Zooey's Diary

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「レディ・マエストロ」

2019年09月26日 | 映画

女性指揮者のパイオニア、アントニア・ブリコの半生を描く伝記ドラマ。
1026年ニューヨーク、オランダ移民の貧しいウィリーは両親とスラムに住み、
コンサートホールの案内係として働いていた。
有名指揮者の指揮が観たくて、勤務中に客席の最前列に座り込む。
当然見つかって放り出され、仕事もクビになる。



金も人脈もなく、ちゃんとした音楽教育を受けたこともない。
それでも音楽に対する情熱と絶対音感だけは誰にも負けない。
ナイトクラブでピアノ弾きとして働きながら、なりふり構わず努力を続けていた。

ようやく見つけた音楽教師からはセクハラを拒絶してクビになり、
金持ちの御曹司フランクと恋に落ちるも、夢を諦めて家庭に入ることを迫られる。
そんな時、自分が養子であったことを知ったウィリーは本名のアントニア・ブリコと名乗り、
祖国オランダを訪れて出生の秘密を知り、ベルリンでようやく音楽の師を見つける。
死に物狂いの努力の結果、ベルリン・フィルの指揮者デビューの日を迎える。
ブリコが欧州で活躍してアメリカに凱旋帰国、ニューヨーク・フィルの指揮をすることになるも、
楽団員が女性指揮者に従うことを拒否したりするのです。



今から百年前、女性の社会進出が今よりもはるかに認められなかった時代。
女性が指揮者になりたいというだけで失笑され、バカにされ、キチガイ扱いされる。
セクハラを拒絶したことで学校を辞めさせられ、逆に訴えられる始末。
養母からは家を追い出され、恋も結婚もあきらめ、
ベルリンでは慈善鍋で食いつなぎながら、それでも彼女は必死だった。



NASA初の女性数学者を描いた「ドリーム」、米国初の女性最高裁判事を描いた「ビリーブ」、
これらの作品を観る度に、こうした女性たちの死に物狂いの努力があって
今日の社会があるのだなあとつくづく思います。
折しも今週、ブザンソンの世界指揮者コンクールで沖澤のどか氏(32歳)が優勝。
ブリコが知ったら、さぞ喜んだことでしょうね。
オランダの女性監督マリア・ペーテルスの日本初公開作品だそうです。


(ブリコ本人)
コメント (4)
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