皇居一周 ~ 三井物産人口池から二重橋へ

2007-06-29 23:47:50 | 日常&時間の旅


                   




 皇居東御苑を一周して天守閣跡に戻ってきた頃、再び雨がぽつりぽつり降ってきて、以後止むことはなかった。平川門の入口受付で札を返却したのち内濠通りを南下して気象庁前の交差点を渡り、大手町の三井物産ビルへ向かった。
 カルガモがこのビルの人口池で子育てを始めたのが1983年、人工池から皇居のお濠へ子ガモを引き連れてお引越しをする際に外堀通りの交通を遮断して道路を渡らせるなど、一時は「社会現象」になっていたけれど、いつしか忘れられてしまった。
 今年は二年ぶりに二羽のヒナ(カルガモにしては少ないけど)が誕生したらしいので寄ってみたけど、親ガモの姿しか見えなかった。雨も降っているので、ヒナたちはお腹の下にいるのかな?(二枚目の写真は新聞の切り抜き)


     

 大手門あたりで、皇居名物?の白鳥が現れた。カメラを向けたら、こちらに気がついたのか、ゆっくり近づいてきた。BGMにサン=サーンスの「白鳥」は流れなかったが、雨の日のちょっとした幸福なひとときになった。可愛いなあ~




                   



 和田倉門を過ぎて優美な桜田巽櫓が見えてきた。時刻はそろそろ午後5時近く、京橋を出発してから7時間が経とうとしていた。モノクロ写真のような雨の夕方もいいものだと思った。二重橋に着いた頃、観光客も自分以外に一人しかおらず、警備の警察官に「早く帰りなさい」と言われているような気分になった。ここでも白鳥が優雅に現れ、背景になってくれた。




                   
 
 さてさて、皇居を一周したのも、二重橋を目の前で見たのも、これが生まれて初めての出来事でした。「灯台もと暗し」の典型的な例ですね。
 これからはちょくちょく訪ねてみようかと思っているのですが、意外とこの時期がお勧めかもしれません。花菖蒲もまだ見られたし、雨に濡れた紫陽花とほんのり色づいた梅の実が素敵でした。紫陽花はやっぱり雨が似合う花ですが、日本の家屋にもとても似合う花だと思います。
 そして、梅。これだけたくさんの梅の実が「梅酒」にならないのは惜しい気もしますが、地面に落ちた梅の実がほのかに香る雨の梅林坂も、なかなか素敵でした。
(若い女性二人組も、私と同じように足を止めていたので、多分一人よがりじゃないと思う)

                   



 写真ばかりになってしまいましたが、これで「皇居一周」記事も完走です。

 現在、時刻は30日(土)午前1時45分。私の部屋から西の空が見えるのですが、目の前に見事な満月が浮かんでいます。近くの雲も浮かび上がって綺麗~。

 先週夜空を見上げたときは「上弦の月」でした・・・あっ、月が雲に隠れた! 神秘的な光景です。再び現れて・・・映画を見ているみたい!

 今週は土日も仕事。中央線では三鷹~国分寺間の下り線高架切替え工事が行われ、帰宅困難も予想されます。会社に泊まった方が正解かも?


皇居一周 ~平川門と東御苑

2007-06-28 23:55:00 | 日常&時間の旅


                                          


 国立近代美術館でアンリ・カルティエ=ブレッソン展と常設展を見終わって表に出ると、うまい具合に雨が上がっていた。ここから200mほど先に見える大変美しい平川橋を渡り、平川門をくぐった先にある受付で番号札をもらって、いよいよ江戸城内(皇居東御苑)に入った。
 平川門は、死者や罪人を通したため「不浄の門」と呼ばれていたらしいが、当時の姿がそのまま残っている唯一の門(白木の橋・高麗門・渡櫓)として、大変貴重な遺構になった。大奥女中の通用門でもあり、門限に遅れた春日の局(三代将軍家光の乳母)がここで夜を明かした逸話も残されている。




                   

 石垣を縫うように城内を歩き、梅林坂を上ると、巨大な天守閣跡が現れた。五層六階の天守閣は天守台を含めて60mに達したらしいが、石垣の大きさから在りし日の姿を想像できる。東京に暮らして数十年、初めて目の当たりにした江戸城だった・・・


