
映画「国宝」を観た翌日、六月大歌舞伎昼の部を観に行きました。
今月は珍しく、昼、夜、両方を観たことになります。
八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助襲名披露であることには変わらないのですが、演目はまるで違います。

「菅原伝授手習鑑」からの「寺子屋」が、印象的でした。
「寺子屋」は有名な話ですから御存知の人も多いでしょうが、要するに主君の子どもの身代わりに、自分の子どもの首を差し出すという話です。
菅原道眞から書道の極意を伝授され、寺子屋を営む武部源蔵(愛之助)は、道眞の息子菅秀才を匿っていますが、敵方に知られて秀才の首を討てと迫られる。
丁度その時、寺子屋に品格のある男の子、小太郎が入学してきたので、源蔵はその子の首を代わりに差し出す。
敵方の松王丸(菊五郎)がその首を改め、菅秀才に間違いないと言うのですが、実は小太郎は松王丸の息子であった。
松王丸は今は敵となっているが、かつて道真に恩義があり、その恩に報いるために我が子の首を差し出したというのです。

いやいや、恩師の子どもを守るために教え子を身代わりに殺そうとするというのも酷い話ですが、昔の恩義に報いるために我が子の首を差し出すというのはもっと酷い。
こんな不条理な話の演目が、江戸時代から熱狂的に鑑賞されてきたのか。
「せまじきものは宮仕え」なんて台詞だけでは、到底納得できません。
私が座っていた座席の二つ置いて隣に、外国人の若い女性が二人座っていました。
先週の外国人とは違い、4時間の舞台を最後まで鑑賞。
帰り際に通路で一緒になった時、何処からいらしたの?と聞いてみたら、スイスとハンガリーですって。
理解できた?面白かった?と聞いてみたら、台詞は理解できないけれど、予習してきたので話の大筋は分かったと。
「寺子屋」の話についてどう思った?と聞いたら、理解は難しいが、日本の古典芸能は素晴らしい(It looks very complicated for us but Japan's traditional art is so wouderful!)と。
いやいや、我々にだって理解できませんから。

この日は、若苗色の単衣の紬を着ました。
友人は涼し気な消炭色の絽の着物でした。
単衣の着物が涼やかでステキですね。
私は今週末昼の部見に行く予定です。
『寺子屋』歌舞伎三大名作のひとつですが
毎回見るたびに…私も…この不条理な作品
何だかなぁ~って思います。
今月は…車引きに押しが出てるので~(笑)
「寺子屋」はあまりにも有名ですが…
ストーリーはなんだかなあ、ですよね。
忠臣蔵といい、昔はこうした忠義が何よりもの美談だったのでしょうね。
「車引き」、楽しんで~!
長く歌舞伎に縁がなくて。
又違うお着物ですね。
まだまだ着ておられない着物が箪笥にあるのでは
ないかと推察しています。
今の所、好奇心から歌舞伎座に通っています。
ええ、着物、まだまだあります。
夫の母や叔母に頂いたのもありますし…