今年初めて見かけました!

2012-06-29 23:21:10 | 自然&いきもの+ゾウのはな子

映画『マグノリア』では、空から降ってきましたが・・・二年前の夜に遭遇しました。


 今朝4時のことです。一時間前から活動を開始し、出窓に飛び乗っては外を眺め、出窓からベッドに飛び移り、ニワトリさんの体をまたいでもう片方の出窓に降りては外を眺め・・・を繰り返していたネコのクルミさんが、階段を下りて行ったまま戻ってきません。トイレに行ったついでに声をかけると、お風呂場の出窓にお座りして何かを一心に見つめたまま微動だにしないで、ときどき尻尾をぴくんぴくんと左右に振っています。近づいて視線の先を追いかけると、植木の葉の下を黒っぽい生き物がゆっくりと移動中でした。

 まだ薄暗かったので、はっきりとは見えなかったのですが、二年前に保護したヒキガエル(写真)か、その前から居ついているヒキガエルのどちらかに違いありません。鳴き声だけは何度か耳にしていたから、今年も庭のどこかにいるとは思ったのですが、どうやら元気に暮らしているようです。
 よく見ようと思って網戸を開けたら、クルミさんが格子の枠に顔を突っ込み、危うくそのまま飛び出しそうになったので、慌てて体を取り押さえました。格子の狭い枠を潜り抜けられるとは思っていなかったのですが、顔と前肢の片方が通過したということは・・・危ないところでした!

 その後・・・天気予報が外れて、水やりをしていたら、今年最初のアゲハの幼虫を見つけました。今年の冬のような春は、蝶(やツバメ)にとっては非常に辛い春だったのでしょう。飛んでる姿を殆ど見かけなかったので、嬉しさもひとしおです。このまま鳥に見つからずに蛹になるんだよ!


 撮ってるときは気づかなかったのですが、葉の方にピントがあってしまいました・・・。枳殻からやや離れたところに山椒の植木があります。毎年丸坊主にされてしまうのですが、今年は綺麗に葉が揃っていて幼虫を見つけることはできませんでした。山椒には申し訳ないけど、早く来てくれないかなあ?


 彼女が最近お気に入りの押入れ寝床。朝のうちに少しだけ日向ぼっこをした後は、大抵こちらに移動します。中は意外と涼しく、薄暗いため、確かによく眠れそう~♪


アンペアダウン

2012-06-28 23:12:32 | 独り言&拾いもの

 電気料金の値上げが現実味を帯びて初めて思い立った・・・点が何とも情けない話だけれど、自宅ブレーカーのアンペアダウンを考えています。東京電力が実質国有化されたことを考えると、アンペアダウンに伴う売上げ減から生じた不都合が(我々の)税金で穴埋めされるだけの話かもしれませんが、エネルギー消費を考え直す意味では、アンペアダウンは良いことかと思います。去年だって、より少ない電気で過ごしたわけだし、ならば今年は、大元の契約アンペア=60Aに手をつけるべき?
 10年前に家を建て直したとき、全ては良い音のために、生活電源と映像&音響機器の電源を完全に分離する電気工事を行い、機器専用の回線を4本引きました。子ブレーカーの数も半端じゃないのですが、主ブレーカーは迷わず60A を選びました。

 今までだって、60A も必要なかったような気がするのですが、一人暮らしの今は20Aも使っていないと思います。丸坊主に近い頭にはドライヤーも要らないし、電気ポッドもありません。調理器具の同時使用もまずないし、洗濯機と掃除機の同時使用を止めれば15Aでもブレーカーは落ちなそう・・・(この二つで超えても、長時間使うわけじゃないから、ブレーカーは落ちないでしょう)。
 シアタールームでは、プロジェクター、プレーヤー、アンプ(プリ+パワー3台)が同時に動き、エアコンを使用する可能性が高いので、そうなるとさすがに20Aでは足りないような気がします。
 それにしても、現状の60A から40Aないしは30Aまでアンペアダウンできると思うのですが、容量は足りたとしても電気の質の面で問題が生じないのか、今一つわかりません。電気料金が上がれば、否応なしにアンペアダウンせざるを得なくなるとは思うけれど、その前にクリアしておきたい問題です。

PS. 夜勤明けで、なおかつ節電の記事を書いてるくせに、この後映画を一本観ようと言うのだから、「何を言わんか」だったりして・・・。


疲れました……が!

