21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

倒産するかな、トヨタ自動車?

2009年09月30日 07時31分25秒 | Weblog
 今回の400万台近いリコール話だけでなく、2兆円近い赤字を出した昨年度の話でもなく、設計の時点からシートベルトがつけ忘れられていた自動車の話でもなく、、、

 そう言った話をすべて合わせて、「倒産するかな?」って思う。

とは言え、GMは経営危機に陥ってから、実際に事業再生法の適用を申請するまで20年近く「もった」。


企業内に構造上の問題があるとしても、トヨタほどの規模とキャッシュ保有額があれば、すぐには倒産しない。


大企業病にかかっているのは間違いないとして、治る・治らないはまた別の話だ。

モラトリアム

2009年09月27日 22時52分50秒 | Weblog
債務返済猶予の事を指すのか?
って疑問は置いておいて。

とりあえず、モラトリアム発動によって何が起きるのか?
を考えてみたい。

当然の話しながら、銀行は資金を計画通りに回収できなくなる。そして、資金が回収できないために、新しい貸付も生まれにくくなり経済が停滞する。場合によっては、預金の払い戻しにも支障が出るかもしれない。個人消費を冷え込ませる決定的要因になるだろう。銀行は各都道府県に1行程度に淘汰されるかもしれない。

突然モラトリアムが発令されるのではなく、通常の法令として可決から執行まで6か月以上開けるとすれば、銀行はモラトリアムを利用する可能性のある企業への貸し出しを急激に減らすだろう。6か月間のうちに債権をすべて「貸しはがし」するわけだ。いつかは潰れる企業を今日潰せれば、新陳代謝の向上・経済の活性化のためにはプラスになる。


 廃業に追い込まれる銀行の多くは資金力のない地方銀行になる。ゆうちょ銀行にしてみれば、ライバルが消え去ることになる。そして、資金力のない運送業者も「貸しはがし」で廃業に追い込まれる。郵便局にとってはライバルが減り、経営環境が改善することになる。



 最後に付け足し。
「100年に一度の金融危機」と言われたけれど、リーマン・ショックから一年たって振り返ってみれば25年に1度程度は起こる金融危機にも思えてきた。モラトリアムなんて必要ないでしょ。

製造業の海外進出w

2009年09月12日 09時28分28秒 | Weblog
ものすごく単純化して話をする。

利益が100万円しかないのに、4人の従業員に20万円ずつ払ってしまえば、手元には20万円しか残らない。

でも、利益が100万円でも、4人の従業員に10万円ずつしか払わなくて良ければ、手元には60万円が残る。

製造業の海外進出を単純化すると、そんな感じ。

経営者にしてみれば、特に中小企業の経営者にとっては、工場を海外に移すことで自分の利益を確保することができる。

もちろん、過剰利益分を値下げ原資に回せば、市場での競争力も増す。

先に進出した町工場が、競争力を増して業績を伸ばす一方で、残った側の企業はジリ貧になっていく。


global competitionってのは何かそんな感じw

1990年比25%削減w

2009年09月08日 21時51分45秒 | Weblog
 民主党の目標は「2020年までに、温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減する」ことらしい。1970年代(エアコンが珍しい時代)と同程度の排出量になる。

 もう一つ、民主党は「製造業の派遣人材の活用」を禁止しようとしている。


この二つから導き出せる答えは「民主党は、日本国内から製造業を追い出そうとしている」と言うこと。

日本の工場は、1990年時点で既にエネルギー効率がかなり高かった。その時のレベルからさらに25%も削減するのは難しい。少なくとも巨額の設備投資資金がいる。市場が縮小する日本で巨額の設備投資をするぐらいなら、同じ資金・同じ技術を市場が拡大している東南アジアへの投資へ回したい。ってのが企業の本音になるだろう。

製造業派遣の話も同じ。派遣労働者の利用が禁止されて人件費が上がれば、コスト競争力が落ちる。日本に工場を建てる利点が減るわけだ。


個人的には民主党に賛成です。=「日本に製造業はいらない」って私も思います。
労働生産性の低い産業は日本に残らなくて良いのです。「working poor」って言葉があるけれど、「貧しくなるために働く」のは間違ってます。豊かになるために働かないと。従業員全員の年収を500万円以上に保てないような「生産性の悪い企業」は日本に無くて良いのです。社員をうまく使って、年間に1000万円以上(従業員一人当たり)の富を生み出せる企業だけに日本に残ってもらいたいです。

