発掘現場見学会 ~その2(武蔵国分寺金堂周辺)

2013-02-17 08:15:30 | 美術館&博物館など

武蔵国分寺金堂跡。礎石が19個残されている。


 もう一つの見学会は、武蔵国分寺の金堂跡周辺でした。実を言えば、こちらの方から見学したのですが、遺跡より野良猫と遊んでいた時間の方が長かった?
 今回は公開されなかったけれど、中門付近と南東地区の発掘調査も進んでおり、史跡公園として三年後の完成を目指しています。


    

(左)武蔵国分寺の北西角の発掘現場。地所を覆うように塀が築かれていた。今までは板を立てた堀立て柱塀だと考えられていたが、塀に厚みのある築地塀だったことが判明。
(右)金堂に上がる出入り口(階段)付近。今回の調査で、北西角と南西角が判明し、国分寺の全体像が描けるようになった。南西角と思われる箇所には民家が建っている。発掘したのはその北側。


出土品も展示されていました。


 国分寺跡マップと、ニワトリさんが隠し持つ?欠片(クリックしてね)。

人なつこくて無茶苦茶可愛いキジトラ猫。連れて帰りたかった?


発掘現場見学会 ~その1(武蔵国分寺跡北方地区)

2013-02-16 23:29:10 | 美術館&博物館など

 武蔵国分寺跡北方地区発掘現場。出土品は少なく、縄文以前の人々は後方に見えるマンション群あたりに集落を作っていたと思われる・・・。


 (冷凍怪獣ペギラかバラゴンが近くにいるかような)身も凍る寒さの中、武蔵国分寺跡の発掘現場を見学してきました。
 今回(2月16日)公開されたのは、「武蔵国分寺跡北方地区」と、「武蔵国分寺金堂跡周辺」の二か所です。こんなに寒いのに、思った以上の人々が見学に来てました(平均年齢にすると、50以上だと思うけど)。寒風吹きすさぶ中、長時間立ちっぱなしで説明してくれた皆様、ありがとうございました。

 遺跡の発掘は、地層ごとに行います。掘れば掘るほど過去に遡るタイムマシンと言ってもいいでしょう。現在進行形(3月31日に調査終了)の「北方地区」では、近世・古代・縄文・旧石器の各地層を見ることができました。
 縄文以前の人々は、国分寺崖線(清志郎が唄った多摩欄坂から泉帳交差点へ至る崖上=多摩欄坂遺跡)から湧き出る湧水に沿う形で集落を形成していましたが、「北方地区」は集落の南の外れだったようで、石器(矢じりや斧)を作る工場のようなもの以外の、生活していたことを示す遺物は出土しませんでした。当時の人々は、平成7年に発掘された東山道(奈良時代の国道)の西側に集落を作っていたようです。


 歩道として保存された東山道武蔵路。北に延び上野国(群馬県太田市)に至る。武蔵国から西へ上り、都(奈良&京都)までを結んでいる。幅12mあって、左右に80cmの側溝を備えていた。11世紀初頭まで使われていた国道。吹きっ晒しで兎に角寒かった・・・。


 地層のタイムマシン。左側の溝が近世(江戸)時代のもので、右側の溝が古代(奈良~)時代のもの。用途は不明だが、古代溝は写真で言うと上の方で左側直角に曲がっている。コンクリートの基礎は鉄道学園の体育館の基礎の跡。旧国鉄が所有していた鉄道学園の運動場付近に遺跡が多数あったと考えられている。国鉄解体後の再開発で、今のマンション群が建設される前に大々的な発掘調査が行われた。


(左)旧石器時代の地層から出土した遺跡。このあたりに住居はなかったらしい。
(右)素人の自分にはさっぱりわからないけど、これが1万5千年(第1ブラックバンド)~3万5千年前(第2ブラックバンド)の地層。ナイフ形石器が第1ブラックバンドから出土した。斑鳩では蘇我馬子の宮殿クラスの住居が発掘されました。ロマンを感じます。