2012-06-25 21:10:30 | 独り言&拾いもの


 調理に伴う緊張が一番の原因だと思いますが、プール&調理&夜勤が重なるのは初めてで、体力だけは自信のあったニワトリさんも、夕食を終え(苦労しただけあって喜んで食べてもらえました!)、ほっとひと息ついた途端にどっと疲れが訪れ、皆が床に就いた0時頃には目を開けて入られないほどの眠気に襲われました。
 業務日誌やパソコンなどを後回しにして、夜勤室のベッドでひと休みというか、うつらうつら寝てしまいました。2、30分ごとに様子を伺ってはまた横になる・・・を繰り返し、4時になってようやくしゃんとしました。
 一時間ほどで事務を終え、朝食&弁当作りをしようとリビングに降りました。冷蔵庫を物色すると冷凍されたワタリガニを見つけたので、味噌汁にしてしまいした。「朝からカニ汁とは、なんて贅沢なんだろう~♪」
 
 今日は定時に上がれました。家に帰ると、畳の上で昼寝です。クルミさんは、近くでうろうろしていましたが、お気に入りの押し入れにひょいと飛び乗って奥の布団で眠ったようです。2時間後に目が覚めると、待っていたかのように飛び降りてきたのですが、尻尾をぴんと立てて廊下に消えていきました。
 夕食は大量に残っているひじき煮をおかずに、親子丼を作ったのですが、ちょっと薄味だったかなあ~、何度か食べたことのある完璧な親子丼には程遠い・・・。

 「うまくできた」から「もっと美味しく」へ、ハードル一段上げた分だけ、迷いや悩みが増えてしまったのですが、料理に目覚めてしまったニワトリさんは、いつの日か、もこみち君みたいになれるといいなと夢想しています。
 それにしても、GHでは十人分、家では一人分と、食材や調味料の量がレシピとは合わせにくく、毎回同じ味付けにできないのが一番の悩みですね。腕がついていってないのに、フライパンや包丁が欲しい今日この頃・・・。また一つ病が増えた?

 今日は久しぶりに、映画を1本見てから寝るつもり・・・


調理実習その2

2012-06-22 21:57:50 | 独り言&拾いもの

今日の夕食。肉じゃが、トマトの和風サラダ(改)、ひじき煮、小松菜といり卵の和え物


 迷宮映画館の記事が滞っているので(観る方については、三本目の『2300年未来の旅』に移っているのですが・・・)、簡単にUPできる記事でお茶を濁します。
 夕食作りの24日が迫ってきました。今夜の夕食は予習を兼ねて「肉じゃが」を作ろうと決めていました。せっかくの休日だったのですが、朝から雨だったのと、外出できないお財布状態だったので(賞与をもらう前に予定した額を使い切ってしまいました。欲しいブルーレイはまだ山ほどあります)、一日主婦になることにしました。
 朝食にオムライスを作った後は、いつもの倍の時間をかけて掃除をし、ついでに冷蔵庫の中身を綺麗に片付けました。前から気になっていたので、これで「すっきり!」しました。
 片付けの後は買い物に行き、昼はさつま揚げと小松菜の蕎麦を食べ、午後は一時間半昼寝をして、17時頃から「ゆうどきネットワーク」の美しい出田アナを眺めながら、調理実習にとりかかりました。一番大事なのが、段取り(手順)ですね! 途中で手が止ると、味も落ちてしまうようです。
 肉じゃがは、初めてにしてはまあまあの出来でした。冷えてから味が染みてくれたのでしょう。牛肉が美味しい! 我が家の肉じゃがとは少し違う「ケンタロウ」式で作りましたが、牛肉を使った場合はこっちの方が良さそうです。豚肉の場合は、うちの「とろとろ肉じゃが」がオススメです。 
 ひじき煮は、呆れたことに、前回作ったときの手順や、めん汁の濃さなどをきれいさっぱり忘れていました。竹輪の代わりにさつま揚げを使ってみたのですが、どちらも美味しかったので、本番では両方入れちゃおうかな?
 当初の予定では、「タコとキュウリ」の酢の物と、簡単で美味しい「水菜と桜海老」のサラダを考えていましたが、全員に食べてもらうことを考えると、どちらか変更した方が良さそうです。そこで、舞茸をバターで焼いて水菜と合わせ、醤油マヨネーズで和えるサラダを思いつき、早速試してみたら結構美味しかったのですが、トマトのサラダでもドレッシングにサラダ油を使うので、油が多すぎないか気になりました。卵が大好きな人がいるので、小松菜といり卵の和え物を作ってみました。いり卵は「きょうの料理ビギナーズ」の手順に従ったのですが、手間をかけただけあって、ふんわりおいしく出来上がりました。この和え物は彩りもよく、酢の物より喜ばれそうです。
 トマトの和風サラダも、豆腐が大好きな人がいることを考え、冷奴にしてしまいました。木綿豆腐の上にトマトを乗せてキュウリのスライスにちりめんじゃこを散らして、ドレッシング(醤油と玉葱&生姜)をかけていただきます。
 かくして、今日の夕食が出来あがり、これを書いている今はお腹いっぱいなのですが、本番では、メインディッシュの(自分たちが育てたニンニクを使った)カツオのたたきが加わります(味噌汁は大根と油揚げかな? フルーツは当日決めますが、アメリカンチェリーがいいかな?)。喜んでもらえると嬉しいのですが、献立が決まったところで、明日の河川敷BBQを楽しく無事に終えられるようシュミレーションしておかないと・・・。幸い天気にも恵まれそうです。肉、食うゾ~♪