中国人は月収1万円で働いています。彼らと単純に仕事の奪い合いをすれば、こっちの月収が1万円になってしまいます。産業構造を再構築して、月収で40万円以上を支払える、そんな企業群を作っていくのが理想です。

うんぬん、かんぬんw

2009年09月01日 21時19分22秒 | Weblog
 今回の総選挙の結果について、経済オタクから言わせてもらうと、「政党なんてどこだって同じ。」 自由民主党が勝とうが、民主党が勝とうが、変わらない。
 「国際化(globalisation)」が進む中で、世界はFlat(平ら)になっている。国の文化・習慣にかかわらず、国を発展させるために必要なことは1文で表せる。
「人口を増やして、個人消費を拡大し、企業の設備投資・技術革新を活発にして、貿易を推進しないといけない」
 政党によって主義主張は違うだろうけど、実際に政権を取った後、国を発展させるためにできることは同じw

逆に、国を衰退させようとするなら、方法はいくらでもあるけどねw
 自民党が政権を担当しているのと、民主党が政権を担当しているのでは、「国の衰退の仕方」には違いが表れてくるのかもしれない。

 僕らが小学校(5,6年生?)の時、教科書には「日本は世界第二位の経済大国で、一人あたりのGDP額は世界一です。」って書いてあったの覚えている?
 今年、経済規模は中国に抜かれて第3位なった。一人あたりのGDP額は、欧米諸国に抜かれて第14位まで落ち込んでいる。
 それに、日本全体の「貯蓄率(収入の何%を貯蓄に回しているか)」も、今年はマイナスになった。つまり「日本人は、貯金を食いつぶしながら生活している」ってことw (俺個人的には、しっかり貯金しているけど)
 「マイナスの貯蓄率」を悪く言い換えると、「日本人は自分達が生産する以上に消費している」ってことになる。先20年ぐらいは、過去に蓄えた分がたっぷり(3000兆円分ぐらい)あるから問題ないけど、「永遠になくならない」ってことじゃない。
 海外旅行に行くときにJALやANAを使う人は何%ぐらいいますか? 日本の空運産業はもう駄目だよ。大韓航空・タイ航空・シンガポール航空にキャセイ・パシフィック、カンタス航空・・・・新潟から海外旅行に行く場合、成田空港に行くよりも、新潟空港から韓国・仁川空港に飛んでトランジットした方が早くて、便利になっている。戦略的に何とかしないと、成田空港・関西空港、JAL・ANAは共倒れするだろうね。

 このままのペースで日本が衰退していくぐらいなら、一度は民主党に任せてみても良いのかもしれないよ。

 現在の日本の国債・公債の発行残高は、約850兆円で、国民一人当たりに直すと約700万円になる。このまま、発行残高が増えないとしても、今のままでは、2050年には日本の人口は8500万人にまで減る。1人当たりの負担額は約1千万円にまで膨れ上がる。
 何もしなければ、2050年(俺は65歳)になるまでに、日本はジリ貧になる。

 国が発展するためには、「人口を増やして、個人消費を拡大し、企業の設備投資・技術革新を活発にして、貿易を推進しないといけない」ってなってる。

 1・人口を増やす。
って、手っ取り早い話は、「移民を増やす」こと。時間がかかっても良いなら、「出生率を上げる」こと。人口が増えれば、一人あたりの社会保障の負担額は減るし、全体の生産力は増える。そしてもちろん、全体の消費額も増える。
 日本社会を考えると、移民は増えないだろうね。。。2050年までに人口が4000万人減るのなら、それまでに4000万人の移民を受け入れないと、経済規模を「維持」できない。人口の3分の1だねw←あり得ねぇよw もちろん「経済発展」を目標とするのなら、5000~6000万人の移民が欲しい。日本の人口を1億5000万人ぐらいまで増やしたい。
 それだけの数の移民を集めるには、日本社会の受け入れ態勢が大問題。英語を話せる人は世界に10億人いるけれど、日本語を話す人は国内以外には数千万人もいない(笑) 移民に来ていただくためには、「日本語を話せなくても生きていける社会・地区」ってのを準備しないといけない。もちろん、母国語をつかえる病院とか学校、消防署とか警察署が必要になる。

