Zooey's Diary

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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

2023年11月11日 | 映画

1920年代、オクラホマ州オーセージ郡。石油が発掘され、先住民オーセージ族は、莫大な富を得る。その財産に目をつけた白人たちが押しかけ、政略結婚、ゆすり、強奪、殺人を犯していった、実話に基づく物語。
第一次世界大戦後の帰還兵アーネスト(レオナルド・ディカプリオ)は、キングと呼ばれる叔父のヘイル(ロバート・デニーロ)を頼ってオーセージにやって来る。
先住民の女性モーリー(リリー・グラッドストーン)と早速結婚して幸せな家庭を築くが、ヘイルからモーリーの母や姉妹、その親族を殺せと命じられる。



アメリカの先住民というと、土地を奪われ、居留地に押し込められ、失業と貧困にあえぐ姿ばかりを本や映画で観て来たので、そんな裕福な人たちもいたのかとまず驚きました。
その頃のオーセージ族は豪邸を構え、車を持ち、白人のメイドや運転手を雇っていたのです。
そしてそこに群がる白人たちの貪欲さ、あくどさが、画面に時々現われる広大な自然の美しさとくっきりと対比される。
ジャーナリストのデビッド・グランがアメリカ先住民連続殺人事件について描いたベストセラー・ノンフィクション「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」を原作に作られたということです。
この長いタイトルは、原作の「花殺し月の殺人」から取られたもので、オーセージ族保留地において、5月になると背の高い草が生え、花の光と水を吸い取って命を奪い取ってしまうことが由来とのこと。



ディカプリオが、妻を愛してはいるが金は欲しい、叔父には逆らえない、どうしたらいいんだ俺?という情けない駄目男ぶりを、見事に演じています。
そしてデニーロは、善人ぶった顔で徹頭徹尾悪いヤツを。
彼らがこれだけの数の殺人を犯しても、刑罰が(恩赦などあったとはいえ)軽くすんだのは、当時の人種差別の表れなのか。
「白人がインディアンの使用人として働くなんて罰当たりだよ」というようなセリフを、登場人物の誰かが言っていました。
アメリカ近代史の恥部を、スコセッシ監督は見事に描いていると思います。
しかし3時間半は長すぎた…

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン公式HP 

コメント (2)
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