たまリバー50km

2011-11-30 12:20:00 | じ・でんしゃでGO~♪


 少し前の話になりますが、多摩湖を一周した次の週は、再び多摩川を走ってきました。前回は羽田まで下ったので、今回は上流に向かって走って、最終的には五日市&神戸岩あたりまで行ってみようと思いました。例によって、GH近くから河川敷のサイクリングロードに入り、少し走ると羽村取水堰に着きました。
 羽村の堰から羽田の大鳥居までの距離は53km。一部舗装されていなかったり迂回路があるけれど、多摩川と並走しながら海まで走れるようになっていて、ところどころに「たまリバー50km」と書かれた案内図が置かれています。
 ニワトリさんの住んでいる国立は、羽村の堰から下って約17kmの地点にあり、ということは海まで36kmということになりますね。前回は、大鳥居からさらに12kmほど走って湾岸道路につき当たって空しく?引き返しました。今回は堰で終わりではなく、さらに上流を目指したのですが、五日市に向かうなら羽村の堰まで走ってはいけないことをわかっていませんでした。地図が頭の中にインプットされていなかったんですね。実は、多摩川は拝島あたりで秋川と合流します(正確に言えば、秋川が多摩川に流れ込んでいる)。この地点で左折して秋川に沿って走らなければ五日市には着きません。
 羽村の堰に着いて、ようやくことの次第に気づいたニワトリさんは、予定を変更してあくまでも多摩川を遡ることにしました。しばらく走るとサイクリングロードが終わってしまい、闇雲に走ると何とか吉野街道に出たので、そこから青梅に向かいました。この時点でお昼を過ぎてしまったので奥多摩まで行くのをあきらめ、青梅鉄道公園の「のら館長」に会いに行き、帰りに「夏の扉」でコーヒーを飲んでからJR青梅線に沿って羽村へ戻り、堰から再びサイクリングロードを走って国立に戻りました。自転車を漕いでいた時間より降りていた時間の方が多い、計70kmの自転車散歩でした。

 ある程度の距離を三回走って、自分なりの自転車の楽しみ方が見えてきました。他の自転車乗りと大いに違うのは、興味を惹かれるものがあったら、すぐに停まってしまうことでした。最初の二回はそうでもなかったのですが、この日は自転車に乗っている時間よりも停めていた時間(じっとはしていないのですが・・・)の方が長かったくらいで、そうなると体力的(脚力の問題)物理的(タイレルFXの走行能力)面ではもう少し距離を伸ばせそうですが、道草タイムを考慮すると、一日100kmぐらいがちょうど良い距離かもしれません。どれくらい走れるか、試してみたい気もするのですが・・・。
 一方、しょっちゅう立ち止まっているのだから、あえて休憩のための時間を取る必要もなさそうです。走るときは、運動していることを意識しながらできる限りの負荷をかけ、ハイペースで走るよう心がけましょう。時速25キロ以上の速度を保ちながら、余裕をもって景色を眺められように脚力を強化する・・・今一番の目標かなあ?
 また、この日はダートもあったのですが、ダート走行は乗り心地が非常に悪くて不快なのに加えて、自転車を必要以上に痛める可能性もあるので、走るのをやめて自転車を押して歩きました。これもありですね。

 今朝の新聞に、「房総半島をサイクリングロードに」という記事が載っていました。小湊鉄道などと連携しながら自転車を持ってきてもらい、海沿いの道を走る自転車道を整備する計画だそうです。100km以上のコースも用意しているそうで、楽しみが広がりそうですね!


 多摩川に出て、本格的に走り出した途端、多摩モノレールの橋梁(立日橋)に差しかかりました。朝日を反射しながらモノレールがやってきたので、自転車を停めてパチリ!

 

(左)それから幾らも漕がないうちに今度はJR中央線の橋梁です。奥に奥多摩(五日市)の山並みが見えます。この山々も昔みたいに歩くつもり。
(右)左手には富士山がうっすらと、しかし雄大に浮かび上がっています。冬化粧すると、とても綺麗ですよ~♪

 

(左)拝島橋に差しかかる頃、河床がいきなり恐竜の背中みたいな形に変わりました。自然にできたものなのか?護岸工事の失敗の跡なのか?
(右)八高線の橋梁の脇に、二対の車輪が・・・終戦直後の昭和20年8月24日の朝7時40分頃、豪雨の中、八高線の多摩川鉄橋の上で上り列車と下り列車が正面衝突する大事故が発生し、濁流に流されるなど105名が亡くなる大惨事に至りました。復員兵や疎開先から戻ってきた人々が犠牲になったそうです。ようやく終戦を迎えられたのに、こんな痛ましい事故があったんですね。初めて知りました。


