きれい・・・を訪ねて ~世界は美しい

2009-10-31 23:57:57 | 映画&ドラマ


 『ブレードランナー』のレプリカントが生みの親の元を訪ねたように、空気人形は自分を作った人形師(オダギリジョー)に会いに行きます。人形師は何も聞かず「おかえり」と、傷ついた人形を迎えてくれました。人形師は彼女に回収された人形たちを見せ、同じ筈の人形の表情が皆異なっていることを指摘して、「この子たちにもきっと心があったんじゃないかな」と語り、最後に「君が見た世界は、綺麗なものもあった?」と尋ねました。
 元高校教師の肺を患う老人は「こんな町」と言いましたが、こうして数時間滞在しただけで、この町への愛おしさが生まれてしまいました。「ふう~~~」と息を長く吐き出して見つめた世界は、こんなにも「きれい」だったんですね・・・。


世界は多分 他者の総和  
しかし 互いに欠如を満たすなどとは 
知りもせず 知らされもせず

花が咲いている すぐ近くまで
虻の姿をした他者が 光をまとって飛んできている
(吉野弘『生命は』より抜粋)


 対岸の中央大橋から見た湊公園。このあたりは大きく変わってしまうかもしれないけれど、どんな風に変わろうともそれを見届けて、一緒に歳をとっていこうと思います。


きれい・・・を訪ねて ~ロケ地を歩きながら映画を反芻する

2009-10-30 23:57:35 | 映画&ドラマ

 映画『空気人形』の核になる湊公園(映画の中では銀町公園)は、道路を挟んで向かい合う形で反対側にも続いているのですが、道路側の公園は、公園というより更地と呼んだほうが良さそうな感じで、今から約20年前の不動産バブルが残した爪跡のようにも思えます。湊一帯がこんな感じですが、歯抜けの土地に新しいビルが建ち始めています。(実に勝手な言い分だと承知の上で)、この一帯は再々開発されずに今のままの状態で残って欲しいと思いました。


 空気人形は、隅田川に面している小さな公園で、元国語教師の老人から吉野弘さんの詩『生命は』を教えてもらうのですが、胃も腸も持たないという蜻蛉の成虫の話にいたく感動した彼女は、ここに来てはベンチに座って、あるいは塀の上で、『生命は』を何度も何度も復唱します。映画の中では、ペ・ドゥナさんの日本語に、言葉を覚えたての子供にも似た抑揚があって、言葉を発することに対する喜びみたいなものまで感じました。より具体的にいうと、とても難しいことではあるけれど(実際、彼女は「ムズカシイネ」と何度も呟く)、気持ちを言葉に換えて他人に伝え、意志疎通を図ることの喜びということになるのですが、こうして言葉にすると実に無粋で、嫌になってしまいます。それはともかく、映画が彼女なしでは成り立たなかったように、この詩が彼女のために書かれたものではないかと思うほどでした。


「生命は 自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい」
(これを書いている今も、膝の上に猫がいる幸福を感じていたりして・・・)
「生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ」
(空気人形は、純一の息をもらって、一回限りの「生」を生きることにした)
「歳をとるの・・・私ね、年をとるのよ」


    

彼女が座ったベンチ(左)と彼女が歩いた塀(右)


(左)下流側は古い建物が残っている。緑の部分は小さな散策路になっていて、川岸にも降りられるし、100mほど歩くと「佃の渡し跡」の石碑にたどり着く(ちょうど、佃大橋のたもとになる)。
(右)上流側も歩けるが、公園の真横にははカラフルな壁が立ち塞がる。この建物は、川の向こう側になる中央大橋から湊公園を探す際に良い目印になっている。


 塀の上から川を眺める。左手には映画にも出てきた南高橋と亀島川水門(左写真)が、前方やや左にはバブル期に建てられた豪勢な中央大橋が控える(右写真。日が暮れるとライトアップされ、非常に美しいとか)。中央大橋の先は、高層マンションが立ち並ぶリバーサイドのニュータウンになる。ニュータウンを抜けると、ARATAが彼女を後ろに乗せてスクーターで渡った相生橋の交差点にぶつかる。右折すると、やがて勝鬨橋を渡り銀座4丁目に至る。


