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セルビアとコソボ

2008年06月29日 20時36分37秒 | Weblog
セルビア国内、アルバニア系が多く住むコソボの独立問題が、ヨーロッパの大国達にもてあそばれている。

セルビアは、ユーゴスラビアからクロアチア・スロバキアが独立して、マケドニアが独立して、モンテネグロが独立して、最後に取り残されるようにセルビア人が起こした国だ。コソボはその一地区で、「アルバニア系が多い」と言っても、アルバニア系は多数派ではない。セルビア系も多く住んでおり、他にもイスラム系やロマ系の人が住んでいる。「民族自決」を掲げて独立できる国ではない。大体、ほぼアルバニア系のみが住んでいる国は他にある。

セルビア・コソボ地区の問題は、ドイツ・フランスの経済運営に失敗している政治家に利用されている。ドイツ・フランスの国民は、経済状況の悪化で、必要最低限の国民の権利だと「思われていた権利」のいくつかを失った。たとえば、手厚い失業保険・年金・医療保障等だ。政治家は人気を失い始め、焦りだし、「コソボの独立」を助けることで、「コソボ人の必要最低限の権利」を守ったように振舞うわけだ。

国民にしてみれば、外国人の人権を守るような政治家なら、国民の権利も守ってくれると思ってしまうものだろう。人気取りを目指す政治家の煽動活動が現実には存在しない「コソボ人」と言う概念を生み出したのだ。

「コソボは独立してコソボ人の手によって運営されるべきだ」と言う意見は、「千葉は独立して、千葉人の手によって運営されるべきだ」と言う意見に近い。千葉に住んでいる政治家は、政策の自由度が広がるのを喜ぶだろうし、国家公務員・国会議員は、自分たちの影響力が弱まるのに抵抗を感じるだろう。
 大きな問題は、「千葉人」って誰ですか?って話。住居は千葉でも、東京都内で働いている人は多い。生まれ故郷は北海道の人もいれば沖縄の人もいるだろう。千葉人の何人が「千葉生まれ、千葉育ち、千葉勤務」何ですか?って聞きたい。そして、あまりにも「千葉人」の概念を大雑把にして、人の流入・流出を自由にするなら、わざわざ独立する必要もない。それこそEUが、貿易の自由化を通じて、拡大・強化されていっているのを考えてほしい。

 「コソボ人」の話も同じだ。「コソボ人」って誰ですか?

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