引き上げられた車輪の前で安全を祈願しました。スタートから一時間が経過したのにまだ10km・・・。


『ミッション:8ミニッツ』 ~愛すべき小品

2011-11-29 01:08:00 | 映画&ドラマ


 上の写真は、『ミッション:8ミニッツ』(2011年製作。原題『SOURCE CODE』)の米国版ポスターです。ニワトリさんは、ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』と同じ絵柄のポスターだと書きましたが、公開当時(1959年)のポスターとは異なっていました!
 『北北西に進路を取れ』は、列車の中のシーンやラストのラシュモア山など見どころが満載なのですが、何といっても一番有名なのが映画の中盤あたりの、どこまでも青空とトウモロコシ畑が続く一本道のバス停に(指示に従って)降り立った主人公のケイリー・グラントが農薬散布をしていた複葉機に襲われる場面で、当然ながら映画の宣伝ポスターもこのシーンを使っていたと思ったのですが、最初のポスターでは映画のサプライズ的な演出を明かしてしまわないために伏せられていたのかもしれません。ちなみに・・・


最良のフィルムをマスターにしたDVD(左)と公開50年記念のブルーレイ(右)のジャケット。

 牧歌的な風景から一転してサスペンスに見舞われるあまりにも有名なシーン。構図も見事!

 こちらがオリジナルのポスター。後半の非常に重要なシーン(ケイリー・グラントが、エヴァ・マリー・セイントに撃たれる場面)を絵柄にしていました。日本公開時のチラシやポスターでは、主人公が突然複葉機に襲われる場面(しかも、このシーンは物語の中で特に必然性があるわけではなく、その後の説明もない! ヒッチコックの凄いところだが、必然性を重視する評論家から「面白いけど荒唐無稽。中身が空っぽ」と言われ続けた。それに対してヒッチコックは、「ある種の映画監督は人生の断面を映画に撮るが、私はケーキの断片を映画に撮る」と答えている)を宣伝に使っています。すでに本国で公開されており、このシーンを取り上げた方が宣伝効果が高いと判断したのかも・・・。
 話は変わって、『北北西に進路を取れ』のポスターやチラシを検索したら結構沢山あって、どのポスターも見ただけで映画を見たくなり、ポスターそのものも集めたくなりました。ものすごい高値がついている物!もありました。ポスター&チラシも、昔の方が優秀だった?
(『北北西に進路を取れ』のポスター&チラシについては別項で?)


 違う図柄の『ミッション:8ミニッツ』のポスターです。同じくヒッチコックの『めまい』(58)を思い浮かべました。『めまい』のシーンが引用されているわけではないのですが、『めまい』の主題と全く無関係ではなさそうです。気になったので、『めまい』のポスターを検索してみました。すると・・・


これが『めまい』のポスターです。驚くほど似てた! 意識しながらポスターを作成したのかな?



 ところで、『ミッション:8ミニッツ』の「このラスト、映画通ほど騙される」というキャッチはおかしくない? 確かに最初の8分間は、状況が把握できないため主人公と同じように混乱するでしょうが、物語が進んでいくに従って(仕組みや理論はともかく)疑問が一つずつ解消され謎が謎でなくなるため、それがどうして「観客を騙す騙されない」という次元の話になるのか全く理解できません。観客の殆どが、主人公(ジェイク・ギレンホール)の気持ちに深く共感しながら映画の結末を固唾を飲んで見守った筈。宣伝文句は、映画の中で問いかけられたように、「もし人生が残りあと8分なら?」(そう言った彼に彼女は何と答えたっけ・・・)にすべきでした。
 『見知らぬ乗客』『北北西に進路を取れ』『ラン・ローラ・ラン』『メメント』『マトリックス』『恋はデ・ジャヴー』などなど、沢山の映画が走馬灯のように思い出される『ミッション:8ミニッツ』。色々な映画を思い出すようプログラミングされているから、「Source Code」(原題)なのかな?
 鉄道、SF、サスペンス、ミステリー、アクション、恋愛・・・映画の様々な成分を巧みに織り交ぜた娯楽映画でありながら、普遍的にそして控えめに人生を問いかけてくる作品でした。

 

 ジェイク・ギレンホールとミシェル・モナハン。二人とも実に見事な演技を見せてくれた。目を開けると目の前に彼女の姿が映るファーストシーンで、ヒッチコックの『断崖』(41)を思い出した。演じていたのは、(ここでも)ケイリー・グラントとジョーン・フォンティーン! 『断崖』は、ミルクのカップの中に(ミルクの白さが強調されるように)忍び込ませた電球の裏話があまりにも有名。


 シカゴのミレニアムパークにある不思議な球体「クラウドゲート」。映画の最後に登場するこの「クラウドゲート」が、ヒッチコックの言うマクガフィン(シカゴには何がある?クラウドゲートだ!)になっている。ヒッチコックによれば、マクガフォンはそれ以上のものではないので、幾らでも他の物に交換可能だが、『ミッション:8ミニッツ』のクラウドゲートは同時に映画の重要なモチーフになっていて、観客一人ひとりに問いかけてくる。
 パラレルワールド(多元宇宙)はSFだけの話だと思いがちだが、一秒先の未来には無限の可能性(選択肢)があるのだから、我々は常にパラレルワールドを生きていると考えることもできる。