 湊公園のベンチから、対岸の中央大橋とその先の高層マンション群が一望できる(左写真)。ベンチに座ると、こんな画角でビルが見える(右写真)。昼でもかなりのインパクトがあるが、夜が絶品だとか・・・。


 映画と違ってタンポポの傘は見当たらなかったけれど、野に咲く花は種を蒔く準備を整えていた。ペ・ドゥナは、空気人形を演じる上で、役になりきるために気持ちを作ってゆくときに『生命は』の言葉をすごく頼りにしていたそうだ。
「私も あるとき 誰かのための虻だったろう」
「あなたも あるとき 私のための風だったのかもしれない」
 そして彼女は、風になった・・・。

 私情を挟んで申し訳ありませんが、もう少し続きます。


整理整頓(ならず・・・)

2009-10-29 12:58:32 | 書物の海


 Angela さんに倣って、昨日は整理整頓をしようと思ったのですが、雑誌のたぐいが整理できただけで、まあ少しは部屋の中が片付いた感じはするものの、目的を全く果たせないまま日が暮れてしまいました。
 まず最初に、大量に処分したのにいつの間にか増えてしまった本を再び選別しようと思ったのですが、本棚の奥から昔読んだ懐かしい本が出てくると、「あっ、この本は処分しなかったんだ・・・」と手に取ったりしていたものだから、いたずらに時間だけが過ぎてしまい、他のガラクタの選別や一番肝心な新聞の切り抜きに取りかかれなかったばかりか、本の整理すらできずに終わってしまったのです。

 買ったことを忘れてしまった本も、ぞろぞろ出てきました。宮脇俊三さんの最後のエッセイ『終着駅』は、危うく『鉄道フェスティバル』の会場で買ってしまうところでした。「いや、待てよ。確か買った筈だ」と思いとどまることができたのですが、行方不明のまま見つからず、ようやく昨日、本棚の奥の奥から出てきました。どうして、こんなところに置いたのだろう?
 大好きな鉄道写真家の中井精也さんの写真集『一日一鉄』と『撮り鉄』も、無事に出てきてくれたのですが、中井さんに関しては確かもう1冊あった筈で、早く出てきて欲しいものです。
 完全に買ったことを忘れていたのが、三浦しをんさん(いよいよ映画『風が強く吹いている』公開ですね!)の新作(今となってはそう言えないけど)『仏果を得ず』と、松浦理英子さんの『犬身』。『犬身』なんて、読みたくてたまらなかったのに・・・。
 鹿島茂さんの『パリのパサージュ』も、十九世紀のパリに連れて行ってくれる本で、書店で見つけるやすぐにレジに持っていったのに、忘却の彼方へ・・・。
 「ユリイカ」の別冊を買うのは『空気人形』特集が初めてだと思っていたら(どちらかというと、『映画秘宝』系なので)、山田宏一さんが責任編集している「ジャン・ルノワール」特集号も、しっかり買っていたんですね~。まあ、ルノワールに関する本なら、自分が買わないわけはないのですが、完全に失念していました。
 
 本は、ワインのように寝かせて読むものではないと思いますが、秋の夜長に良き友が増えたと思って・・・。


その頃クルミさんは、出窓で日向ぼっこしてました。
今、2.3kgぐらいなのですが、これ以上大きくなると・・・


見事貫通! 

2009-10-28 11:10:03 | 自然&いきもの+ゾウのはな子

自分がはたき落としたモノに囲まれてご満悦のクルミさん
(ゴミの山の上でくつろいでいるようにしか見えませんが・・・)


 少し横になれば充電完了するニワトリさんですが、たまにバッテリーが上がってしまいます。そろそろフル充電の頃合いだったのでしょう。昨晩はベッドに直行し、朝まで熟睡しました。頭が痺れるまで寝て、窓を開けると見事な秋晴れです。実は2kg近く肥えてしまったのですが、なんか身体が軽くなった感じ。ニンゲン、やっぱり睡眠が大事だな~と思いました。
 さて、人も猫も朝食を終え、部屋に戻ると・・・


    