 今週初めに試したオカズ。カロリーを考え、「肉じゃが」の肉を鶏挽肉に変更。あんかけにしてじゃが芋に絡めたのですが、味はやはり淡泊・・・。電子レンジを使って調理時間も短縮したのですが、今日のように煮込んだ方がやっぱり美味しいと思いました。全員「鶏挽」より「牛」(安い切り落としですが)を選ぶでしょう。酢の物とサラダも、男性やスタッフには喜ばれても、女性二人が食べなそう・・・。


台風通過中・・・

2012-06-20 01:28:20 | 自然&いきもの+ゾウのはな子


 先ほど帰宅しました。雨に濡れるのは嫌だけれど、許容の限度を超えてしまうと、いくら濡れても平気になってしまいます。台風の接近に備えて、登山用の上下雨具に長靴を用意していたので、多少の暴風雨なら大丈夫という過信もあったのでしょう。GHを出ると、雨が降る前に風対策を施した農場の野菜たちがまだ無事なことを確かめ、この先も耐えてくれるよう声をかけてから自転車にまたがりました。
 雨しぶきが道路を激しく叩き、前後左右へ走っていきます。走り出しは、真後ろから風が吹いていたので電動アシストがついているかのようにペダルが軽く、雨煙が波のように道路をうねり駆け回る不思議な光景を楽しむ余裕すらありました。けれども、向かい風になった途端に(予想はしていましたが)ペダルが急に重くなり、自転車は前に進まないし、頬を打つ雨が痛い!

 不謹慎かもしれませんが、子供の頃は嵐が来ると気持ちが高揚しました。少しの危険ならばイコール「冒険」だったのです。台風が近づいてくると、森に作った秘密基地を雨風から守るために補強を施し、大事なものを安全な場所に移動させましたが、これらはとても楽しい作業でした。嵐の最中に秘密基地が壊れていないかこっそり見に行って、こっぴどく怒られたこともあります。
 停電もよく起こりましたが、怖さを覚えたことがありません。風雨が雨戸や屋根をどんなに激しく叩こうと、家の中は蝋燭の灯りがかすかに揺れる程度で、実に安全な場所に思えました。
 そんなとき必ず思い浮かべるのがアーサー・ランサムの小説『ツバメ号とアマゾン号』でした。登場人物の一人になった自分は、ツバメ号を帆走させ、ヤマネコ島にテントを張ってキャンプをし、アマゾン海賊やフリント船長と知り合い、そしてキャンプ最後の夜に嵐に襲われるのです。二段ベッドの上に寝ていると、頭のすぐ近くで雨音を聴けるのですが、それがテントのキャンバスを叩く雨音に少し似ていたのかもしれません。

 日付が変わって、少し雨足と風が弱くなりましたね。被害のないまま、台風一過になってくれるといいですね!


夏風邪ですかね?