 この映画のもう一人のヒロイン(ヴェラ・ファーミガ)に共感した人も多かったのでは? 彼女の決断が世界を変えた? 沈着冷静そして人間的に任務をこなす彼女に、『カサンドラ・クロス』(76)のイングリート・チューリンの姿が重なった。ブラボー!
  最後に、ジェイク・ギレンホールは、お姉ちゃんのマギー・ギレンホールと共にニワトリさんの好きな俳優だが、ジョン・トラヴォルタ主演の『プラスチックの青春』(76)のリメイク『バブル・ボーイ』(01)は知られざる傑作なので、いつか紹介するつもり。個人的には、ヴェラ・ファーミガ、ミシェル・モナハンが出演している映画をたくさん見ているわけではないので、何本か集めて見るつもり。
 『ミッション:8ミニッツ』の監督は、これが二作目のダンカン・ジョーンズ。次作も期待大だけれど、まずは絶賛されたデビュー作『月に囚われた男』(09)を見ないとね・・・正しく、お楽しみはこれからだ~♪

  『ミッション:8ミニッツ』公式HPは、 → ここをクリック


今年もあとわずか・・・

2011-11-27 09:49:00 | 独り言&拾いもの

 先週のニワトリさんは、死の直前の8分間を無限に繰り返させられる『ミッション:8ミニッツ』の過酷な任務ほどではないけれど、「ミッション:35hours」の仕事を無事にこなし、久しぶりの連休は、金=バイクで五日市&奥多摩、土=『カリーナの林檎』&『新少林寺』を見に行きました。
 ブログを書く時間はあったのですが、眠気が勝って全く更新できず・・・。今日はこれから仕事です。日記代わりにしていたブログだけれど、映画の感想やお出かけ写真がたまっていく一方で、瞳に焼き付いたことも、聴こえてきた声も、肌で感じたことも、ほったらかしのままだといつの間にか忘れてしまいます。やり方(書き方)を変える必要もあるかもしれません。やっぱり、メモ帳かなあ~?


11/25、五日市の紅葉(よく見ると、穴だらけの葉っぱだけど)


11/23、雲一つない青空と東京タワー


11/9、ヒメツルソバがきれいでした(羽村の堰)。


11/26、『カリーナの林檎』のナスチャ・セリョギナ&『新少林寺』の范冰冰(ファン・ビンビン)。ぶらぼ~♪


映画と鉄道 ~その2

2011-11-23 01:00:00 | 映画&ドラマ

 いやはやなんとも、大変なことを始めちゃった? サクサク行きたいのですが・・・

『獣人』(1938)
 映画の神様ジャン・ルノワールも、鉄道映画を撮っていました。(全然どん底ではない?)『どん底』、(生前は一番評価された)『大いなる幻影』に続いて、三度ジャン・ギャバン(機関士役)とタッグを組んで、エミール・ゾラの『獣人』を映画化。今なら猟奇的犯罪映画になるところだが、出来上がったのはいつもと同じルノワール的な愛の映画だった。ヒロインに猫科の女シモーヌ・シモンを起用。本作により『キャットピープル』のヒロインの座を彼女が射止めた? 二人が凄過ぎるのだが、真の主役はギャバン以上に真っ黒な蒸気機関車。疾走シーンは鉄道ファンも泣いて喜ぶこと間違いなし。

『特急二十世紀』(1934)
 ルノワールと同じようにどんなジャンルの映画も作ったハワード・ホークスだが、列車が舞台の映画も撮っていた! オリジナルは舞台劇なので、鉄道映画というより室内映画と言った方がいいかもしれない。後に発表するスクリューボール・コメディの傑作群『ヒズ・ガール・フライデー』『赤ちゃん教育』『教授と美女』『僕は戦争花嫁』『モンキービジネス』『男性の好きなスポーツ』の先駆けでもある。また、本作によりホークス的ヒロイン(キャロル・ロンバート)がめでたく誕生し、最後の作品『リオ・ロボ』まで脈々と引き継がれていくことにも感動してしまう。

『幻影は市電に乗って旅をする』(1950)
 前衛的な映画作家とされているルイス・ブニュエルは、戦後のある時期メキシコで映画を撮っていたが、ミュージカルからコメディ、犯罪映画から純愛ものまで、ハリウッドが嫉妬する多彩な傑作を世に送り出した。本作もその中の一本。深夜、誰もいない通りを路面電車が走り出した瞬間、泣きました・・・。太陽が昇ってくると現実に引き戻されるのだが、それ以来自分は、深夜どこからともなく路面電車が現われてくれないかと夢想しながら、誰もいない停留所に立ったりするようになった。『昇天峠』のリリア・プラドに逢えるのも嬉しい。

 巨匠たちに続いて、ニワトリさんが70年代に映画を見出したからでしょうか。鉄道映画が花盛り?を迎えていました。 

『ホラー・エクスプレス』(1972)
 実は、リアルタイムでは見ていません。ハマープロの二大俳優ピーター・カッシングとクリストファー・リーに、『刑事コジャック』でブレイクする前のテリー・サヴァラスが突如乱入する豪華キャストで、ホラー版『オリエント急行殺人事件』と言われた伝説のカルト映画。太古のミイラからエイリアンまで大風呂敷を広げすぎた世界観に圧倒され、三大スターのバトルに拍手喝采する・・・何て幸福な映画なのだろう!