                   



                   

 天守台の大きさは、東西南北41m×45m、高さ11m。築城時は14mあったらしい。この基礎の上に、高さ51mの五層六階建て天守閣がそびえていた。半分以上が外国人、それも世界各国の人々が集まっているかのような国際色豊かな光景に、ここが日本であることを忘れそうになる。どうしても東京オリンピックをやりたいなら、天守閣を復元して欲しい(浅草十二階も)。皆、喜ぶぞ~♪
 石垣の色や形は殆どアートだけど、現代にも通用する高度な建築技術に、驚嘆するばかりの文系ニワトリだった。天守台から、本丸跡の芝生を見下ろした。わざと石垣を入れると、こんな感じ。
 皇居東御苑は、江戸城の本丸と二の丸跡(一部三の丸跡)を公園化して一般に開放したものだが、日比谷公園を凌ぐ21万㎡もの広さがあり、ここを回り切るだけでも有に1時間は必要で、今更ながら江戸城の巨大さを実感した。
(それは当然、江戸城は世界最大の敷地面積を誇るお城だった!)
 私は裏口?の平川門から入ったが、各藩の大名や武士たちが登城した大手門や、北詰橋門からも入苑可能。入苑料は無料だけど、年末年始とウィークデイの月曜日&金曜日、催事などがある日はお休みなので、お出かけ前に確認を取った方がいいかも・・・


                   



 かつて松の大廊下があった場所。今では『第九』と並ぶ年末の代名詞になった『赤穂浪士の吉良邸討ち入り』の原因となった刀傷事件が起きた。松の廊下側から本丸を見ると、こんな感じ。芝生の向こうに大奥があった。「大奥跡」の碑が立っている。


     

(左)かつて皇居正門石橋(二重橋のことだと思う)にあった街灯。
(右)江戸城遺構で唯一残った三重櫓の富士見櫓。正面から見たい・・・


                   



 二の丸庭園は小堀遠州が設計した回遊式庭園を復元したもの。こんな立派な庭園が東京のど真ん中にあったとは・・・




                   



 諏訪の茶屋(他に、百人番所というのもある)と、木立の下で談笑する婦人。私のような「おのぼり」さんではなく、自分の庭のように風景に溶け込んでいた。二の丸庭園には〈都道府県の木〉というユニークなコーナーがあって、47本の木が植えられている。今、話題の宮崎県の木は?(答え=フェニックス)
 最後の写真は、メジャーで石垣の大きさを測っていた男性(推定60歳。こういう大人に私はなりたい)。私が天守閣跡を訪ねたときは反対側を計測していたが、それから2時間近く経過してここに戻ってきてもなお・・・何だか知らないけど、感心した!
 すごいすごい~♪



 二時間前は、ここを測っていた・・・


皇居一周 ~ 桜田門から北の丸公園

2007-06-27 23:30:21 | 日常&時間の旅


千鳥ケ淵のダンボール小屋の隣で・・・


 ぽつりぽつりと降り出した雨が、たちまち普通に濡れるほどの雨になったが、例によって半ズボン&サンダルのいでたちに、買ったばかりの麻の帽子をかぶっているため、傘を取り出す必要はないと判断した。
(傘を差しながらの自転車は危険だし・・・)
 日曜日だというのに、大汗をかきながら内堀通りを走っているランナーたちに混じって、勢いよく自転車を漕ぎ出したが、たちまち桜田門に着いたので、自転車から降りて、二つの門を見学した。外人さんが多いが、「知らない」という点では自分も外人みたいなもの。渡櫓(わたりやぐら)門の大きさに、素直に感動してしまった。


                   

(上)伏見櫓と桜田門(高麗門)。江戸末期、安政の大獄を作って攘夷派を弾圧した開国派の大老=井伊直弼(+お供の者八名)が、桜田門外で水戸藩士に暗殺された。話は全然変わるが、切り落とした直弼の首の争奪戦を描いた筒井康隆の『万延元年のラグビー』は、私の初「筒井」体験でした・・・
(下)伏見櫓内の桜田門(渡櫓門)。写真で見ると小さいが、実際は首が痛くなるくらい見上げる大きさだ。隣の外人が「Great」を連発していて、そのことに感動~♪