 もうちょっと現実的に、「出生率を上げる」方を考えてみる。と言っても、日本全体の人口を増やそうとすれば、合計特殊出生率で「3」は欲しい。「女性一人あたり一生に3人の子供を産み育てる必要がある」。 問題は「時間」と「経済力」。
 3人も子供を産めば、産休と育休で女性は5年は仕事を離れることになる。「1人目の子供を産んでから、3人目の子供が小学校に入学するまで仕事をしない」とすれば、10年近く仕事を外れることになる。専業主夫希望者ならまだしも、仕事で成功をしたいと思う女性にとっては負担が大きい。
 そして、奥さんのパート収入なしで家計を支えていけるような経済力のある男性もそうそういない。
 幼稚園から大学まで全て私立に行くと、「子供一人当たり2500万円はかかる」と言われいる。全て公立でも1000万はかかる。←塾にも行かずに、浪人もせず、国公立大学に入学してくれる子供はなかなかいない(笑)
 少なく見積もっても3人分の教育費だけで3000万円はかかる。公立だけでも、大学院まで行くともっとかかる。
 もちろん、「国が教育費を負担」すれば、両親の負担は減るが、社会全体には「増税」と言う形で負担が増える。そんな政策をとれるのか?


 2・個人消費を拡大する。
最悪の場合、人口が増えなくとも、個人消費が拡大すれば、経済は何とかなる。人口が3分の2になる代わりに、一人あたりが今の1.5倍の消費をしてくれれば良い。
 消費税を廃止しても、それだけ個人消費が増えることはないだろうねぇ。
 消費税を増税して、社会保障を充実させることで、消費を拡大すると言っても今の1.5倍にはならんだろw
 インフレになれば、少しは個人消費が増える。もしも物価が1.5倍になれば、苦労しなくても個人消費は1.5倍になる(笑)←現実的じゃなさすぎw ちょっと心理経済学的な考えをすると、インフレ期待(将来に物価が上がると思っている人の数)が増えると、「高くなるから明日買うより、安いうちに今日買おう」と思う人の数が増えて、節約志向がなくなる。インフレ期待値が上がると、個人消費が拡大するわけだ。
 少なくとも、デフレに陥ってしまうと、個人消費は一方的に冷え込む(デフレ・スパイラル)。「明日買った方が安くなるのなら、今日買う必要ななくなる。←当然、モノが売れなくなる。←企業の収益が減って、従業員への給料が減る。←今日買いたいものも買えなくなる。←企業の収益が悪化する・・・・・・」 一般的に、中央銀行が金利政策で、商品のPresent Value(現在価値)を引き下げると、Future Value(将来価値)が相対的に上がって、インフレ期待が増加する。と言われている。 残念ながら、日本の場合はゼロ金利政策が長期にわたって続いたために、金利政策ではデフレ・スパイラルから抜け出せなくなっている。物品税の導入、金融政策の拡大を通して、デフレ退治をしないといけない。
 ゼロ金利政策の影響で、潰れるべき企業がつぶれずに、過剰投資・過剰競争が起きている。これが価格競争を引き起こしているので、デフレが止まらない。と言って、金融危機のさなかに、政策金利を引き上げれば、潰れる必要のない企業まで潰れてしまう。金融政策で乗り切る必要がある。