 新聞の切り抜きを入れ、二重に蓋をした段ボール箱に見事な穴が開いていました! 中から引っ張り出したのでしょう。新聞記事(スカイツリーの定点観測記事などがやられました・・・)がビリビリに裂かれていました。
 クルミさんは紙を裂くのが大好きなので、古い新聞記事を大きな段ボールに入れたのですが、四隅を互い違いに折り込んで蓋をしただけでは簡単に中に入り込んで、大好きな紙すきをしてしまいます。
(切ったそばからスクラップブックに貼っていけば良かったのですが、今となっては・・・)
 周囲にガムテープを貼ったみたところ、ゴリゴリゴリゴリ爪や歯を立て、いとも簡単に侵入可能な状態にしてしまったので、箱の上からさらに段ボールで蓋をし、ガムテープを貼りました。それでもクルミさんは、ゴリゴリ始めましたが、さすがに二重に防御された段ボールを破れません。にもかかわらず、箱の上に乗っかって飽きもせずゴリゴリしていたので、「絶対無理なのに・・・そのうちあきらめるだろう。まあ、爪とぎをここでやってくれるのは願ったり叶ったりかも」と思い、好きにさせていました。今朝も確かに、彼女がゴリゴリやっている音が枕元まで聞こえてきたのですが、ついに貫通させたんだねえ・・・。
 箱の中に手を突っ込んでみたら、中の新聞紙は無事でした。目的を達して満足したのでしょうか? それとも中は、ぼちぼちやっていこうと考えていたのでしょうか?
 ニワトリさんが犯行現場を撮影していると、怒られると思ったのか、冒頭写真の位置でくつろいでいたクルミさんが、駆け寄って来て、椅子の肘掛けにちょこんと跳び乗りました。


    

(左)椅子から足置きに坐っているニワトリさんの腿の上に跳び乗ってきました。
(右)続いて「肩乗り猫」に・・・。α700にはライブビュー機能がないので、右手一本で適当に構えてみました。全く親バカそのものだけど、今日はたっぷり睡眠も取れたことだし、布団を干した後は、今までできなかった部屋の片づけでもしながら、クルミさんとまったり過ごそうかな?


肩に乗って飼い主を懐柔した後は、座布団猫になりました。
(今は、肘掛け椅子の上で眠っています・・・)


「きれい・・・」を訪ねて ~空き家

2009-10-26 12:38:38 | 日常&時間の旅


 鉄砲洲公園にバイクを置き、湊公園のある隅田川の方に歩き出しました。道路を渡って斜め向かいの路地の入口に立ちました。このあたりは空襲被害を受けなかったと聞いています。コンクリート製の防火水槽とその隣のゴミ箱に目が止まりました。今から60年以上も前のものでしょうか? 中央の排水溝にも時代が感じられます。その頃生まれたわけではないのに、ひどく懐かしい気持ちになりました。


     

(左)空気人形の持ち主、秀雄とお隣さん(小学生の萌と父親の真治)が住んでいた家は、空き家になっていた。人が住んでいたら写真は撮れなかったので、その意味では良かった? かなり前から空き家だったのだろう。
(右)「心を持ってしまった」空気人形が窓を開けて「きれい・・・」と呟いた物干し台。雨上がりの朝の奇蹟だった。


 数え切れないほど映画を見てきたけれど、意識的にロケ地を訪ねたのはこれが初めてだった。ここに立っただけで、自分は映画の中に入ってしまい、自分も今生まれたかのように周囲を歩き回った。三度目の鑑賞で、ここが写ったとき、思わず声をあげそうになった・・・。

 冷たい雨が降っています。今、家の近所の「鉄塔国分寺線」23号鉄塔で建て替え工事が行われています。先日、二基並んだ鉄塔の写真を撮ったのですが、立上げのときから撮っておけばよかったと、少し後悔しました。こんな雨の日は当然工事中止だと思ったのですが、今日も高いところに人が張り付いていました。雨の中、大変ご苦労様です。工事の人も、今お仕事中の方も、お休みの方も、風邪を引かないでくださいね。それでは、ぼちぼち出かける支度をしましょうか・・・。


『節約の王道』をゆく?