 内掘通りに入って桜田濠に沿って快走、三宅坂を半蔵門まで一気に駆け上る。半蔵門には高麗門しか残っておらず、なおかつ立ち入り禁止なので、向かいのワコール本社を一望し、ここから先は桜で有名な千鳥ケ淵公園内を走り、途中にあるイギリス大使館前で写真休憩。無粋な警察車両が止まっていなければ、全景を撮れたのに・・・


 千鳥ケ淵に着いたころ、本降りになってしまった。たまらず傘を取り出したが、体が急速に冷えたのは、雨のせいだけではない。ここにある戦没者墓苑のせいだ。
 千鳥ケ淵戦没者墓苑は、靖国神社に合祀されている人々とは違って、第二次大戦中に海外で死亡した軍人・一般人で身元がわからない遺骨を安置するためにつくられた。法律的には墓ではなく、「倉庫」と同じ扱いになっているのが寂しい限りだが、だからといって、新たな無名兵士の墓として拡充、公園化しようという動きにも無条件で賛成できない。まずは、海外に今も放置されたままになっている110万人の遺骨収集に全力を尽くすべきだ。「戦後レジームからの脱却」とやらをする前に、愚か極まりなかった戦争の総括がなされなければならないように。




                   

 九段にある田安門から法隆寺の夢殿に模してつくられた武道館、科学技術館、国立公文書館、そして国立近代美術館&工芸館などが散在している〈北の丸公園〉を散策した。雨脚が強くなってしまったので、傘を差したまま殆ど自転車から降りることがなかったけれど、人々が思い思いにピクニックを楽しんでいた。地面を覆いつくすシロツメクサの葉にも無数の水滴が落ち、人々は大きな木の下で雨宿りを楽しむ。今は緑の公園も、江戸時代は大奥に仕えた女性たちの住まいだったとか。
(大奥をハーレムと誤解している人が多いけど、今なら六本木に相当する江戸文化の発信基地だった)




                   

 重要文化財に指定されている清水門を見逃してしまったが、九段会館から牛ケ淵を歩いていくと、モダンな竹橋が見えてきた。竹橋を渡ったところにある国立近代美術館では、スナップショットの真髄を知らしめた巴里出身の写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展が開かれていて、雨宿りにも絶好のタイミング?でした。

 ブレッソンについては、後述します・・・


皇居一周 ~ 日比谷公園ぐるぐる巡り

2007-06-25 23:57:28 | 日常&時間の旅


     

日比谷公園〈有楽門〉入口と、そこにある日比谷見附跡


 数寄屋橋から晴海通りを有楽町方面に向かい、駅のガード下をくぐって日比谷通りと交差すると空がぐんと広くなる。向って右側が、L字形の日比谷濠を挟んで皇居外苑。左側の森が、最初の訪問地になる日比谷公園だ。
 16万1636㎡の敷地は、幕末まで佐賀鍋島家や萩毛利家などの上屋敷だったが、明治になって陸軍近衛師団の練兵場に変わった。明治36年6月1日(1903)に、日本初の都市型公園として開園された。園内には中高木142種約3200本が植えられているが、その中でも設計者の本多勝六が「首をかけて」移植した「首かけ銀杏」が有名。銀杏が「東京都の木」になったのも、このエピソードがあったから?
 春のチューリップ、初夏のバラ、真夏の噴水、秋の菊コンテストなど、年に一度はぶらりとここを訪れていることもあり、熟知しているつもりだったが、いざ調べてみると、知らないことばかり・・・10月14日の「鉄道の日」が近づいて来ると、公園内で「鉄道フェスティバル」が開催され、ミニSLも走るという。今年は行かなくちゃ!