2012-06-09 21:14:00 | 独り言&拾いもの

今夜も食べる筈だった酢の物とひじき煮・・・


 六月は前半十日が割と楽なスケジュールだから、映画もたくさん見られるし、お出かけも(昼がうんと長いわけだし)できると踏んでいたのですが、不思議なもので、ネコとゴロゴロ寝てばかりいました。それでも昨日は、梅雨前の最後の上天気なのだから、自転車(スパロー号は飾り物と化した?)で蒲田まで行くつもりでした。今度こそ、羽根餃子を食べて黒湯に浸かろう~♪
 『梅ちゃん先生』を見終わり、さあ出かけようと腰を上げたのですが、どうにも気が乗りません。体がだるいなあ~とはっきり自覚したのは昼ごろでしょうか? 土曜日から9連勤になることを考えると、大人しくしていた方が良さそうだと、結局この日もネコと昼寝(と言っても、彼女は押し入れに快適な寝床を見つけたので、一人で床寝です)してしまいました。
 喉の痛みで目が覚めたのが15時過ぎ。お腹が空いたので、ジャムパンを作って食べましたが、体が非常にだるい・・・。でもこのときはまだ、ダラダラしているから体がだるいのだと思い、体を動かすついでに買い物に出かけました。今月24日の夕食作りをすることになったので、料理のレパートリーを増やそうと思ったのです。何回か予習しておけば、上手に作れるでしょう。
 スーパーなどにその日に並んだ食材を見て献立を考え、調理する(しかも十人分)腕はもちろんないので、献立から考え始めました。先日、食べた鯖の塩焼き弁当がおいしかったので、メインはこれで行こうと思いました(鯖がなければ鰤照りだね)以下、肉じゃが、ひじき煮、酢の物、トマトの和風サラダ、ほうれん草の味噌汁、旬のフルーツ・・・。これなら、文句はないよね~。

 肉じゃがは別の日に作ることにして、それ以外がその日の夕食になりました。鯖はひと手間かけて湯通ししてから焼くのと、そのまま焼いたものを食べ比べることにしたのですが、湯通しすると生臭さが消え、非常においしく焼き上がりました。タコとキュウリの酢の物も、初めてにしてはまずまずの味に仕上がり(出来たては薄いと思ったが、いい感じに滲みた)、ひじき煮も美味しくできちゃいました。トマトに使う玉ねぎ醤油ドレッシングもGOOD! 俺って才能あるのかなあ~と思ってしまったのですが、決められた分量の調味料を使っているのだから、当たり前と言えば当たり前です。本番ではその4倍は作らなければならないので、同じ味にできるかどうか・・・。
 指示通りに調理したということは、2~4人分作ったということで、2枚の焼き鯖は(ネコにも手伝ってもらい)無理やり食べましたが、あとはお腹いっぱいで食べ切れません。日持ちするだろうから、ひじきと酢の物は冷蔵庫に戻しました。
 夕食後は、映画を一本見てから寝るつもりでしたが、喉の痛みと体のだるさが増したので、さっさと眠ることにしました。翌朝朝7時まで、何と9時間も寝てしまいました。熱も出ていたのか、何度も目が覚め、喉がヒリヒリ痛むものだから、ぼ~とした頭でベッドから降り、水分を補給してからまたベッドに上がる・・・その繰り返しで、結構辛い眠りでした。
 今朝は、「ベーコンと小松菜の炒飯」を食べてから(ひじきも消費)、いざ仕事に向かいました。夕食はさすがに作る気にならなかったので、(藪さんの小説じゃないけど)300gのステーキを食べて体力回復を図りました。
 ステーキの力でしょうか? まだ眼の奥が熱いけれど、喉の痛みはかなり薄れ、早くも峠を越えた感じです。今にして思えば、3~4日前には鼻水がやたら出ていたので、このときすでに夏風邪をひいていたに違いありません。薬も飲まず回復に向かっているようですが、これ書いたら(映画を見ないで)寝た方がいいかも? 皆様も夏風邪にはお気を付け下さいね。


過ぎにしかた恋しきもの

2012-06-03 21:24:28 | 自然&いきもの+ゾウのはな子

 清少納言ではなくて、澁澤龍彦が好んだ「過ぎにしかた恋しきもの」たち。左から、アンモナイト(デボン紀)、スピノサウルスの歯(白亜紀)、オレンジ光耀石(年代不明)、ゴニアタイト(古生代)、三葉虫(カンブリア紀)。

