
進学校に通う成績優秀な少女チェン(チョウ・ドンユィ)は、いじめを苦に投身自殺した同級生の遺体に思わず自分の上着をかけたことから、今度は自分がいじめの標的になる。
母子家庭のチェンの母親は、インチキな商品を売って借金取りに追われながら出稼ぎしており、まったく頼ることができない。
チェンはチンピラのシャオベイ(イー・ヤンチェンシー)にふとしたきっかけで出会い、彼には心を許し、護衛を頼むようになる。
しかしいじめはどんどんエスカレートして行き、遂に殺人事件へと発展する。

中国でのいじめがどんなものかと興味を持ちましたが、そりゃあ酷いものです。
少女を取り囲んで殴る蹴る、髪をバリカンで刈り、裸にして動画を撮る。
チェンは一度、親身になってくれた警官に相談しますが、主犯格の数日間の停学で終わり、報復が酷くなっただけ。
これではチェンが、もう警察には頼れないと思うのも無理はない。
貧しい暮らしを抜け出すために一流大学に、と将来の夢を語るチェン。
ストリートチルドレンとして育ち、底辺でしか生きられないと思っているシャオベイ。
チェンを抱くこともなく添い寝して、「君は世界を守れ、俺は君を守る」と。
街のチンピラとの喧嘩で怪我だらけのシャオベイの傷に触れて「痛くない?」とチェンは聞き、「そんなこと言われたことがない」とシャオベイは打ち明ける。

格差社会、受験地獄、いじめといった社会問題を取り上げ、息詰まるように暗いシーンばかりの映画ですが、二人の純愛に救われる思いです。
ラスト近くの「金もない、頭もない、何もないけれど好きな女の子がいる」というシャオペイのセリフには泣きました。
しかし映画の冒頭とラストに、実に興醒めな、中国政府を讃える文言が入ります。
「中国政府の指導でいじめはなくなった、この映画がいじめ問題の抑止になることを願う云々」という趣旨の。
香港出身のデレク・ツアン監督が作ったこの映画は、多分それを入れないと公開ができなかったのでしょうが。
香港、ウイグル、チベット、モンゴル問題、そしてカナダ人への死刑宣告。
どの口が言うか!?と思ってしまいます。
日本で聞くよりずっとずっと酷そうですね。
しかも日本同様自殺者も出ている。中国人の変に道徳をわきまえないから強いイメージを抱いていました。
実際にあの人たちは強いですね。
しかしいじめは最低。
今度は韓国人はどうなのか、興味が湧いてきます。
日本との政治問題でもねちねちとすごいではありませんか。韓国国内でも政治家、財界人を始め貶めるのが凄いので。
日本でも、川崎の河川敷だったかいじめで殺されちゃった子もいましたね。
こちら、中国の熾烈な受験戦争の様子も分かって面白かったですよ。
そして韓国も大変な受験戦争の国。
オリンピックで成績の奮わなかった選手への攻撃も酷いようですし、
政治家、財界人を始め貶めるのは得意芸のようですし、
いじめの酷さもおのずと分かるような気がしますね。