 3・企業の設備投資・技術革新を活発にする。
「個人が消費」しなくても、企業が金を使ってくれれば経済は回る。それが設備投資。2006年の景気回復は企業の設備投資の伸びが支えていた。企業は「伸びる市場」でのみ設備投資を積極化する傾向があるから、今のところ日本じゃ期待できない。景気が回復して、個人消費が伸びないと設備投資の伸びも期待できないけど、設備投資が伸びないから、景気が回復しない。って感じw 
トヨタもソニーも国内に工場を建てないで、景気の良いBRICsに出て行っている。
 それに、法人税率が高いと、リスクを取って投資をしてまで稼ぐ気がなくなるよね。社会的規制がうるさいとコストがかかるし。法人税率を引き下げる必要があるし、「企業の好き勝手にさせろ」ってわけじゃないけど、無意味な規制はなくしていくべき。大企業が投資に熱心でないうえに、新しいことに挑戦する「起業文化」も弱い。日本社会システムは、「冒険すること」「失敗すること」「再挑戦すること」に厳しい気がする。リスクを取っている人を、もっと尊敬するようになって欲しい。
 そして、技術革新。極端な話、ドラえもんの世界になるけど、技術革新が進んで、産業の機械化が徹底されれば、人は働かなくても良くなる。そこまで行かなくても、科学技術の力を借りることで、労働生産性が2倍になれば、労働者の給料は3倍になる。人口を増やすことなく、インフレを起こす必要もなく、個人消費を1.5倍にできる。←良い感じで、労働生産性を2倍にするためには、年率5%の成長を15年(複利計算)続けないといけない。第三次産業革命でも起きないとムリ・・・IT技術、太陽光発電、燃料電池、野菜工場、機械化・・・・・何とかならない気もしないでもないけど。オバマ大統領は「グリーンニューディール」なるモノを発表した。そんな感じで、成長産業に積極的に国が投資していくようなシステムが欲しいよ。

 4・貿易を推進する
「日本の人口」が減ったって、「日本で個人消費」が落ち込んだって、「日本に企業」がいなくなったって、国境もなくなれば問題じゃなくなる。それが貿易を推進するってこと。「工業製品の輸出はしたいけど、農産物の輸入はしたくない」とか言っている場合はじゃない。何と言っても、日本の経済規模は中国に抜かれている。「中国とはFTAを結びたいけれど、日本とFTAを結ぶ必要な感じない」って国が出てきても当たり前の状況。国際的には、もう威張っていられる状況じゃない。北米にはNAFTAがあって、ヨーロッパにはEUがある。アジアにはASEANがあって、ASEANと中国・韓国・インドはFTAで結ばれている。
 世界各国とのFTA締結をもっと焦った方が良いと思う。



最後になるけれど、「人口を増やして、個人消費を拡大し、企業の設備投資・技術革新を活発にして、貿易を推進する。」 高い経済成長率を達成するためには、この4拍子をすべて揃えないといけない。 って少なくとも、教科書にはそう書いてある。 そして世界中の政府が、その教科書通りに経済を運営しようと努力している。

日本は置いていかれている。
問題があるのは「政治」ではなく、問題と正面から向き合おうとしない「日本社会」。

・・・・・「年金制度」なんて、田中角栄が設計させた時から破綻することが分かり切っていた制度なんだから。立花隆の「田中角栄研究」を読めよ。今の積み立て型の年金制度は潰れるよ。今まで積み立ててきた人は残念だろうけど、諦めろよ、現実を見ろよ。
新しく、所得税なり消費税なりを財源にした年金制度を導入するべきだよ。国民年金、厚生年金、共済年金、議員年金、障害者年金、国民皆医療保険制度、生活保護制度は一本化するべきだよ。年金の所得比例分に関しては、民間に開放するのが一番だよ。保険会社なり、信託銀行なりが社会保険庁ほよりもしっかりとしたシステムを作ってくれるよ。(ちなみに、確定拠出年金401kを最初に導入したスイスでは、加入者の95%が元本割れに陥ったそうです。401kに加入する時には気をつけてねw)・・・・・


変わらないといけないのは「政治家」ではない。変化を嫌い、短絡的な豊かさを求め、長期的な視点のかけている日本人そのもの。
 社会が子育てに時間や資金をかけないのなら、若者は子育ての負担に耐えられずに、子供の数は減っていく。(その点、民主党の子供手当は評価できる)
 「日本人」の人口が増えないのなら、数千万人規模の移民を受け入れる必要がある。
 「収入が増えない」からと言って、出費を抑えていると個人消費が伸びず、景気が回復しない。そして、景気が回復しないから収入が増えない。インフレを起こせば個人消費が伸びて景気が回復するが、インフレが起きると貯金の価値が目減りするので、有権者の支持を得られない。
 日本市場には企業が投資したくなるような魅力が既になくなっているにもかかわらず、企業を支援するような政策(法人税減税・各種補助金)が不人気だ。
 そして、すでに40%を割り込んでいる食料自給率を上げようと、農業の自由貿易化に反対している。食料自給率を回復させることは不可能だし、意味がない。農業に使われている燃料(ガソリン・軽油)を100%輸入に頼っている日本が、食糧自給率を高く維持することに意味はない。