                   

 日比谷見附跡の内濠を利用して作られた〈心字池〉は、池の形が漢字の「心」に似ていることから名付けられた日本式庭園。石垣の上にもベンチが並べられていて、池を見下ろすことができる。松を挟んで白鷺と青鷺が向き合う構図になったので、シャッターを切った(手前をもう少し切ればよかったなあ~)。NikonのD70を構えたお隣さんが、「うん、いい構図だ!」「(池に浮いてる)パンが邪魔だなあ~」など、しきりに声を出している。「このパンもそうだが、鷺たちは人がくれたエサを食べに来る小魚を狙っている」らしい。毎週のように写真を撮りに来る常連さんだ。白鷺が首をS字形に身構えると、「よしよし、いけ~」と叫びながらシャッターを切っていた。私が見ている間に白鷺は三度、目にも止まらぬ早業で水面を突いたが、魚を捕らえたかどうかはわからなかった。


     

 最初は岩が動いているかと・・・のろまなカメは嘘、速いのなんのって!

 
 周囲に薔薇が植えられている第一花壇の芝生の上を大きなカメが歩いていく。「何でカメがこんなところに?」と人々が指差す中、カメの歩みは意外に速く、たちまち芝生を横切った。その先には、カメの体では越えられそうもない高さの石垣がある。
 ニワトリは、救助のつもりでカメを抱きかかえ(30cm以上ある大きなミドリガメ)、心字池まで運んでいった。でも心配ご無用。実はこのカメ、池から芝生まで卵を産みにきていたのだった。穴を掘って産んだ卵に土をかけて池に戻るらしい。まるでウミガメみたいだけど、同じカメだから? D70おやじが、芝生で産卵中のカメの写真を見せてくれた。(「背景にビルを入れると、こんなところで生の営みをしているんだって、説得力が出るでしょ!」と、撮った写真にご満悦の様子。芝生内は立ち入り禁止なんですけど・・・)

                   

 公園内の「お宝」を探せ! 何の変哲もない岩(150kgの片麻岩。そんなに重いとは思えないのだけど)は、南極観測船「ふじ」が南極昭和基地の近くにある東オングル島の慎太郎山(標高40m)から採取したもの。第一花壇にある〈ペリカンの噴水〉では睡蓮が開き始めていた。幾何学模様の第一花壇と〈ペリカンの噴水〉は、ドラマの撮影でもよく使われるとか・・・その他にも、イタリア大使館から贈られた〈ルーパ・ロマーナ像〉、古代スカンジナビア碑、フィリピンの英雄〈ホセ・リサール〉像、雲形池と〈鶴の噴水〉など、面白いものがたくさんある。ホセには気がつかなかった・・・





この珍しい花はブラジルから来たアメリカデイゴ

     

薔薇も綺麗でしたが、道端に咲く花たちも地味ながら素敵です




                   

 思い切りブランコを漕ぐ子供たちと、水の上を滑るように飛んでいくシャボン玉・・・お昼時が近づいてきたので、雲形池のほとりの藤棚の下でシャボン玉を眺めながら「深川めし」を食べた。江戸情緒たっぷりのお弁当だった!
(あさりご飯の上に乗っているのは焼きアナゴとハゼの甘露煮)




                   

 大噴水のある第二花壇は広々としていて、ウィークデーのお昼には大勢の人が憩いに集う。夜は格好のデートスポットだとか。個人的には大噴水の裏にある小音楽堂がお気に入り。大音楽堂(日比谷野音)と違って原則的に無料。コンサートやイベントが行われるときだけ、中に入ることができる。
 そろそろ、皇居一周に出ないと・・・ぽつぽつと、雨も振り出してきた。

