「きれい・・・」を訪ねて ~中央大橋と相生橋

2009-11-02 23:59:29 | 日常&時間の旅


 鉄砲洲公園に戻り、バイクのエンジンをかけました。最後に(前回単に通り過ぎてしまった)中央大橋と、空気人形が純一の背中につかまって渡った相生橋(二人がビッグスクーターで向かった映画館は監督こだわりの「下高井戸シネマ」。映画の中の地図と実際は当然ながら異なる)を渡ってきました。
 もう少しここにいて、夜景を見てから帰宅してもよかったのですが、ネコが待っているだろうし、それに加えて雲ゆきが怪しくなってきたことから、雨が降り出す前に家に戻ることにしました。
 ところで、隅田川とパリを流れるセーヌ川が「友好河川」の提携を結んでいることをご存知でしょうか? 私は最近になって知ったのですが、バブルたけなわの平成元(1989)年にそういう話になって、後方にそびえ立つ佃の超高層マンション「リバーシティ21」と新川を結ぶ中央大橋の設計を、パリのデザイン会社に依頼しました。正面から見るとわかると思いますが、「兜」を意匠にしています(レインボーブリッジと同じ日の、平成5(1993)年8月26日に竣工)。コストを無視して造られたせいか、夜間はカクテル光でライトアップされるなど、中央大橋は隅田川に架かる最も美しい橋と呼ばれているそうです。


   

(左)中央大橋とアオガエル君。ニューフロンティアへの夢の架け橋になったのだろうか? リバーサイドに建てられた超高層マンションの中には賃貸料が月額150万円を超える部屋があり、今の六本木ヒルズに匹敵する「憧れ」だった。
(右)バブル崩壊の後遺症で遅れていた東京駅北口の再開発だが、ここにきて大きく変わろうとしている。久しぶりに訪れ、建設中の建物の多さに驚いた。ニワトリさんが通っていた京橋のこのビル(富岡製糸工場を造った企業の本社ビルで昭和を代表する建物)も近々壊される運びとなり、「映画美学校」以外は立ち退いた模様。早いもので、ロッカーの持ち物を整理してビルを出た日から丸二年になろうとしている(07年11月末日退職)。


 中央大橋もいいけれど、ニワトリさんはこちらの相生橋の方を好む。近くに高層ビルがなく、空が広いところも気に入っている。相生橋は隅田川の支流に架かっているため、水上バスの通り道になっていないが(隅田川本流は、河口から勝鬨橋→佃大橋→中央大橋→永代橋の順)、知る人ぞ知る名橋だ。


 古そうに見える相生橋だが、着工は昭和63(1988)年で、中央大橋とほぼ同時! 旧相生橋が老朽化したため架け替えられることになったのだが、もう一代前の相生橋と同じトラス橋にこだわるなど、中央大橋同様自由な発想と豊富な予算で推し進められた。平成11(1999)年8月完成。


    

 おまけに、湊公園近くにあった不思議な神社(屋根を突き破っている木はご神木?)と、うちのクルミさんとは少し違う模様のノラ。丸々太っていて、クルミさんの三倍はありそう?


(左)湊公園の隣にある箱庭同然の児童遊園。何とも可愛らしい。
(右)今一度、川塀からベンチを振り返る。無秩序に見えるけれど、調和のとれた風景だと思う。この日だけでも、かなりの人がこのベンチに腰かけた。何台ものタクシーが、写真のように車を路肩に寄せ、しばし休憩をとっていく。その上、自分のような映画ファンもやってくるので、公園内はけっこう賑やかだ。