 友人のFさんと、ミネラルショーに行ってきました。(6月5日まで新宿ハイアット・リージェンシーで開催中)。鉱物&化石が好きな人にはたまらない展示会です。滞在したのは僅かな時間でしたが、いようと思えば一日中でもいられる空間です。博物館と違って、欲しいと思えば手に入れられるのだから、いよいよ夢が肥大していきます。百万円の札束を持って、それがなくなるまで買ったら楽しいだろうなあ~♪
 ・・・なんてね。写真の品は今回自分が買ったものですが、全て千円以下。『ジュラシック・パークⅢ』で大暴れしたスピノサウルスの歯が、たったの七百円(ところによってはワンコイン)でした。『ジュラシック・パーク』といえば、一作目に出てきた「昆虫が封じこめられたクリスタル」もたくさん出品されていました。
 ちょっと変わった色をしたアメジストの結晶が四千円で、隣でキラキラ光っている黄銅鉱(二千円)と一緒に買ってしまうおうかと思ったのですが、その前にアメ横でちょっと高額の物(M1897と言えば、分かる人もいる?)を買ってしまったことだし、今回は見送りました。11月にも開催されるので(池袋にて)、その日に備えて(空っぽの)貯金箱の出番が来た?
 友人は、さすがですね~。宇宙から飛来した隕石のような(よく博物館に展示されている隕石は意外なほど単なる石にしか見えないけれど)、実に美しい石を「GET」していました。その審美感には一目置いているというか、見習いたい先輩なのですが、石や化石との出会いも「一期一会」の「一目惚れ」に近い一瞬で決まります。相手は無機質ですが、何億年の時を経て波長が合ったときのときめきといったら・・・。商札を見て泣く泣く別れることも多々あるのですが、やめられません。


(左)クラックが残念ですが、触手が確認できたのはこの石だけでした(三百円)。直径20mmの可愛いアンモナイト。
(右)三葉虫は、このようにU字型にエビぞりしているタイプが好き(五百円)。こちらも全長22mmの可愛いイキモノだけれど、生きていたら大嫌いなフナムシと同じ扱いになってしまうかも?


ところで、この円形生物の正体は?


迷宮映画館その1 ~『ラビリンス 魔王の迷宮』

2012-06-01 19:00:00 | 映画&ドラマ

『ラビリンス 魔王の迷宮』ブルーレイ(国内盤)ジャケット。


DVD米国盤(リージョン1)ジャケット


    

国内盤DVD(左)とサントラCD(右)。レーザーディスクも同じイラストが使われていたと思う・・・。


 迷宮映画館のオープニング作品は、『ラビリンス 魔王の迷宮』(86)です。ブルーレイだけで計7回見ました。飽きずによくも・・・と言うなかれ。映画の神様=ジャン・ルノワールも言ってたと思います。「好きな女優のクローズアップだったら何時間でも飽きずに見ていられる」と・・・。
 もちろん、フィリップ・ガレルの『孤高』(74)のような例外を除けば、映画が俳優のクローズアップだけで作られることはないでしょう(『孤高』はニコとジーン・セバーグのために作られた)。そして『孤高』を見てわかったのですが、好きな女優であろうとクローズアップだけを長時間見せられるのは結構しんどいものです。
 映画は物語だから、シークエンス(一連の繋がり)を無視することはできません。しかしながら我々観客は、実は映画のシークエンスよりも映画のあるシーンに魅せられる傾向が強く、魅惑的なシーンが幾つもあれば、シークエンスが破たんしていても気になりません。映画を映画館でしか見る手段がなかった時代は、ある映画のあるシーンを見るためだけに映画館の暗闇に何度も足を運ぶことすら日常的に行われていました。和田誠さんの『お楽しみはこれからだ』(全7冊)は、映画のワンシーン(そこでの会話あるいは独白にスポットライトを当てた)を和田さんの魅力的なイラストと軽妙な文章で切り取った名著です。
 私にしても、よほど肌の合わない映画以外は少なくても連続二回見ていたので、名画座で二本立て三本立てを観る場合は、誇張ではなく朝から晩まで映画館に居続けるわけでして、こうなると映画の耐久レースと言った方がいいかもしれません。朝9時から夜23時まで見続けたこともありました。
 ウッディ・アレンの作品に、映画を頭から見ないと納得しない人物(『マンハッタン』だったかな?)が出てきますが、昔の映画館は途中から見ようが途中で出ようが構わない「自由」もあって、時間の都合がつかなくて途中から見始め、ひと回りしたところでなるほどと合点がいく・・・ような(変則的だけれど)楽しみ方もできました。
 映画館の外で長時間待つ間に、いっそのこと初回を立ち見にして二度目を坐ってじっくり鑑賞する方法を思いつき、早速実行してみました。そのうち、映画が中ほどに差しかかったあたりから空席が出始め、その頃に入場すると坐れる可能性も高くなることを学習し、しまいには終映間際に入場する「荒技」に至りました。人気の封切り作品には使えない手でしたが、名画座になると、どのタイミングで入場しようと咎められることはまずありません。もっとも名画座の場合は、そこまでしなくても席を確保できましたが・・・。
 ネット予約が普及した今は、並ばずに映画館に通うのが当たり前になりましたが、続けて観ることができた時代の方が、映画にとっても観る人にとっても幸福だったような気もします。それ以前に、続けて観たくなる映画にこれからも出会えることを、願ってやみません。
 話を戻して、自分の好きな映画が万人に鑑賞される映画である必要は全くないはずで、趣味とは本来そういうものだから、自分は(遊びとしては面白いけれど)映画に点数も順位もつけません。最高の作品がたくさんあるのが当たり前だと思っています(こうしたことは映画に限った話ではないけれど)。