『大列車強盗』(1978)
 カッシングとリーの代わりに、ショーン・コネリーとドナルド・サザーランド。いい勝負です。そして禿頭のサヴァラスの代わりに二人に絡むのが70年代を代表する美女のレスリー=アン・ダウンだから、こっちの勝ちか? 2万5000ポンドの金塊を輸送中の列車から盗み出した史上最大の強盗事件を映画化したものだが、大人のための痛快な娯楽映画に仕上がっていて超オススメ。

『北国の帝王』(1973)
 巨匠アルドリッチの男汁たっぷりの作品。時は1933年。無賃乗車で大陸を移動する浮浪者ホーボーの一人で「北国の帝王」と呼ばれた男(リー・マーヴィン)と、それを決して許さず鉄槌を下してきた鬼車掌(アーネスト・ボーグナイン)のガチンコバトル。そして帝王の座を狙う野心家の若者シガレット(キース・キャラダイン)。最高のキャストに蒸気機関車という最強の組み合わせ。

『大陸横断超特急』(1977)
 ロスからシカゴへ走る弾丸列車ノンスターク号で繰り広げられるヒッチコック・タッチのノンストップ・サスペンス。コメディ、ミステリー、ロマンス、サスペンス、アクション。『ホラー・エクスプレス』とは違う意味でエンタテイメントの要素をしこたま注ぎ込み、疾走していく正しく『アンストッパブル』な一本。ジーン・ワイルダー、ジル・クレイバーグ、役者たちが皆いい味出してます!

『カサンドラ・クロス』(1977)
 大鉄橋(カサンドラ・クロス)で待ち構えているカタストロフと豪華大陸横断列車で繰り広げられる人間ドラマ。バート・ランカスター、リチャード・ハリス、ソフィア・ローレン、イングリット・チューリン、エヴァ・ガードナー、アリダ・ヴァリ、(新人!だった)マーティ・シーンに、O・J・シンプソン(大スターだっだのよ)まで、世界中からよく集めました。パニック映画の大作だけど、イタリア製なのがツボ。

『サブウェイ・パニック』(1974)
 NYの地下鉄がジャックされた。犯人は100万ドルを要求。タイムリミットは1時間。ベストセラー小説の映画化だが、犯人(ロバート・ショー)と警察(ウォルター・マッソー)の手に汗握る駆け引きと攻防は、見てるだけで寿命が縮まりそう・・・この頃流行ったハイジャック映画の中で、本作は方向性の異なる『狼たちの午後』と並んで一、二を争う出来。

『新幹線大爆破』(1975)
 日本映画の傑作。列車の走行速度が時速80キロ以下になると仕掛けられた爆弾が爆発する設定は、後日『スピード』がパクって大ヒットした。新幹線が爆破されるなんて縁起でもないと、国鉄(当時)の協力が一切得られなかったため、走行シーンはミニチュアを使った特撮になったが、結果的に一番の見どころになったのだから、何が幸いするかわからない?

『銀河鉄道999』(1979)
 言わずと知れた松本零士原作の壮大なスペースドラマ。漫画やテレビと違うオリジナル脚本がいい。キャプテン・ハーロックとクイーン・エメラルダスという松本ワールドの主要キャラが揃って登場する点もたまらない。主題歌も大ヒット。 何といっても、宇宙を走る蒸気機関車の走行シーンが素晴らしく、メーテルは永遠の女性=ファム・ファタールとして全ての少年の胸に焼きついた。

『夜行列車』(1959)
 噂にだけ聞いたことのある未見のポーランド映画。間違いなく傑作だと思う。ワルシャからバルチック海岸へ・・・いつ映画の旅に出ようか目下思案中。イェジー・カヴァレロヴィチは『尼僧ヨアンナ』『影』もお奨め。

 もう一回 やるかもしれないけれど、『ホルテンさんのはじめての冒険』や『ワンダーランド駅で』はレビューを書いたっけ・・・鉄道映画の数々、見ていただけたらとても嬉しいです~♪