2009-10-25 23:55:33 | 映画&ドラマ


 「節約」とは正反対の生活を送っているニワトリさんだけど、書店をぶらぶら歩いていたら『節約の王道』(林望著)という題名が目に飛び込んできました。林さんの本だから、いわゆるハウツーものではなさそうでしたが、「この本を読めば少しはお金がたまるかもしれない」と、藁にもすがる思いから(嘘)手に取りました。
 結構面白い内容だったので、パラパラと最後まで読んでしまいました。この本を買わずに帰ったので確かに「節約」になりました・・・というのは冗談ですが、かなりの部分で自分も「節約の王道」を歩いていたことがわかり、愕然と?しました。

「外食は五日食べ続けても懐が痛まない額で」なんていうのは、昼食だったら牛丼か立ち食い蕎麦で済ますか、100円コンビニで買って来るなど、ワンコイン以下で済ましてしまうニワトリさんには当然の話で、夕食も千円以内かどんなに使っても千五百円を超えません。友人たちと「会話」するためにお酒&食事が美味しい店に行きますが、いわゆる「飲み会には参加しない」し、そもそも一人ではお酒も飲まないし、「煙草」も15年前に止めました。「ブランド品」には興味がなく、服にもお金がかかりません。「中元&歳暮やプレゼント」もやめました。パチンコ&競馬のたぐいもとっくにやめましたし、「ゴルフもしない」し、「株などの投資」もしたことがありません。「ジムに行かずに道を歩く」というのも昔から実践していて、タクシーはおろかバスにも滅多に乗らないし、最近は万歩計のおかげか、自転車を押して歩いています(時間がないときだけ自転車を漕ぐ)。完全に、「王道」を行っているではありませんか!

 「家計簿はつけない」「小銭入れを持たない」「お金をおろすのは三万四千円など、目からウロコな話もありました。一年前から家計簿をつけ始めましたが、結構時間がかかる上にそのことが節約につながっていないので、これを機にやめてしまいました。小銭は持ち歩かずにお釣りを「だるま弁当」の貯金箱に入れるようにしました。「三万四千円」はまだ試していませんが、確かに一万円札を崩してしまうとあっという間に千円札にも羽が生えてしまうので、この半端な四千円が意外と効いてくるかもしれません。
 節約とは関係ないことですが、「本は借りないで買う」というのにも「うんうん」頷きました。
 一方、「公共交通機関を使わないで車で出かける」というのは、二酸化炭素の問題を抜きにしても同意し兼ねます。「車の方が安上がり」と言われても、維持費を計算すればやっぱり高くつくような気がします。それから「お土産を買わない」と言うのも、守れそうもありません。
 何はともあれ、 ニワトリさんは「節約の王道」を歩き、そうして捻出したお金を自分の好きなことに全部つぎ込んできました。本当にお金を貯めようと思ったら、意識を変えていかないと・・・。


三度目の正直? ~ペ・ドゥナに逢いに・・・ 

2009-10-24 23:57:57 | 日常&時間の旅



 今日はお休みだったのですが、家で(くるみさんと一緒に)仕事?をしていました。
 まあ、どちらかというとくるみさんは、仕事の邪魔をしていたのですが・・・でも、まあいいっか。
 せっかくの休日がそれだけじゃ癪なので、午前中に立川までひと走りし、三度目の『空気人形』
を見てきました。
 さすがに「三度目の正直」と言われるだけあって、映画の中の風景(銀町という架空の町です)と
実際の風景との位置関係がはっきりしてきました。
 まだわからないのが、ビデオショップと交番の位置(湊ではないのかも?)に、鉄道高架のすぐ
近くにある公園(この付近には鉄道が走っていないので、どこでロケしたのかな?)。
東京タワーが見えるジュンイチの部屋もよくわかりません・・・。
 写真は相生橋のトラスとNinja250Rです。6月に撮影しました。
 映画でも相生橋のトラスがとても印象的でしたが、バイクと並べてみるとその大きさがわかる
と思います。相生橋をビッグスクーターで渡るシーンは好きな場面の一つです。
6月に訪ねていたせいか、初めて見たとき、すぐここだとわかりました。

 


 一方、先日、南高橋の記事を書いたときは全然気づかなかったのですが、実はこの橋、劇中2回も登場
していました。それから、空気人形とお隣さんが住んでいたアパートも、三度目の視聴で判明しました。
(先週ロケ地を訪ねた際に、「ここではないか」と推測した建物でした!)
 映画に出てきた小学校は公園の隣にある旧鉄砲洲小学校ではなく、旧京華小学校ではないかと思います。