 日比谷公園のHPは、 → ここをクリック


皇居一周 ~ 自転車で江戸城巡り

2007-06-24 21:57:54 | 日常&時間の旅



江戸城天守閣跡など、見どころ満載の皇居東御苑


 給料日前の日曜日、この週はかなりハードだったから家でじっとしているのが一番だったかもしれませんが、会社の自転車を借りれば交通費もかからないことだし、歩くよりも遙かに楽だろうと、皇居をぐるっと一周することにしました。お昼過ぎから小雨が時折降り始めましたが、非常に楽しい時間を過ごすことができました。
 竹橋の国立近代美術館で8月14日まで開催されている写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン展に寄ったとしても、内濠を一周するだけなら約5kmの行程なので(しかも自転車だし)、3時間もあれば楽に回れると踏んでいたのですが、江戸城内にあたる皇居東御苑の広さにびっくり、ここを散歩するだけでも2時間近くかかってしまい(日比谷公園で2時間近く過ごしたことを考えると、もっと時間をかけたい)、銀座4丁目の交差点からスタートして、数寄屋橋、日比谷公園、桜田門、半蔵門、千鳥ケ淵、北の丸公園、竹橋、平河門、皇居東御苑、大手門、二重橋、和田倉門と内濠を一周して、京橋の会社に戻るまで、計7時間もかかってしまいました。
 おかげ様で、夕食後は速やかに眠気が訪れ、22時頃一度目が覚めてブログを書こうかと思ったのですが、再び眠りの国へ・・・今、4時50分です。出勤前にどれだけ書けるでしょうか? まあ、この文章は「予告」ということで・・・乞うご期待?





 東京駅で「深川めし」の駅弁買って、数寄屋橋交差点に向かって自転車を漕ぎ出すと・・・銀座ソニービル前に、東京都農林総合研究センターがヒートアイランド対策として4年がかりで開発した〈東京花マット〉を使った「逆さ花壇」が展示されていました。
 この下に立つと不思議な気持ちになります。今回の展示は、この日が最終日でした・・・


上弦の月 

2007-06-23 23:59:50 | 自然&いきもの+ゾウのはな子


鉄塔23号と上弦の月


 来週火曜日に予定されている夜間工事の準備作業で休日出勤した帰り道、ふと空を見上げると、ピーンと弓を張ったような半月が出ていました。
「上弦の月だったっけ。久しぶりだね、月見るなんて~♪」
 ススキのかんざしつけた浴衣の君が、熱燗とっくりの首つまんで「もういっぱいいかが」なんて言ってはくれないのですが、坂道を上がりながら懐かしいフォークソングをを口ずさんでしまいました。もう少し古いところだと、

 塾田津に 船乗せむと 月待てば 
    潮もかなひぬ 今はこぎ出でな (額田王)

 めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に
    雲かくれにし 夜半の月かな (紫式部)

 額田王の「月」は、満月を想定していて(実際の船出では、月は出ていなかったという説もある)、紫式部の「月」は、月の出る時刻が遅いために「寝待月」とも呼ばれている十九日頃の月か、真夜中過ぎに上る二十三夜の半月(下弦の月)でしょう。願いごとをかなえてくれるというので、「二十三夜待ち」とも呼ばれていたそうです。
 あきざくらさんにも一首詠んでいただきたいところですが、万葉集を眺めていたら、あの大伴家持さんも、三日月を題材に一首詠んでいました。

  振仰けて 若月(みかづき)見れば 一目見し
     人の眉引 おもほゆるかも

 これが、在原業平だったら、女性の家から帰る際に月を見て作った艶っぽい歌でしょうが、大伴家持なので、声もかけられなかった美しい人の面影を思い出している歌かしら?
 先ほどの「上弦の月」は、「下弦の月」と同じ半月で、弓張月とも呼ばれます。満月をよく切れるナイフで一直線に切ると、今宵の月のような鋭利な切り口になるかもしれません。
今日はこのへんで、なさい・・・


『夏至』 ~ 雨とベトナムが好きになる映画

2007-06-22 23:54:30 | 映画&ドラマ


『夏至』DVD表ジャケット


 夏至の日照時間は14時間35分。夏至の日は思い切り早起きして日が落ちるまで表で遊びたいと、子供のようなことを考えます。これが冬至になると、日照時間は9時間45分しかありませんが、その代わりに14時間15分の夜間時間があって、思い切り夜更かしして本を読むのも乙なものです。
 ところで、日の出時刻が一年のうちで一番早いのは夏至前の一週間頃で、日の入り時刻が一番遅いのは夏至後の一週間頃という具合に、夏至の日がそれぞれ一番というわけではありません。さらに夏至の頃は、本州付近では梅雨の最中になってしまい、長い昼を楽しむというよりは、鬱陶しさに耐えるといったところでしょうか?
 そんな季節にぴったりの映画『夏至』(00)を紹介いたしましょう。今年の夏至は今日22日。巷では、夜8時から10時まで電気を使わない〈100万人のキャンドルナイト〉や、環境や平和(明日23日は沖縄の平和記念日でもあります)について考えようと、「号外」フリーペーパーを3000万部配布するなど、いろいろ盛り上がったようですが、ニワトリさんは束の間戻ってきた湿気の中で、『夏至』に流れていた「時間」を体験してきました。



