『ウェルかめ』 ~脳みそウニやね! 知恵熱!!

2009-11-04 11:01:11 | 連続テレビ小説


 徳島のお椀をひっくり返したようなお山と、可愛いウミガメがやってくる美しい浜を舞台に繰り広げられるゆったり&ほのぼの感が魅力のNHK連続小説『ウェルかめ』。まだ何も起きていないのに、朝ドラ史上2番目の低視聴率でスタートしたのは、最近の内容から視聴者が「朝ドラ」に何の期待もしなくなったことを意味していて、その後もじりじりと視聴率を下げていたのに、ここに来て20%を超える視聴率を記録するようになったそうです。
 それについて「ヒロインの豊満バストが視聴率を押し上げている」と悪口(褒め口?)を叩く人もいるようですが、このドラマの良さは最初に述べたように「胸」のせいだけではなく、確かに「朝ドラ」ならではの「お約束」にイライラするときもあるけれど、全体的には「足」が地についたしっかりしたドラマなので、視聴者が戻ってきたのではないかと喜んでいます。朝ドラだけでなく、テレビドラマ全体がつまらないと言われている昨今、テレビの地盤沈下をもたらしたのは、あまりにも多いバラエティ番組だと思うのですが・・・。  

 第一週を土曜日まで見ていなかった自分は、ヒロインがウミガメ嫌いとは知らずに2週目以降を見ていましたが、噂(今日の放送)によると、ヒロインの勤め先の「ゾメキトキメキ出版」の社長&編集長もハ虫類嫌い?だったらしく、自分がゴキブリとシロアリの女王以外はOKなせいか、考えが及ばなかったのですが、確かにウミガメが苦手な人もいるわけで、その意味では微妙なサブキャラではあるけれど、それにしても、(やはり台風ロケだったみたいで、ご苦労様でした)黒島の美しさに心がゾメキました。Angela さんもお書きになっていましたが、今すぐ私も美波町や黒島へ行きたくなってしまいました(友近みたいな下心はなくて)。賛否両論のウミガメの放流シーンも、ウミガメには少し迷惑だったかもしれませんが、メッセージは充分伝わってきて大変良かったと思います。

今回の「朝ドラ」は、ロケ地の素晴らしさに加えてヒロインをとりまく人々が、さりげない描写ながらも的確に書きこまれているので、安心して見ていられるというか、物語をより豊かに膨らませてくれています。中でも完璧なのが、ヒロインの母を演じている羽田美智子さん。朝ドラ史上最高の母かもしれません(『ちりとてちん』の糸子さんもいますが、彼女は後半、母を超えスーパーウーマンになってしまったので)。この母と、ヒロインを一人前の社会人として鍛え上げる役回りの室井滋さんが、車の両輪になって『ウエルかめ』を、さながら「うさぎとかめのレース」のように、山あり谷あり寄り道ありで、ゴールまで導いてくれるでしょう。6週まで来ると、物語の幹から枝葉があちこち伸びてきて、今後の楽しみも増してきましたが、今週は「脳みそウニやね!」と、「知恵熱!!」発言に座布団2枚かな? そういえば、最近私も、「ウニ」になっているような・・・。