 夜は、『ウェルかめ』にも出演している坂井真紀さん主演の『のんこ36才(家事手伝い)』を見ました。
なかなかの映画でしたよ~♪


「きれい・・・」を訪ねて ~旧鉄砲洲小学校

2009-10-23 23:49:00 | 日常&時間の旅


 鉄砲洲公園に寄り添うように美しい建物が建っていました。中央小学校&幼稚園です。
(後から調べたのですが)平成5(1993)年に、湊1丁目の鉄砲洲小学校と、そこから数百メートル離れた八丁堀3丁目の京華小学校が、現在の中央小学校に統廃合されました。新生中央小学校の新校舎には鉄砲洲小学校が選ばれましたが、その理由は、京華小学校が交通量の激しい幹線道路に面していたからだと思います。奥に入った鉄砲洲小学校は驚くほど閑静で、時代から取り残された感じが個人的nには好ましかったのですが、「再開発」という名の破壊の波が、少しずつではあるけれど、この懐かしい風景を洗い流している現実も目の当たりにしました。とくに東京駅北口がすごい・・・。
 鉄砲洲小学校の改修工事が行われている間、京華小学校を仮校舎として使用していたので、中央小学校の卒業生の中には、「昭和モダン」と称えられた二つの小学校を学び舎にするという、幸運な人々もいる筈ですね。羨ましい~! 
 旧鉄砲洲小学校と旧京華小学校は、関東大震災の復興事業の一環として計画され、昭和4(1929)年に完成しました。中央区にはこれら復興小学校が多数あり、京橋小学校のように取り壊されて高層ビルになったものもありますが、現役で頑張っている学校も思った以上にあることがわかりました。廃校になった旧京華小学校も取り壊しを免れており、平成13(2001)年、既存建物を再利用した「京華スクエア」として生まれ変わりました。



 こちらが旧京華小学校です。この写真は「京華スクエア」のHPから借りてきたものですが、実は何度も何度もこの前を通りながら、一度も中に入ったことがありませんでした。それどころか、建て壊された京橋小学校の前を(まさに統廃合に揺れていた頃です)通って通勤していましたし(新富町に会社があった)、中央区に現存しているいる復興小学校(現中央小学校、明正学校、泰明小学校、城東小学校)も、大正モダンの明石小学校も、よく前を通りかかったし、港区新橋にあった旧桜田小学校(改修されて桜田公園&港区生涯学習センターに生まれ変わる)に至っては、知っているどころかよく遊んだ場所で、それというのも親戚が新橋に住んでいたからなのですが、長年このあたりを歩いていながら、消滅してゆく景色に注意を払ってこなかったし、残った景色にも関心を寄せてきませんでした。『空気人形』からは少し外れてしまいますが、これらの小学校を今一度訪ねる必要があると、強く感じました。
(その姿を残すために、やはりリコーGRデジタルⅢが欲しい! よ~く考えると、フィィルムカメラの名機=リコーGRを持っているんだから、りバーサルフィルムを買ってくればいいだけの話?・・・)


    

 鉄砲洲公園の緑が窓ガラスへ写りこんでいました。そんなところも好ましい旧鉄砲洲小学校の玄関と、その脇にあった不思議な兎の彫像。何匹いるでしょうか?
 映画『空気人形』で、小学生の女の子が通っていた小学校はここだと思うのですが、学校が写っていたかどうかは、早くも忘却の彼方に・・・。


 鉄砲洲公園から斜め向かいに目をやると・・・第二次大戦中、奇跡的に空襲を免れてきた湊地区も、バブル期には絶好のターゲットとなり、その結果このようにいくつもの更地ができた。錆ついた立体パーキングはわずかでも利益を出すべく作られたのだろうか? だが、これら破壊の後にできた鉄骨や空間も、『空気人形』の瞳には「きれい・・・」と認識されたような気がする。


バンザイ・ポーズ! ~赤塚さんちの菊千代もびっくり?