府中市美術館 ~ポール・デルヴォー展

2012-10-18 10:02:00 | 美術館&博物館など


 【FB】ではリアルタイムに紹介したのですが、11月11日まで府中市美術館にて、〈ポール・デルヴォー展 ~夢をめぐる旅〉が開催されています。前回が生誕100年を記念して開催された回顧展(1996年)だから、実に16年ぶりになります。場所は伊勢丹美術館だったのですが、そんな昔のことだったのかと、いささか驚いています。大作『ポンペイ』、『森の中の駅』、『夜警Ⅲあるいは地平線』の前に立った日を昨日のことのように覚えているのに・・・。彼の絵と同じように、時間と空間の記憶が曖昧になってしまったのかもしれません。

 今回のデルヴォー展はやや小ぶりですが、最初期から最晩年にあたる全世代の作品を網羅した回顧展としてはベルギー国外での初の開催であり、【ポール・デルヴォー美術館】が監修しています。時期ごとの作風や影響の変遷をたどるオデッセイ(旅)=知的彷徨は、正しく副題の「夢をめぐる旅」と言えるでしょう。ファンはもちろん、デルヴォー初心者(って?)にも楽しめる内容ですので、ぜひお越しください。
 特筆すべきは、都内で開催される美術展と違って空いていること。作品とじっくり向かい合えます。雨の日の午前中とか、特にお勧めです。デルヴォーは夜も似合いますので、陽が短くなってなってきた今頃もちょうどいいのでは?
 ちなみに、ニワトリさんは今週土曜日に観に行く予定です。これで三度目になるのですが(入場料=900円)、自転車で気軽に行かれて、その上作品を独占できるのだから、それこそ時間の許す限り通いたい気分です。ベルギーの美術館のすぐ近くに住んでいたら、こんな感じで通えるのでしょう。
 【デルヴォー美術館】が開館した際に、画家はこんな言葉を寄せています。「私が絵を描いているときに感じる喜びを、どうかご来場のみなさまにもお持ち帰りいただけますように」

 府中市美術館は府中の森の中にあり、この夏初めてこの森(公園)も歩いたのですが、これからここを「自分の庭」だと思うことにしました。常設展も充実しています。散歩と併用すれば、たちまち身も心もリフレッシュできるかも?

 

(左)ロビーは広々としているのに(冒頭写真)、入口が狭い・・・。
(右)ポスターにも使われている『夜明け』が今回の一番目玉かな?1944年の作品で、ニワトリさんはこの時期が一番好き。


(左)最晩年の『カリュプソー』。変遷がよくわかります。ルドンの作品に接近した?
(右)初期の『森の小径』。モネに似た印象派の絵ですね。ぜザンヌ風の作品もありました。


府中市美術館正面。森の中の小滝と湖をイメージした感じ。


噴水も出るこの池で、子供たちとわいわい遊びました・・・。


特撮博物館で大人買い!

2012-09-19 09:55:05 | 美術館&博物館など

手に入らなかった幻のブロマイド・・・



 「ウルトラQ 第19話 2020年の挑戦」に登場する遊園地のコーヒーカップをモチーフにしたコーヒーカップ&ソーサーです。ポップで、持った感じも良かったのですが、ひとつ3675円はちょっと高いかも? オレンジとパステルグリーンだけ買おうと思ったのですが、セットで買うと「三輪車に乗ったケムール人」がもれなくもらえます。ピンクはケムール人代か・・・。清水の舞台から飛び降りる覚悟で財布の中を覗きこんだら、1万1000円入ってました。2個は買えてもセットは買えない・・・。結局、1個も買わなかったのですが、オマケのケムール人が「可愛い系」でなく、オリジナル+観覧車のオマケだったら、お金をおろしに行ってたでしょう。

 「特撮博物館」の会場を出ると、お土産品(一つ数百円~数万円!)がずらりと並んで、「欲しくないですか?」と誘いかけてきます。ニワトリさんは、つい先日の「デルヴォー展」でも、「マウリッツハイス美術館展」でも、カモに変身しています。用心、用心・・・。
 大量のDVDや&ブルーレイは、すでに持っていたり、これから持つ予定なので、ことさら見ないようにしました。ここで買うより、Amazonで買った方が安い・・・と呪文のように呟きながら。
 お菓子関係は、「ダイエット、ダイエット」と自分を戒め、近寄らないよう心がけます。佐久間のドロップ缶にだけは手が伸びましたが、図柄が「可愛い」系だったので、土俵際で踏みとどまりました。危ない、危ない。文房具グッズも「可愛い」系が大半を占めていて、事なきを得ました。
 一番の難関は図版です。映画のパンフと同じでつい買ってしまうのですが、今回は展示品に関する図版と「巨神兵東京へ現わる」に関する図版の二冊に分かれていて、しかも一冊2700円と高価なのに見本が置いてなかったため、買わずに済みました(中身を見たら、欲しくなったでしょうね)。