映画と鉄道 ~その1

2011-11-22 01:05:00 | 映画&ドラマ

 リュミエール兄弟が世界で最初に上映した映画(シネマトグラフ)が『列車の到着』だったのは、よく言われているような映画的神話ではなく単なる偶然だったのでしょうが、映画と乗り物の相性は抜群で、アクション映画以外の作品でも、鉄道や船が要になっている作品がたくさんあります。例えば、キャサリーン・ヘップバーンの『旅情』や、オードリー・ヘップバーンの『昼下がりの情事』。鉄道(駅)が極めて効果的に使われていて、情感を高めてくれました。あのラストシーン・・・忘れられないよね~♪
 以前ニワトリさんは、「少女(10歳以下の幼女は除く)が主人公の映画」を30本挙げ、これがそのまま映画史上のベスト30に移行できると書きましたが、同じことが「鉄道の出てくる映画」でも言えそうです。
 先週土曜日の午後に『ミッション:8ミニッツ』を見ました。大変面白かった上に、鉄道映画の名場面が次々と思い出されました。作品を並べていくと、「犯罪の影に女あり」じゃないけれど、「傑作の影に鉄道あり」(その逆は必ずしも真ならず)と言えるほど・・・。『ミッション:8ミニッツ』は、もう二つのジャンル(SFと恋愛)でも、芋づる式に映画的記憶を呼び覚ましてくれる作品でしたが、何といっても『アンストッパブル』(またしても先日のとまらざるゲーリーを思い出してしまった)に続く鉄道映画の快作です。原題の『Source Code』は、そこにも言及しているのかもしれません。
『ミッション:8ミニッツ』については別項で触れることにして、『旅情』や『昼下がりの情事』のように、鉄道が重要な役割を果たしている映画を挙げていくと100は下らないと思いますが、狭義の意味での「鉄道映画」の傑作を挙げていくと・・・。

『キートンの大列車追跡/キートン将軍』(1926) 
 原題の『The General』は、機関士キートンが愛してやまない蒸気機関車の名前。南北戦争に巻き込まれて奪われてしまった「将軍」号(とガールフレンド)を奪還する物語。邦題は色々変わったけど、『キートン将軍』だとキートンが「将軍様」なのかと勘違いしそうなので、『大列車追跡』が無難かな? キートンの長編映画はどれも映画史に残る傑作だが、本作は同時に鉄道映画の頂点でもある。映画の血や肉になる要素が全て詰まっていて、アクションシーンの過激さはキートンのみ可能な正しく「ミッション・インポッシブル」の領域。なぜ、ジャッキー・チェンがキートンの後継者なのかは、キートン映画を見ればわかる! ジャッキーの記念すべき101本目の映画出演作に本作が最適だと思う。何本目でもいいから、是非!

『バルカン超特急』(1938)
 サスペンスンの神様ヒッチコックのイギリス時代最後の作品。原題は『The Lady Vanishes』。邦題は「消えた御婦人」あるいは「幻の乗客」でも良かった? ヒッチコック作品には鉄道が数多く出てくるが、『見知らぬ乗客』『北北西に進路を取れ』の二作が『ミッション:8ミニッツ』の映画ポスターに引用されている。『バルカン超特急』は「こんなに面白い映画は今まで見たことがない」と感心した作品。サスペンスにドキドキするも良し、典型的なヒッチコック美人とマンハントのストーリーに酔うも良し。脱力系の『シベリア超特急』と勘違いしないように!

『上海特急』(1932)
 巨匠ジョゼフ・フォン・スタンバーグと、彼の美神マレーネ・ディートリッヒのコンビによる傑作ドラマ。映画(監督)の映画(的話術&撮影)による映画(女優)のために造られた映画。ディートリッヒの写真しか知らない人(殆どだと思うけど)に、上海リリー(彼女の役柄)を知ってほしい! 秋元康がプロデュースするアイドルも可愛いけど、それこそ星の数ほど素敵な女優がいるんだなあ~。リー・ガームスのカメラも素晴らしく、光と影の芸術とは正にこれ。神秘的なソフトフォーカスは、女優の皺を目立たなくするためだった?

 すいません、眠くて頭が働きません・・・続きは明日ということで、先に題名だけ挙げていたので列記すると・・・『ホラー・エクスプレス』『新幹線大爆破』『三十九夜』『断崖』『疑惑の影』『逃走迷路』『北国の帝王』『大列車強盗』『カサンドラ・クロス』『幻影は市電に乗って旅をする』『浮き雲』『獣人』『ワンダーランド駅で』『ホルテンさんのはじめての冒険』『ジャライノール』『RAILWAYS』『7月24日のクリスマス』『ノン子36歳家事手伝い』『フラガール』『シルヴィアを探して』『雨上がりの駅で』『ダージリン急行』『ハンネス、列車の旅』『マルクス二挺拳銃』『特急二十世紀』『007/ロシアより愛をこめて』『オリエント急行殺人事件』『ウォリアーズ』『フレンチ・コネクション』『シンシナティ・キッド』『スティング』『暴走機関車』『大陸横断超特急』『ミッドナイト・ラン』『明日に処刑を』『グッド・バッド・ウィアード』『サブウェイ・パニック』『サブウェイ』『地下鉄のザジ』『夜行列車』『リトル・ロマンス』『小さな恋のメロディ』『銀河鉄道999』『ストーカー』『動くな、死ね、甦れ!』『恋のエチュード』『インディ・ジョーンズ~魔宮の伝説&最後の聖戦』・・・寅さんシリーズなんか全部だし、まだまだありそう!


