この鉄橋を左から右に渡れば足尾精錬所に突き当たる。
足尾銅山で採掘した鉱石を輸送するため鉄道が敷設され(足尾鉄道)、大正元年に足尾~桐生間が開業します。大正7(1912)年、足尾~足尾本山間が延長されたところで「足尾鉄道」は国鉄に買収され「足尾線」になりました。昭和48(1973)年、資源枯渇により足尾銅山が閉山したあとも、輸入鉱石を精錬するため「足尾本山」駅まで貨物が行き来していましたが、昭和61(1986)年に貨物輸送が廃止され、「足尾線」は桐生~間藤間の旅客輸送のみとなりました。その後、昭和62(1987)年の国鉄民営化に際してJR東日本に継承され、平成元(1989)年に「わたらせ渓谷鐡道」として再スタートを切りました(だから、今年で開業20周年というわけ)
(左)線路を覆い尽くすススキがとても美しかったから、少しだけ線路を歩いてみた?
(右)今はもう動かない腕木式信号機。信号は青。先に進みましょう~♪
(右)魅力的な煉瓦のトンネル。トンネルの出口に落石があったのだろう、大きな岩が転がっていた。このように、廃線跡はとても危険!
(右)この鉄橋(冒頭の鉄橋)も木の部分が腐っている。もちろん、ニワトリさんも迂回しました。廃虚と化した精錬所が正面に控える。中を見学したいなあ~♪
(左)ゲート前の鉄橋の下をくぐって幹線道路に戻ると、いかにも古そうな鋼鉄製の橋にさしかかった。明治23(1890)年に架けられた「古河橋」である。昭和56年に日光市の指定文化財に制定され、今回の一括有形文化財にも登録された。橋の上弦材にH形鋼板を使用した珍しい橋とのことだ。床板には木材が使われている。案内板を読んでゆくと、平成5年に「新古河橋」が架設され、「古河橋」は歩道橋として残ることになったと書かれているが、現在は歩行禁止のポールが立っていて、渡ることはできない。床板が腐食しており、いかにも危ない感じ・・・あえて渡ろうとは全く思わなかった。
(右)それにしても、文化財と触れ合うぐらいの距離に新しい橋を架けるとは・・・興ざめだ。橋を架け直すときは、このように新しい橋を隣に架けて、完成後に古くなった橋を撤去するのが普通だが、「旧古河橋」は撤去しないのだから、もう少し他のやり方がなかったのだろうか?