21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

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非暴力・不服従は成り立つのか

2008年06月03日 08時46分37秒 | Weblog
インド・ガンジー、米・キング牧師の平和的抗議活動とその後のインド独立・人権状況の改善を持って、非暴力・不服従の理想を語るバカがいるが、現実を全く理解していない。

非暴力では人権を回復することも独立に得ることもできない。インドの独立の要因は第二次世界大戦後の大英帝国国力の減退だ。国力が衰えていたイギリスは世界中に点在する植民地を物理的に維持することができなかったのである。インドの独立とガンジーの運動には関連はない。同時期に、オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカ・エジプトも大英帝国から独立している。その一方、ガンジーの平和的運動に効果があったとするのなら、インドとパキスタン・バンクラディッシュが分離独立して対立しはじめるはずがないが、実際インドとパキスタンは敵対してきた。ガンジーの理想は「大インドの平和的共存」だったが、現実にはカシミール地方の国境争いに始まり(一部を中国にもってかれ)、数々の戦争を経験し、今インド・パキスタンの両国は核保有国になっている。(もしかしたら最初から、ガンジーは第インド圏に二つの核保有国を成立させたかったのかもしれない。さすがは「平和的」運動家!!)。私の主張は違う。大英帝国は自国が植民地を維持できないほどに弱体化していることを隠すためにガンジーを利用したのだ。ガンジーの偉業はマスコミが作り上げたものであり、虚像である。イギリスとしては「武力独立派」に屈してインドの独立を認めたと世界に見られるのを恐れた。そのため「平和的独立派」のガンジーを政治的に利用したのだ。大英帝国の国力に余力のあったボーア戦争・南アフリカ侵略戦では、イギリス軍は武装・非武装を問わず抵抗勢力を皆殺しにしている。第二次世界大戦での消耗がなければ、ガンジーの「塩を求める行進」参加者はマシンガンで一掃されていたと思う。

キング牧師の活動も似たようなものだ。黒人優位主義者による暴力的抵抗活動に手を焼いていたアメリカ政府が、武力に屈したと見られずに、黒人大多数の代表と和解して黒人暴動に対処したいと考えたために平和的運動を続けていたキング牧師に白羽の矢が立ったのだ。「人権」って言葉があるが、100年前の黒人達の人権を守る活動は、現代のクジラの生存権を守る活動ほどに活発ではなかったでしょう。まぁ、日本人の伝統文化(人権)への尊敬もなく、クジラの人権を唱えられても困るんだけど、黒人の人権保護活動をしていた人たちは本当に彼らを「人」と考えていたのですか? 私には分りません。黒人は平和的な活動を続けていただけでは、おそらく無視され続けていただろうと思う。

人権活動家とクジラ保護活動家・菜食主義者を比べるのは間違っていると、私は思います。でも「なぜ、間違っているのか?」、人によって二通りの考え方があると思う。

 それそれで。チベット・ラサで暴動が起きるまで、ダライ・ラマは無視され続けていた。それ以前に、軍事力を持つインド政府が英米と協力して、中国の南下を牽制するためにダライ・ラマの亡命を受け入れなければ、平和的に自治権拡大を求める坊さんは、どこかで中国に暗殺されていただろうし、ノーベル平和賞も受け取れなかっただろう。

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