『長い冬休み』 ~ナンシイ船長の気持ちがわかる?

2011-11-19 23:36:00 | 書物の海


  水曜日の夜勤中から目の奥が妙に熱くて体が何となくだるい・・・猛威を振るっている風邪についに自分も罹ってしまったか?と思ったのですが、昼過ぎに自宅に戻ってから下痢が止まらなくなりました。念のため病院に行くと、「ウイルス性腸炎ですね。これも最近流行ってます。心配するほどのことはないでしょう」とのこと。整腸剤だけもらいました。ウイルスが体の中から出てしまうまでは我慢ガマン・・・。
 それにしても、今回の下痢は今まで経験した中でも二番目にひどく、その日の午後から翌日昼過までに何回トイレに駆け込んだことでしょう? 20回まではいってないと思うけれど、15回は超えていました。その最中、お腹はぎゅうぎゅう苦しく、お尻は焼かれるように痛いし、もう散々です。
 翌朝になって下痢はどんどんひどくなり、1時間おきにトイレに駆け込む始末・・・もう一度病院に行くべきではないか、と考え始めました。ところがお昼近くになった頃、苦しんだ末にトイレから出てきたにもかかわらず、「これで下痢は終わった」と確信しました。何だから知らないけれど、直感的にこの瞬間峠を越えたと思ったのです。お風呂を湧かして、贅沢にも真昼間からお湯に浸かりました。気持ちよか~♪

 直感は正しく、これを境に下痢は治まってしまいました。とはいえ、かなり体力を消耗したのでしょう。何かをしようという気には全くならず、念のため昼食も抜きました。そして台無しになった休日の午後は、ベッドで半分眠りながら本を読んで過ごしました。
 取り出したのが、アーサー・ランサム全集第4巻の『長い冬休み』です。
 このシリーズを読み始めた頃は(小学生のときです)、湖がだんだん凍っていき、ツバメ号やアマゾン号を帆走させられないこと自体が不満で(第2巻の『ツバメの谷』はアクシデントだから良い)、新参者のD姉弟がウォーカー家の四人やブラケット姉妹をさしおいて主役のような扱いになっている点も気に入りませんでした。弟のディックの頭の良さと、運動能力で敵わなくても柔軟な思考で試練を乗り越えていく様子に(ロジャと同程度の頭だった自分は)反感を覚えたのでしょう。
 姉のドロシアはティティとキャラクターが被っていて、しかもティティ以上にティティ的な空想好き少女だったのも、ティティのファンだった自分には納得がいきませんでした。何しろ彼女の登場場面が減ってしまったし(『ツバメ号とアマゾン号」『ツバメの谷』では、彼女が主役といっても良い)、一番好きなキャラだった彼女がD姉弟の前では姉スーザンのような常識的&現実的な女の子に変わってしまったかのような台詞を言ったりするものだから、がっかりしてしまったのです。でも・・・。

 『長い冬休み』は、シリーズの中でも一二を争うくらい好きな部類に入ります。ディックは嫌味に頭が良いのではなく、創造力も想像力も併せ持っていて、父の後を継いで船乗りになるしかない(といったら言い過ぎかな?)ジョンやロジャとは異質の魅力を持っています。天文学好きなようですが、彼の性格なら好きを生かして天文学者になったに違いありません。姉のドロシアに至っては、ティティやナンシイをさしおいて一番お気に入りのキャラになってしまいました。彼女の未来は、ずばり作家。幸せな家庭も築いているでしょう。D姉弟の関係は、『クローディアの秘密』のクローディアと弟のジェイミーにも少し似ていますね。二人のやりとりが面白いし、この二人が一番自分に近いと感じる人が多いのでは?
 さらに、冬休み中にナンシイ船長がおたふく風邪に罹ってしまい、感染の疑いがある他の子供たちもしばらく登校禁止になったため、結果的に題名通りの「長い冬休み」をエンジョイすることになった、というのが妙に心地良いのです(インフルエンザが流行って学級閉鎖になったけれど自分は元気だったとき、似たような高揚感を味わいました。勉強以外の好きなことをしたり、こっそり遊びに行ったり・・・)
 そして『長い冬休み』は、(「ナンシイのふくれたかおはきのどくでかけない」と作者のランサムに言わせたように)不幸な彼女と同じように家でじっとしているしかないときに読むと、これがまた妙にしっくりくるんです。風邪で寝込んだとき、火照った頭で何度『長い冬休み』を読んだことか・・・嘘だと思うなら試してごらん! 
 7~8年前の真冬に、同じようなウィルス性腸炎で仕事を三日間休んだときも、『長い冬休み』を読みました(友達から借りた『攻殻機動隊SAC』全26話も見たっけ・・・)。物語と同じように、思いがけず休みをもらったと思いながら・・・。

