21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

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投機資金流入を止めるためには

2011年06月15日 23時39分04秒 | Weblog
アメリカで量的緩和策(QE2)が取られている影響で、余剰資金が生れ、それが投機資金となって、商品市場に流れ込んでいる。

商品・資源・穀物価格が上昇しており、企業の仕入れコストが膨れ上がっている。

企業の収益が圧迫されていて、景気刺激策であるQE2が経済成長を阻害する弊害を生み出している。


経済の底割れを防ぐためには、QE2を縮小することはできない。しかし、QE2が続けば、商品価格の高騰も続く。
FRBは、ジレンマに陥っている。



って話は、経済学の教科書によるとおかしい。

QE2ってのは、資金「量」に影響を与える政策。つまり、資金の流れには影響を与えない。

資金の流れに影響を与える政策は、政策金利の調整。

QE2を維持したまま、もしくはQE3を展開しつつ、資金の流入先を調節するために、政策金利を引き上げればいい。


証拠金比率を引上げた途端に、銀の先物価格が下落したように、政策金利を引き上げれば、投機的な資金の流れは縮小する。

一方、量的緩和策の効果は減退しない。

成長力のある企業、将来性のある企業は、金利が高くても、必要な事業資金の確保に動く。
なぜなら、潜在的成長率が高いから。高い利回りを保証することが出来る。

市場の中に、成長力のある企業が必要としている資金「量」が十分にあれば、金利は10%でも20%でも問題ない。

金融危機の中、信用崩壊が起き、市場にある資金「量」が急激に減少したため、量的緩和策が必要になった。
つまり、量的緩和策は「量」の問題であり、金利レベルは無関係。



投機資金の暴走を止めるのであれば、政策金利を引き上げれば良い。
「政策金利の引上げ」と「量的緩和策の拡大」は、対立・矛盾する政策ではない。