 私のホームシアター熱は、(レーザーディスクを普及するため発売された?)テレビアニメ『未来少年コナン』(全7枚)と、映画『ラビリンス』に端を発しています。
 『未来少年コナン』は一枚9800円、『ラビリンス』も7800円と高価でしたが、好きな作品を好きなときに好きなだけ見られる幸福に比べれば微々たる問題で、迷わず飛びつきました。
 ビデオデッキすら持っていなかった自分が、当時としては大型の29インチブラウン管テレビ(市価の半額で手に入れた)と、出始めたばかりのAVアンプとエアコン(実はこれが一番重要だった?)も購入し、手持ちのシステムコンポと組み合わせ、ドルビープロロジックを再生できるミニシアターの主となったのです。最初の「シアター」は、たった三畳の空間ではありましたが、最新映画をかければ映画館に変貌してくれたし、旧作品や単館系のソフトをかければ名画座にいるのと同じくらい映画に入っていけました。
 繰り返し上映したソフトを思いつくまま挙げていくと、『ミツバチのささやき』『エル・スール』『ピアニストを撃て』『恋のエチュード』『パンドラの箱』『セブン・チャンス』『バンドワゴン』『イースターパレード』『マルタの鷹』『アフリカの女王』『生きるべきか死ぬべきか』『天国は待ってくれる』『(ヴェロニカ・レイク主演の)奥さまは魔女』『断崖』『汚名』『裏窓』『めまい』『静かなる男』『ハタリ!』『こわれゆく女』『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』『パリ、テキサス』『ベルリン、天使の詩』『ストーカー』『ノスタルジア』『バベッドの晩餐会』『霧の中の風景』『非情城市』『肉体の冠』『愛人ジュリエット』『麗しのサブリナ』『昼下りの情事』『イタリア旅行』『麦秋』『東京物語』『東京上空いらっしゃいませ』『ゼイラム』『ブレードランナー』『2001年宇宙の旅』『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』『大丈夫日記』『サブウェイ』『眠れぬ夜のために』『四つ数えろ!』『妖獣都市』『天空の城ラピュタ』『ラビリンス』『ネバー・エンディング・ストーリー』・・・という具合に、「果てしなく」続いてしまいます。
 やがてDVDの時代が到来し、題名だけしか知らなかった映画までがソフト化されるようになり、大量の映画ソフトと念願だったシアタールームも手に入れました。『未来少年コナン』や『ラビリンス』も、より高画質なDVDに買換えましたが、不思議なことにさわりしか見ていません。インパクトとしては、最初のレーザーディスクの方が大きかったのでしょう。
 家を建えかえた際に、父も見そうな作品とDVD化されていない作品以外のレーザーディスクを処分しました。先日、300枚ほど残っていたレーザーディスクの中から『ラビリンス』と『未来少年コナン』を探してみたのですが、やはり見当たりません。どちらも割と良い値段がついたので(一枚10円からだった・・・)買い取ってもらったのでしょうが、ブルーレイのジャケットがお粗末なだけにかなり後悔しています。驚いたのは、今もなおレーザーディスクでしかソフト化されていない作品があったこと! 大画面ではもう見ないと思いますが、テレビで観る分にはまだまだイケるかもしれません。試してみようかなあ?
 映画館が映画の現在と自らの現在とが直に接する場所だとすれば、家庭劇場(敬愛する「映画番長」がホームシアターをそう呼びました)は映画のシーンを過去の時間に遡って回想する場所かもしれません。映画館と家庭劇場は二律相反するものではなく、お互いを補完し合う関係にあるのではないでしょうか?
 お気に入りのシーンを最高の状態で視聴できたら・・・その想いだけで、この部屋は成り立っています。