 D姉弟中心に描かれる『長い冬休み』の中で、いつものメンバーはわりと目立たないのに、「海の恐怖」ナンシイ船長に抑圧されていた?妹のペギイ航海士が、不在の彼女の代わりに奮闘する姿がとても素敵です。ことあるごとに「とんま!」と言われてきたペギイが、姉の十八番だった「驚き桃の木」「たまげたこまげた」を口にしつつリーダーの役割を立派に果たしていくのだから、健気で小気味良いよね! 
 それから、1&2巻ではディクソン農場の「単なる無口な人」だったディクソンおじさんとディックの交流も、とてもいい感じで描かれています。
 このシリーズに新風を運んでくれたD姉弟は、続く第5巻の『オオバンクラブの無法者』にも語り部として(物語上は準主役)登場します。『オオバンクラブの無法者』はファンの間でも評価が低いようですが、舞台設定が大変魅力的で、個人的には一番好きな物語でもあり、非常に面白い番外編です。何といっても、トムの生活に憧れました。あんな風に毎日を過ごせたら、言うことなし~♪


 ランサムが描いた挿絵。このシリーズは挿絵がまた素晴らしい! ナンシイの顔の部分に「ナンシイのふくれたかおはきのどくでかけない」と字が書いてある。「ランサム=神宮輝夫」と言っても良いほどの名訳が作品をより身近に、そして魅力的にしてくれました。翻訳者って大事だよね!


多摩湖の秋

2011-11-15 22:36:10 | じ・でんしゃでGO~♪


 荒幡富士から多摩湖のサイクリングロードに戻りました。しばらく走ると道路を橋で跨いで、村山上貯水池側に入ります。奥に取水塔が見えますが、村山上貯水池の取水塔は、先ほどの村山下貯水池の取水塔ほどエレガントではありません。
 次のサイクリングでも確認したのですが、ニワトリさんの場合は(食事タイムが殆どゼロなのに)、寄り道する、景色を眺める、生き物と遊ぶ、などで時間を取られてしまうので、一日100km程度しか走れない? 


    

(左)狭山公園内にある余分な水を放水する十二段の滝。石垣が見事!
(右)観覧車を見ると、胸が躍ります。全国の観覧車だけを撮った写真集が出ているくらいだから、観覧車好きがたくさんいるんだろうな~♪



温暖化の影響で秋がなくなろうとしている? 桜は色づく前に枯れ落ちてしまい、モミジとケヤキが何となく紅葉していた村山上貯水池。本人は半袖のポロシャツで走っているのだから、秋には程遠い?


荒幡富士 ~スカイツリーが見えた!

2011-11-14 22:54:00 | じ・でんしゃでGO~♪


 多摩湖(村山貯水池)を一周する途中で、昔の記憶を辿りながら荒幡富士に寄りました。
 はるか昔、今とは比較にならないほどバイクが盛んだった頃、あまりにもバイクが走り回ったのでしょう、多摩湖の周回道路は、二輪通行禁止になってしまいました。この道が使えないと、不便で仕方がありません。前回アオガエル君(Ninja250R)と荒幡富士を目指したときも、この道が使えないため、荒幡富士への入り口がわからず、辿りつくまでに日が暮れてしまいました・・・。
 今回は自転車なので、昔よく通った道が使えたのですが、アップダウンがきつかったです・・・この程度で息を切らしていたら、どこへも行けませんが。
 荒幡富士の標高は119.4m。こうして眺めると、高そうに見えますが・・・。


実際はこんな画角になります。頂上が見えますね!


(左)鳥居の下にいる狛犬。わりと可愛い(トイフォトで撮影)
(右)息を切らさず山頂に立てば(昔より今の方が足腰が鍛えられている!)、東の空にスカイツリーが見えました。ピントが手前の枝に合ってしまい、ぼけてるけど・・・。


 山頂から先ほどの鳥居を見下ろすと、こんな感じ。今年は、紅葉せずに枯れたり散った葉が多いようで、秋はどこへ行ってしまったのでしょう? 狭山丘陵は少しだけ秋でした・・・。

 荒幡富士の昔の記事は、 → ここをクリック
   久しぶりにバイクに乗りました。違う魅力があって、こっちもいいなあ~♪ もっと時間が欲しい!