2009-10-22 12:35:00 | 自然&いきもの+ゾウのはな子


 時間がないので?くるみさんに登場してもらいます・・・。
 毎週火曜日は上の妹が遊びに来るのですが、以前に犬のルー(パピオンでだいたい同じ大きさ)を連れてきたことがありました。くるみさんがどんな反応をするか試してみたのですが、いつものようにとんとんとんと階段を降りてリビングへ向かう途中、犬の姿を発見。驚いたくるみさんは脱兎のごとく階段を駆け上がって部屋の中に逃げ込み、二度と降りて来ようとしませんでした。
 翌朝も、まだ犬がいるかもしれないと考えたのか、いつもと違っておそるおそる(7時半頃、ドライフードに缶詰を混ぜたものとネコ牛乳の朝食を摂る)リビングに降りてくるほどビビッていたのですが、それ以来、妹が遊びに来た日に部屋のドアを開けても、積極的に下に降りて来なくなってしまいました。
 今週の火曜日も一向にくるみさんが降りてこないので、逆に妹が部屋で遊んでいたのですが、お腹を撫でてもらいすっかり気持ち良くなったくるみさんが、「もっと~」といわんばかりに、こんな「バンザイ」!ポーズをしたので、アホな飼い主は「そのままそのまま」と言い聞かせながら、カメラを取りに行きました。


兄はα700を構えながら、妹はケータイ片手に「いい子だね~」「こっち向いて~」


赤塚さんちの菊千代もびっくり? 足を交差しているあたりが女の子っぽい?


(左)さらに、こんなポーズも・・・
(右)「もう、いいでしょ?」。十秒後、起き上がりました。

 くるみさんは、食事を食べる前に「お座り」をするのですが(「待て」はできない・・・)、食後の「ねこ牛乳」になると、いっそう目を輝かせます。お座りした後に、牛乳を少しだけ入れた容器(ケチなのでちびちび飲ませている)を顔の上にかざすと、容器の中を覗きこもうと後ろ肢だけで立ち上がって、宮あおいさんが出演している保険会社のCFの猫のようにゆらゆら揺れます。これが完璧にできるようになったら、菊千代みたいに芸能界デビュー?


「きれい・・・」を見にゆく ~南高橋と鉄砲洲公園

2009-10-21 21:21:49 | 日常&時間の旅


 空気人形が「きれい・・・」と呟いた土地を歩きたくて、中央区湊1~2丁目を訪ねてみました。およその見当はついていたので、馬場先門から永代通りを永代橋に向かって東に進み、八丁堀で新大橋通りを横切り、運河(亀島川)に差しかかったところで右折して鉄砲洲通りに入りました。そのまま道なりに進んで、確か佃大橋の高架をくぐろうかというあたりが湊だったと、記憶していたのです。
(さらに道なりに進むと聖路加タワーを経て勝鬨橋の手前に出る)
 右折したところで目に入ってきたのが、映画の中でも何度も登場する墨田川沿いの高層マンション群と、運河に架かる(写真の)美しいトラス橋でした。「何て美しい形なんだろう」と思ったニワトリさんは、ここで早くも足を止めて、橋をじっくり眺めることにしました。橋の名は・・・?


 橋の名前は「南高橋」。家に帰ってから調べたところ、右折した交差点に架かっていたコンクリート橋「高橋(たかばし)」の南にあるので、単純に「南高橋」になったとのことですが、橋そのものは都内に残る鋼鉄トラス橋の中で二番目に古く、車が走行できる最古の鋼鉄トラス橋だと知って、「さもありなんと」深くうなずくニワトリさんでした。
 南高橋は関東大震災の復興事業で新たに架けられた橋ですが、予算が乏しくなってきた東京市は、震災被害で架け替えられることになった旧「両国橋」(明治38年に架橋された三連鋼鉄トラス橋)のうち、損傷の少なかった中央部分を移設して「南高橋」とすることにしました。お古をあてがえられる形になっでしまった「南高橋」だけど、空襲などの被害を受けることなく今日に至り、無事これ名馬というか、明治時代の橋として有形文化財に指定されることになりました。世の中、何が幸いするかわからないものですね。
 トラス越しに眺める景色も素敵でした。右写真の反対側(下流側)には、亀島川水門が控えていて、水門の下流で隅田川に合流します。今度訪ねたときは明治時代の両国橋として眺めるつもりです。


 橋を後にして、鉄砲洲通りを進んでいったのですが、橋から100m足らずの「鉄砲洲公園」脇にバイクを駐輪しました。この公園、どこかで見たような覚えがあります(現実ではもちろん良く知っていて、一度ここで弁当を食べたことがある)。もしかして、空気人形が泥団子を作っていた公園? 砂場が見当たらなかったのですが、確かにここが例の公園だったようです。右端に彼女も写っていますね? あいにくの曇天でしたが、それもまた良し、といったところかな。さあ、歩くぞ~♪