母の命日に集まって・・・


 監督・脚本=トラン・アン・ユン。『青いパパイヤの香り』(97)で、一躍日本にも知られるようになった方です。そろそろ新作が観たいのですが、日本に入ってこないだけなのでしょうか?
 撮影監督=リー・ビンビン。ホウ・シャオシエンの撮影監督として頭角を現し、この年の『夏至』と『花様年華』は彼の最高傑作でしょう。『夏至』の緑と青を楽しんだ後は、『花様年華』の赤と茶色を楽しむのもいいかも。
 音楽=トン・タ・ティエ。この作品は音楽も最高です! ベトナム歌謡の美しい旋律と心に沁みる歌声、抜群の選曲といい、サントラも欲しかったのですが・・・
 出演=トラン・ヌー・イエン・ケー。三女リエンを演じた彼女は、トラン・アン・ユン監督の実生活のパートナーです。彼女以外の人々も、言葉の正しい意味で「人間、顔が命」であることを教えてくれます。久し振りに『夏至』を観たら、「最近好調を伝えられている邦画」に空しさを覚えました。
 雨の場面や朝のシーンが大変素敵ですが、ハノイの夜も魅力的に描かれています。さあ街に出よう!

                   


「三姉妹の物語にハズレなし」という〈ニワトリの法則〉に従って、小津安二郎を敬愛する監督の「三姉妹を軸とした家族の物語」が、小津的切り返しやローアングルをちらっと見せながら淡々と語られていきます。劇中、小鳥のさえずりや雨音、様々な生活音までが、まるで音楽のように聞こえてきて非常に心地良かったのと、べトナム語のつぶやきもまた、鳥の声のように聞こえてきたのも興味深かったです。登場人物の誰一人として、怒鳴り声をあげることのない映画でした。
「朝の描写から始まる映画にハズレなし」も〈ニワトリの法則〉ですが、最高のお目覚めシーンで幕が開かれます。ヴェルベッド・アンダーグラウンドの「ペイル・ブルー・アイズ」がBGMで流れるんだぜ!(編曲も最高です)
「雨がたくさん降る映画にハズレなし」(『フラッド』でも!覚えてないか・・・)なのですが、この作品でも雨がたくさんたくさん降ります。緑と青を基調にした配色の美しさも、南国の強烈な順光と、透過光、そして恵みの雨があってのこと。家具や部屋、街並みも格別の味わいがあって、ベトナム旅行に行きたくなること間違いなし。最後に余談ながら、「緑の黒髪」の美しさもこの映画で再認識してください。

                   

小津的切返しショット(でも向かい合う相手の切返しは挿入しない)と、小津的ローアングル(ローアングルでも、前景の低いところに植木鉢を置いておくなんて、パロディに近いオマージュ?)




                   



 魅惑のハノイ旧市街もたくさん出てきます(行きたい~)。上から、スコールが過ぎた直後のドンスアン市場。続いて、船来品やお菓子を扱う店が並ぶハンザー市場。最後に、DVDの見開き写真は、ハノイで一番古いカフェ=カフェ・ラムの店内。『夏至』のDVDは、輪郭の強調などがないフィルムライクな映像に、5.1ch ドルビーデジタル音声収録と、非常に高品位なソフトです。未見の方はレンタル店へGO~~


プール開き! ~6月17日のはな子

2007-06-21 23:59:05 | 自然&いきもの+ゾウのはな子


気持ちよか~~~


 17日の日曜日は、朝から温度計がうなぎのぼりに上がっていきました。まだ夏本番前なのに、こんなに暑いなんて・・・ゾウのはな子がバテていないか、様子を見に行ってきました。そういえば、彼女に会うのは一ヶ月ぶりです。
 焼き鳥の『いせや~公園口店』の開店時間に合わせて吉祥寺へ。公園内を(文字どおり)食べ歩き、動物園内のゾウ舎の前に着いたのが12時半。はな子はいつものように足踏みしながら、思い出したようにホースで遊んでいました。元気そうなので安心しました。はな子の昼食は通常13時半なので、お先にお昼にしました。ゾウ舎の前のベンチは木陰になっていて、それほど暑いとは思わなかったのですが、隣に座っていた女の子につられて?今年初めてカキ氷を食べました。