多摩湖の波紋

2011-11-12 22:52:35 | 自然&いきもの+ゾウのはな子


 コガモ、カルガモ、マガモ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ・・・案内板にイラスト&写真で紹介されていました。村山貯水池(多摩湖)を訪れる水鳥です。その日はカイツブリと(多分)カンムリカイツブリが水面に波紋を作りながら潜水上手なところを見せてくれました。水中に姿を消したカイツブリが、驚くほど時間が経ってから意外なところから水面に顔を出すと、続いてカンムリカイツブリが「負けてなるものか?」と水中に潜り、やはり全く違う場所から水面に浮かんできます。それを見たカイツブリが・・・繰り返される潜水合戦に見とれてしまいました。

 水中に飛び込む直前のカイツブリ。カンムリカイツブリは、距離があったのと逆光のため写真を撮れず・・・先日も多摩川でカイツブリを目撃しましたが、8倍の双眼鏡を持っていくと楽しみが広がるかもね~♪


 堰堤の向こうは西武遊園地。大観覧車とコークスクリューが見えます。このコークスクリューは、去年ジェットコースター好きの少年と9回連続で乗りました。
 昔は何回乗っても物足りなかったのに、最初の一回で「肩が痛い、目が回る、もう二度と乗りたくない・・・」。2回目「連続・・・ですか?」、3回目「肩が痛い、目が回る・・・これって一種の拷問では?」、4回目「もう笑うしかない。笑え、笑うんだ!(回転中に)」、5回目「何でこんなに空いているんだ・・・休ませてくれ~!(待ってる間に)」、6回目「ニコニコ笑ってる・・・怪物クンだ!」、7回目「可愛い子が後ろに座った!(スタート前)。・・・・・・(降りるとき)」、8回目「一人で乗ってもらってはまずいだろうか?」、9回目「神様お願い、もう限界です・・・」。

 すいません。時間がなくて、ここで閉じます。続きは月曜日に・・・。


多摩湖(村山貯水池)一周 ~その1

2011-11-09 23:58:00 | じ・でんしゃでGO~♪


 写真は、日本一美しいと言われている多摩湖(村山上貯水池&村山下貯水池)の村山下貯水池取水塔です。手前が1号で、奥に見えるのが2号になります。
 というわけで、翌週の11月04日は、午後から多摩湖を一周し、帰りに新青梅街道を無茶走りして(車が非常に多く危険。やむなく行程の半分は歩道を走行した)田無の自転車店「ハマーズ」に寄って、慣らし運転の感想を伝え、忘れ物の輪行袋を受け取ってきました。が・・・今ネットで調べたのですが、多摩湖の自転車道を一周するだけではなく、お隣の狭山湖(山口貯水池)まで足を延ばして、狭山湖も含めて一周すべきでした。
 ロード系の人の中には、多摩湖を何周もする人がいるそうです(一周何キロあるのかな?)。でもこの自転車道、舗装面がごつごつしていてその上路面が荒れているため、乗り心地は最悪・・・。道幅が狭くて、怖い思いをするときもありました(比較的安全な下り道で時速49.6キロ出て怖かった~!)、空気はおいしいのに、あまり楽しくない! だったらなおのこと、狭山湖を回ってくるべきでした。狭山湖については、コースの半分以上が未舗装らしいいけれど、それこそ押して歩けばいいわけで、トトロの生まれた里山を歩いたのち廃線跡(貯水池を造るために敷いた鉄道)の遊歩道を走る方が、多摩湖を周回するより自分には向いていると思います。次にここを訪ねるときは是非! 友人の家も近くにあることだし・・・。


 エレガントな煉瓦造の村山下貯水池第一$ニ取水塔(ネオ・ルネッサンス形式)。高さは27m(水面に出ている部分が12m)もあって、水面下に7つの取水口がある。村山上貯水池の二つの取水塔はつい最近も見たが、こちらを目の前で見るのは中学校のマラソン大会以来! 堰堤の下は桜の名所だったが、2003年から始まった堤体補強工事で大半が伐採されてしまった。整備されて狭山公園となったが、桜の海だった当時と比べると残念な限り・・・と言ったものの、ニワトリ頭だけに「当時の姿」を殆ど覚えていません!


   

中に入りた~い!


 2009年に完成した新堰堤から村山下貯水池を見下ろす。村山貯水池は、(今日訪ねた!)羽村取水堰から玉川上水を使って都民に供給していた水が人口増加で不足気味になったため新たに造られた人口湖だ(1916年から10年がかりで完成)。水は導水管を通じて貯水池に導かれる。完成後に、隣の狭山湖(山口貯水池)が同じ目的で造られた(1927~34年)。太平洋戦争中には、大切な水がめを爆撃から守るべく堤体のコンクリートが補強された。2003年から耐震性を高めるために堰堤の大規模な工事が行われた。


 堰堤の脇に四本並んだプラタナスの葉が半分ほど色づいていて、青空を背景に美しいグラデーションを見せてくれたのだが・・・。プラタナスと言えば、(年齢が判ってしまうけれど)はしだのりひことシューベルトの『風』かなあ?「プラタナスの枯葉舞う冬の道で~プラタナスの散る音に振り返る~♪」「何かを求めて振り返っても~、そこにはただ風が吹いているだけ~♪」、中学校の合唱コンクールで歌ったような・・・和名はスズカケノキ(鈴掛けの木)。実の形が鈴に似ていることから呼ばれた。和名の方が好きだけれど、日本の街路樹として多く見られるプラタナスは、スズカケノキではなくモミジバスズカケ(葉がモミジに似ているので判別できる)とのこと。