 何とか切り抜けてきたニワトリさんでしたが、年貢の納め時が来ました。これってもしかして、その昔、駄菓子屋さんに置いてあった「5円引きブロマイド」じゃない??
 封筒の束が紐で結ばれていて、その中には表紙絵と同じようなブロマイドが1枚入ってます。「何が出てくるかは開けてみてのお楽しみ」というわけで、子供たちはお小遣いにもらった五円玉を店番のおばあちゃんへ手渡すと、どれを選ぶか少し考え、気合と共に封筒を引きちぎります。思いどおりのカードが出てくれば万々歳! 欲しいカードじゃなかったり、同じ図柄が出てしまったら、トレードに出して、友達と交換します。カードを賭けて「メンコ」や「ビー玉」の勝負をしたこともありました。
 ニワトリさんは、食い意地が張っていたせいか、五円玉の大半は胃袋に消えてしまいました。まるで、コイン怪獣カネゴンですね。同じ「5円くじ」でも、三角飴の糸ばかり引いてました(たまにでかい飴が混ざってる。この飴をなめてると、唇の端からタコ糸がだらりと垂れ、今思うと少々間抜けな感じ・・・)。それでも、20枚は持っていたと思います。
 その復刻版ブロマイドが、一冊子(30枚のブロマイドが入ってる)単位で発売されているとは・・・。敵もさるものだけど、これは欲しい~~~~~!
 「5円引きブロマイド」の表紙は様々で、中のブロマイドもバラバラでしたが、今回発売された120枚は四冊に分けられ、冊子ごとに四色(青白黄緑)のシールが貼られているので、好きな表紙を選びながらダブらず揃えることができます。

 一冊2625円か・・・。ニワトリさんは携帯を取り出し、素早く計算しました(暗算ができない)。4冊買うと10500円、ぎりぎりで買えるじゃない! その代わり、昼食抜きになりましたが。
 福沢諭吉を失うことに痛みを覚えながらも、一枚87.5円なら安いと、表紙を物色し始めました。最初は「ウルトラQ」で揃えようと思ったのですが、マンとセブンを一冊ずつ入れることにしました。ウルトラマンなら宇宙忍者バルタン星人か古代怪獣ゴモラ、ウルトラセブンならエレキングかギラドラスか恐竜戦車・・・。ウルトラQだと冷凍怪獣ペギラが欲しかったのですが、なかったので、ケムール人とガラモンにしました。
 


 こちらが今回発売されたブロマイドの裁断前シートです。ちゃっかり、この姿でも販売されてました(1シート単位では売らず、揃いで9450円)。少々あこぎな感じがするけど、ターゲットは大人だから、ま、いっか。
 ところで、ここで問題が生じます。せっかく大枚はたいて買ったのに、このままでは中身を永久に見られません! 困ったニワトリさんは、考えました・・・。昔と同じように、一回5円で一枚ずつ引きちぎっていくのが一番面白そうです。でもこの方法だと穴も破れてしまうので、紐の部分を単語カードで使われているリングに交換してからくじを引いていくことにしました。この方法なら封筒もきれいなままです。冒頭のペガッサ星人とアンヌ隊員のツーショットが、何日目に出てくるかな~?


 後で調べたのですが、復刻ブロマイドは第二弾でした。ということは第一弾があったんだ! 写真は第一弾に入ってるアンヌ隊員のブロマイドです。第二弾でも入っていてほしいのですが・・・。ちなみに第一弾は、買値の倍近い2万円で取引されているとか・・・。


 

 最後に現代美術館の館内に展示されていた面白アートを。H鋼の揺り椅子やエンジンブロック&歯車の内臓がユニークなゾウさんと、なんでしょうか、これ? 枠の中に入って記念写真も撮れるのですが・・・。散策すると、まだまだ面白いものが出てきそう? 