 『ラビリンス』の監督は、テレビ『セサミストリート』の魅力的なマペットたちを動かしたジム・ヘンソン。劇場映画では、『ダーク・クリスタル』(82)、『ミュータント・タートルズ』(90)もよく知られています。
 ヒロインのサラ(内向的なオタク少女)を演じたのは、ダリオ・アルジェントの『フェノミナ』(85)で一躍スターダムに駆けあがった当時14歳の美少女ジェニファー・コネリー。今も美しいジェニファーですが、この頃の美しさと可愛さは奇蹟に近く、一挙一動を見つめているだけで時間が経つのを忘れてしまいます。こうなると再発見と言った方がいいかもしれません。『ジェニファーの恋愛同盟』(85)とか、同じ路線の『恋の時給は44ドル44セント』(90)も、ブルーレイで観たくなりました(『フェノミナ』は米国盤ブルーレイが待機中)。
 ゴブリンたちの王ジャレスを演じたのは、アルバム『レッツ・ダンス』を大ヒットさせ新境地を開いたデヴィッド・ボウイ。本格的な映画出演も多く、『地球に落ちてきた男』(76)を皮切りに、『ハンガー』『戦場のメリークリスマス』(83)、『眠れぬ夜のために』(84)といった作品でも、周りが霞んでしまうほどの独特なオーラを発していました。多くの楽曲を『ラビリンス』に寄せてくれていて、久しぶりに歌声も聴いたのですが、やはり痺れます。サントラCDも欲しくなりました。
 物語は至ってシンプルですが、『不思議の国のアリス』より少し年上の、思春期を迎えた少女のファンタジーとも読めるし、ナブコフの『ロリータ』と同じように、大の大人が美少女にとことん翻弄される物語として読んでも楽しめます。もう一人の主人公とも言えるホグルの立場になって観ると、また違った味わいが出てきます。サラから「私の友達」と紹介されたときの、ホグルの表情が忘れられません。
 ブルーレイの再生は、『ラビリンス』が初めてでしたが、黒をどこまで沈ませるかで印象が大幅に変わってしまいました。沈んでいる方が綺麗な感じがしましたが、若干浮かせ気味にすると微妙なグラデーションが再現され、好ましく思えてきました。
 全体を通して最良の絵になるよう追いこみながら、何度も「通し」で観てしまいましたが、最新のCGや3Dと違って何度見ても飽きることがなく、見るたびに新鮮な気持ちになれる不思議な作品でした。「とシアター」が開館してすでに一ヶ月が経過したというのに、未だに迷宮の中で遊んでいるとは、実に困ったものです・・・。
 
 ブルーレイが他を圧倒している『ラビリンス』だけれど、ジャケットだけはいただけません(冒頭写真)。なんですかね、これ? 1500円という価格を考えると仕方がないのかもしれませんが、リーフレットもなく、ソフト偏重派としては寂しい限り・・・。それに比べると、米国盤DVD(画質もまずまずでした)や、ジャレスが手のひらで転がしているクリスタルを意匠に凝らした国内盤DVDの方が数段優れています。サントラやレーザーディスクは映画のポスターをそのまま使っているようですが、このイラストが一番お洒落かな? 


