道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

キネティック・アート展(損保ジャパン東郷青児美術館)

2014年09月02日 | 美術道楽
損保ジャパン東郷青児美術館にキネティック・アート展を見に行きました。

まずはHPから企画の趣旨です。
(引用はじめ) 20世紀のヨーロッパに誕生したキネティック・アート(動く芸術)は、作品そのものに「動き」を取り入れているのが特徴です。機械じかけで動いたり発光する作品のほか、実際には動かなくても、目の錯覚を利用したり、見る人の視点の移動に応じて動いて見える作品も含みます。
「動く芸術」という考え方は、20世紀初頭に機械文明を礼賛し「スピードの美」を唱えた未来派などにさかのぼることができます。動く作品としては、1930年代から作られた風力で動く彫刻「モビール」がよく知られています。しかし、キネティック・アートが本格的に盛んになるのは、1950年代後半から60年代にかけてのことです。大戦後、発達する科学技術を芸術に取り込む気運の高まりの中で、キネティック・アートは20世紀の新しい美術分野として定着します。
本展覧会は、1960年代にイタリアを中心に展開したキネティック・アートを日本で初めて総合的に紹介する試みです。先駆的なブルーノ・ムナーリをはじめとするイタリアの作家たちのほか、フランスやドイツで活動した作家たちをあわせた30余名による平面・立体作品約90点を展示します。いずれもイタリア国内のコレクションからの出品で日本初公開です。(引用終わり)

キネティック・アートの序章として、動かない絵画が第1章視覚を刺激する(絵画的表現)として紹介されます。そこで、ジョセフ・アルバースの何重にもなった四角の絵や織物もみることができました。ヴァザルリという、芸術家列伝を著したジョルジョ・ヴァザーリと同じ名前の画家の色彩の作品も興味深く思われました。
その後は、自分が動くと違ったようにみえるような作品なども含めて不思議な世界のオンパレードです。不思議な動きや色彩の作品、また錯視を利用した作品など楽しむことができました。夏休みの時期であったせいか、子連れの客が多かったようです。これなら子どもも喜ぶことでしょう。
現在渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「だまし絵2」展が開催されていますが、そちらも錯視の世界(ただし、他にも現代アートの作品も多数ありました。後に紹介します。)なので、2つの美術展を回ると面白かったと思います。