この日も元気そうな〈はな子〉でした~♪


1時15分、お腹が空いたはな子が「ゴハンはまだ~?」と、通路を覗き込むと、飼育係が出てきて、いつものように竹ぼうきで運動場を掃除し始めました。箒の後は、ホースで水を撒きながら掃除をしていきます。このとき、はな子に向かって水をかけると、濡れるのが嫌いな彼女は、嫌々をするように水を避けて後ずさっていきます。


「水遊びよりも、早くお食事欲しいんだけど!」
(飼育係が水嫌いを利用して、はな子を見物客の近くに誘導した?)

                   



「水をかけないで~!」。抗議のお○っこ? それとも、すぐに綺麗にしてもらえるからこれ幸いと・・・? それにしても、豪快な放○に歓声が沸きました。


                   



 待ちに待ったランチタイム。今日のはな子は、あっという間に特製ランチを平らげてしまい、最後に手渡されたお団子をぶ~らぶら・・・休日になると、よく報道の方が来られるのですが、今日もハンディカムを持った女性が、はな子のお食事風景を撮っていました。

                   



 スペシャル・ドリンクを2バケツ飲んで、デザートのブドウも器用に鼻でつまんで瞬く間にいただき、食べ残しがないかと鼻で地面を探っていると、下から竹箒が差し出されました。「ん?なんですか」



         

ブドウを探していたら、竹箒を渡された・・・
取材のお姉さんにパフォーマンスを見せろってこと?


                   

 いつものようにホースを引っ張り出して遊び始めたので、そろそろ帰ろうかと思ったのですが(妹家族も着くころだし)、飼育係がホースで遊んでいるはな子に水をかけ始めました。お食事前は嫌がっていたのに、今は神妙な顔つきでじっとしています。
 

                   

             

       

 突然、はな子がプールに入っていきました。お客さんも大喜びです。先ほどまでは濡れることをとても嫌がっていたのに、何とも気持ちよさそうにしています。そのうち、興奮してきたはな子は、さかんに水の中を動き回り(ゾウも泳ぐ!)長い鼻を伸ばして堀に生えている草をむしって食べ始めました。


                   

 最後に、手渡されたホースを(正確には、鼻に渡されて)空中に放り投げ、一人水浴びのパフォーマンスを見せてくれました。ラストの写真は、いかにも涼しげな水浴後のはな子です。このあと、足の爪のお手入れをしてもらいました。初めて目撃した水浴び風景ですが、夏本番を迎えると当たり前になるのかな?


全員集合 ~ 父の日と・・・

2007-06-20 23:58:15 | 独り言&拾いもの



 17日の日曜日は、父の日でもあり、家族全員が集まりました。私がゾウのはな子のご機嫌伺いに行ってる間に、横浜から下の妹一家が来てくれました。 夕方、上の妹と合流、国分寺の駅ビルまで買い物に出かけ(お疲れ気味のニワトリはその間留守番)、その後居眠りしていたニワトリを拾って、上の妹宅で食事しました。ルーと会うのもGW以来、久し振りに全員集合です。
 妹の子供たち(2×2=4人)は結構年が離れているのですが、男の子は男の子同士仲良く遊んでいます。紅一点のお嬢さんは、ルーと集中的に遊んでいました。こんなに遊んでもらったのはルーも久し振りでしょう。お互い今夜は熟睡できるはず・・・
 大はしゃぎのルーの写真は、ISO感度800でも動きが止められず、被写体ボケで全滅。一枚も撮れませんでした・・・その代わり、妹が写真を提供してくれました。




                   