 

 オープニング。「Underground」の主旋律が[ドルビーTrueHD]で響き渡り、ジャレスの化身である真っ白なフクロウがスクリーンを横切った際の波動で「Labyrinth」の表題が現われる・・・心高鳴る瞬間です。


 サラに壁の通り方(だまし絵になっていた)を教えてあげた「虫」さん。彼女が近道を行こうとすると、「Don't go that way !」と声かけ、反対方向へ誘導するあたりはただの親切者ではなさそう。くりくり目玉が可愛らしく、たくさん出てくるキャラクターの中でも一番のお気に入り。フィギュアがあったら、手の届くところに置きたい!


 このシーンについては撮影裏話(特典の音声解説)が楽しい。ところで彼女は、間違った扉を選んでしまって「ユーブリエット(忘却の穴)」に落ちたのではありません。「四人の門番」のシーンは、「正直者と嘘つき」という論理学でも有名な設問をビジュアル化したもので、サラは巧みな質問を思いついて門番から正答を引き出しています。ユーブリエットが正しい道だったことは、その後のジャレスの発言と行動からもわかります。お喋り鳥の帽子を被ったおじいさんも、「前に進む道が後ろに戻ることもある」と、深みのある発言をしていました。人生「迷っているようで正しい道を進んでいる」のが、案外当たっているかもしれません。鳥にせっつかれて指輪を募金箱に寄付する羽目になったのは、とんだ災難でしたが・・・。


 扇の後ろにジャレスが・・・。数え切れないほど見た、クリスタルボウルの中で行われる仮面舞踏会のシーン。このとき歌われる「As The World Falls Down(世界が崩れる時)」は歌詞も最高で、サラのためなら「君のまたたく瞳に 青い空を映してあげよう」「君の心に 光り輝く月を贈ろう」・・・なんて想いに駆られるのも当然でしょう。「世界が崩れ落ちて 恋が生まれる」「他人だった二人が 空の小道を共に歩み出す」「愛の花を 星の野原に散りばめよう」「全てがはかなく消え失せても 君を待ち続ける」・・・その昔、胸をきゅんとしめつけられながら(多くのサラに)謳ったものです。最近はとんとご無沙汰ですが、世界が崩れる時がやって来ないとも限らない?


 14歳とはとても思えないサラの美貌と色香・・・翻弄されているのはジャレスの方だった? お前のために世界を逆さまにしてやったのに・・・嘆く魔王は「自分を愛してくれれば下僕になってもいい」と訴える。ジャレスの妖しい魅力に彼女は屈せずにいられたのだろうか? エンドロールの続きは、貴方の夢の中で・・・。


 エッシャーの有名な絵が、クライマックスの舞台になっているとは・・・! 彼女の部屋の壁にこの絵も掛かっていたのですが、最初は気づかず、このシーンに大喜びしました。デジタルに移行する前の伝統的な特撮だけれど、今でも見ごたえ充分! ブルーレイでは奥行きが広がり、より立体感が増してました。3D要らないよね~♪


 大きなルドーも可愛いな~。動かすのは実に大変だったみたいですが、その甲斐はありました。迷宮と迷宮の住人が彼女の心の投影だったことは、全てのアイテムが彼女の部屋にあることから明白なのですが、これら宝探しの楽しさもブルーレイになって増しました。話は少し変わるけれど、彼女が大事にしていた物(パンダスリッパとか)を次から次へと出してくれた不気味なオバさんが、自分の前にも突然現れたら、最初に何を出してくれるのか、ちょっとドキドキします。存在すら、忘れているかもしれません。よくよく考えると、自分もガラクタをあんな感じで山のように背負っているのでしょうね。もう少し身軽にならないと・・・。


 ボウイ(ジャレス)がゴブリンたちと歌い踊る「Magic Dance」(「笑えっ!」のひと言に毎回必ず笑ってしまうのですが、貴方は?)も最高だけれど、「Chilly Down」が流れるこの(いささか狂った)ミュージカルシーンも大好き! 首が自由に抜けたら楽しいのに・・・と思う自分も、かなり狂ってる? 

  公開当時と同じように、サラの美しさと、ジャレスのもっこり具合(80年代だなあ~)に眼が入ってしまいました・・・。何回観直したら、次の作品『ザ・ディープ』に行けるでしょうか? 実をいうと、『ザ・ディープ』も、すでに三回見ているのですが・・・。