いした。そしてその後、「最強」のイスラム聖戦士の敵としてアメリカ合衆国を選び、アフガニスタンでアメリカも打ち破れると思い込んでいる。とか書いている記事を読んだことがある。記者はおそらく「文明の衝突」を読んだ誇大妄想主義者だと思う。しかし残念ながら、完璧な戦略家が計画的に策動して歴史を動かしているわけじゃない。現実の社会は間違いも起こす人間が、思い込みや感情に動かされながらそれなりの判断を積み上げて進んで行く上に成り立っている。それを超・簡略化することで本質が見えなくなっているのだとおもう。

しかし、この中に出てくる「アフガニスタンでビンラディンと戦うと超大国が崩壊する」って言うのは意外と合っているのではないかと思う。少なくとも(直接的な要因は経済運営の失敗だったとしても)ソ連は崩壊した。そして、アメリカの国力もアフガニスタン侵攻後、着実に減退してきている。(直接的な要因はブッシュ大統領の失策だとしても)経済成長は減速し、ガソリン高・食糧高が確実に米国民の消費体力を奪っている。景気対策に赤字国債を大量発行して支出を増やそうにも、すでに戦時出費がかさみ財政に余裕がなくなっている。今、アフガニスタンから(っていうかイラクから?)撤退すると戦時特需で好況に沸いていた産業が全滅しかねない。(経済理論上は、利益を生み出さないような産業が存在すること自体無駄なんだから、全滅してくれた方が良いんだけどね。)そして、アフガニスタンから撤退したソ連のように崩壊するのだ。(笑)

と言っても、「超大国」を打ち負かす敵は存在しない。ソビエト連邦も「ロシアの独立宣言」から内部崩壊した。だから、アメリカ合衆国が崩壊するとしたら、州政府のいくつかが独立宣言を出すときでしょう。現状で合衆国から独立宣言を出す州があるかと言うと、無い。かな? ニューヨーク市長のブルームバーグはクセ者だとして、フロリダ州知事はブッシュ弟だし、カリフォルニア州知事のシュワちゃんは根からの共和党員だし。(民主党員・オバマさんとか?・が大統領になったら独立しちゃうかな?)州によって、保守派が強い所と自由主義派が多い所がある。かと言って、みんな学校で南北戦争の悲劇と無意味さについて学んでいるはずだし。って、公立教育制度は機能していたっけ? ローマ帝国は東西に別れたあとさらに分散化して行ったけど。州によって平均収入の格差も激しいよね。


さて、はて。
備えあれば、憂いなし。

墾田永年私財法

2008年06月01日 11時29分59秒 | Weblog
 墾田永年私財法は745年に制定された「相続税」を廃止する法律である。

条文によると、農民の開墾意欲を刺激するために、開墾者本人の死後、開墾地を没収する制度を廃止すると書かれている。

一説によると、荘園主(貴族・寺社)が意欲的に土地の開墾をするようにするための法律ともされているが、どちらの節でも「総生産の増加が目的」と言う点には違いがない。

 そしてその後、「相続に関する法律」が制定されたのは、社会主義運動が力を持った1950年に入ってからである。いろいろな時代を越えて千年以上は日本にも相続税のない世界が存在したのである。その上、2008年現在すでに相続税を廃止する動きが世界中で起こっている。

一見、相続税の歴史は60年と見えるかもしれないが、事実上、相続税の対象になってきたのは、松下幸之助を除けば、中流階級の人間だけである。真の上流階級・超資産家たちは金融・法律の専門家を雇って、相続税を逃れてきた。そごう・西武鉄道の大株主は代々創業者一族が付いてきたことからそれが分かるだろう。相続税は貧富の格差の解消に明確な影響力を持たない。

倫理的にも、「裕福者層の資産を没収すること」によって、下のレベル(全員が貧しい)で貧富の格差を解消することは間違っている。「貧困層に支援を行うこと」によって、上のレベル(全員が豊か)で貧困を解消するように努力するべきなのだ。

 相続税の廃止は、長期的視点を持った投資を行い、経済成長に貢献するように、企業・個人を仕向ける最適の手段である。


付け足させてもらうと、兄弟姉妹が同率づつ財産を受け取る「財産の等分割相続」の歴史も意外と短い。戦後に制定された民法の中と、鎌倉時代初期の律法の中だけである。財産を分割してしまうと、「資本の集約」が起きにくくなって、経済成長を妨げるのである。