(上左)お気に入りのベッド? 通常は旦那さんか、妹の布団で寝てるそうです・・・
(下右)縞々明かりにびっくり仰天、得体の知れない相手に吼えまくる。


 ブログを始めて一年近く経ちましたが、文章を書くことよりも、ブログを通じて多くの方とお話できたのが、ささやかではありますが一番の喜びです。だから、久し振りに、裕美さんや hito さんからコメントを頂いて、とても嬉しかったです。柊羽さんも、お忙しいところコメントくださり、ありがとうごさいました。どうしていらっしゃるのか、気になっていたんですよ。お元気そうで何よりです。(それから、 kiki さん、お元気ですか? はなさん、『どんど晴れ』見てますか? などなど・・・)
 暑い夏を迎える前に、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。そして、これからもどうぞよろしく!




そろそろ雨が恋しくなりました・・・


 オリンパスE-510、満を持しての発売です(6月29日)。8月にパソコンの引き落としさえなければ即購入なのに・・・ その代わり?懐かしきOM-2を押入れから引っ張り出しました。昔のフィルムカメラも素敵です~ 


七転び八起き

2007-06-19 23:54:30 | 自然&いきもの+ゾウのはな子


雨上がりのお客さん


 ツバメたちの近況報告です。
 まず、近所で毎年子育てしてるツバメのヒナたちが今日(19日)巣立ちしました。他人の家の玄関を覗き込むわけにはいかず、彼らの写真はないのですが、今朝いつものように巣の前を通った際に、ピーチクパーチク非常に騒がしく、もしかすると親鳥が巣立ちを促していたのかもしれません(エサやりしてなかったし)。18時過ぎに帰宅し、部屋の窓から外に目をやると、6羽のツバメが「チチチ」と鳴きながら、空をくるくる回っては、右や左に飛び交っていました。やった~~~

 国立駅北口Bグループのヒナ3羽は、6月9日に巣立った模様。カラスに襲われた可能性もなきにしもあらずですが、最後にヒナを目撃した8日の朝、3羽がしきりに羽を伸ばしたり、羽ばたく真似をしていたので、「そろそろだろう」と思っていました。それ以来姿を全く見かけなかったのですが、今日の夕方、北口の電線に3羽のツバメが止まっていました。多分、ヒナだと思います。親鳥らしきツバメが、3羽のツバメを近くで見守っていました。一方・・・


完成したマイホームに入居したと思ったら・・・


 6月4日に、たった一日で巣作りした国立駅南口構内のツバメですが、マイホーム完成を祝って?国立駅の職員が巣の下に発砲スチロールの板をあてがいました。ところが、巣が大きすぎたのか、仮駅舎の鉄骨に塗られた塗料が新しすぎて巣材の泥と馴染まなかったのか、翌7日の朝に覗いたときには、せっかく作った巣がはがれ落ちてしまっていたのです。作った本人(ツバメ)はもちろんがっかりしたでしょうが、こちらまで気落ちしてしまいました。
 それからツバメの姿をみかけなかったのですが、週明けの12日から、何と巣作りを再開しました。突貫工事で?翌13日には新しいマイホームが完成!(下の左写真)。15日には奥様に巣の中に入ってもらって(協力して家を建てていたと思いますが・・・)自分は得意満面の姿?が、非常に微笑ましかったです(下の右写真)。
 今度の巣は今も健在で、そろそろ卵を抱くのではないかと思います。よくよく見ると、鉄骨のあちらこちらに巣材の泥がこびりついています。何度も何度も失敗したのでしょう。というわけで、七転び八起きの精神を小さなツバメに教えられました。彼らを見習って今日もがんばろう~



                   


 七転び八置きといえば、国立駅北口Aグループのツバメに、どうやら二度目のヒナが誕生した感じです。これもバンザ~イ~♪

この日の朝、初めて巣から出ていました。
ということは、ヒナ誕生かな? 


     

【番外】 道路にはみ出して咲いてる我が家のアジサイ。車と接触して道路に転がっていた花を、水を入れた器に浮かべて部屋に飾りました。結構いいでしょう?

 コウノトリのヒナは順調に育っています。ずいぶん大きくなりましたよ~。他県で見つかったコウノトリは豊岡に戻りました。旅の感想を聞いてみたい~