特撮博物館 ~匠の技に驚き桃の木!

2012-09-18 11:35:00 | 美術館&博物館など


 思わぬ連休をもらったニワトリさん、17日は、東京都現代美術館(メトロ東西線「木場」から徒歩15分)の「特撮博物館」(10月8日まで開催)まで、電車&徒歩でGO~~♪
 予想以上に混んでいて、入場するまで30分待ち・・・。会場内もかなり混雑していて、展示品の前は押しくらまんじゅう状態・・・。肩越しに覗きこんで終わりにしました。やはりウィークデーに来るべきだったか・・・。

 『ゴジラ』が産声を上げたのが1954年。以後、今日まで培ってきたミニチュア特撮の匠の技(職人の超絶技に、遠近法を使った騙し絵的テクニック、カメラの特性を利用した特撮など、手品の種を披露してくれます)と、映画やテレビで使われた模型&セットが(可能な限り)集まりました。子供たちが熱心に見てましたが、ニワトリさんと同じ「ウルトラマン世代」の人には、正しく夢のタイムカプセルです。
 館内の特設シアターでは、第二&第三世代の「特撮」マンたちの作った映画『巨神兵東京に現わる』が上映されています。上映時間はたったの9分間だけれど、出来上がるまで長大な時間がかかった筈。ニワトリさんのすぐ後ろ、お母さんに抱きかかえられていた子供が、ワンシーンごとに「コワイ」「コワイ」と呟いていました。
 その昔、自分も「ウルトラQ」のペギラやケムール人が怖くて怖くて・・・でも大好きだったんです。ご両親はバツの悪い思いをしたかもしれないけれど、はたから見ると実に微笑ましい光景でした。
 「ミニチュア特撮は、やっぱりいい!」
 そして、シネマスコープのスクリーンに今映し出されている映像とよく似た光景を、近い将来見ることになるかもしれない・・・なんて想像までしてしまいました。立川の防災館で、地震の映画を見たからかな?


(左上)三つ目通りを歩いていくと、オロネ25寝台車が・・・。客車を利用したギャラリーのようです。
(右中)東京は川(運河)と橋が魅力の都市です。末広橋だから、欄干も扇型に広がっている?
(左下)木場公園内の東京都近代美術館。モダンな入口です。国立からだと、遠いのが玉にキズ。


 『巨神兵東京に現わる』に使われたオープンセット。ここだけ撮影可能で、セットの中に入ることができるのですが、このとおり長蛇の列ができていて、ニワトリさんは諦めました。


セットを破壊する小学生(嘘)。

縮尺は何分の一? 凄い作り込みです。


 違う縮尺で作られた室内。懲りすぎです。信じられません。ベランダの向こう側に顔を出して、セットと記念撮影ができます。ここでも長蛇の列が・・・。
 さて、すっかり舞い上がった状態で出口に向かうのですが、会場を一歩出たところで、無数のお土産グッズが待ち構えていました。ニワトリさんは無事通過できるのでしょうか?
 続きは今夜・・・。


館長庵野秀明 特撮博物館

2012-07-23 09:53:33 | 美術館&博物館など




 この一週間は、テレビを沢山見てしまいました。暇つぶしにはもってこいでしたが(痛みがまぎれる点でも)、こんな場所がまだ地球上にあったんだという驚きに満ちた「体感グレートネイチャー 封印されたダイヤモンドの大地」や、いますぐ山登りに行きたくなる(北岳&苗場山だったら、自分でも行ける?)「首都圏スペシャル 夏山へGO~」に、「相棒」の再放送とか、土曜(火曜)サスペンス劇場まで楽しく見てしまいました。そして休暇?の最後の日になる日曜日に録画した「館長庵野秀明 特撮博物館スペシャル」が、とどめの場外ホームランというか、花火大会のラストを飾る華麗な打ち上げ花火になってくれました。

 私のようなウルトラマン世代(自分の場合、マンよりもセブンのウエイトが高いのですが)には、懐かしさのあまり涙なしでは語れない?ミニチュア特撮の世界。最近はCGが肩代わりしていますが、(クリント・イーストウッドのような使い方をされたら本物としか思えないけど・・・)殆どのCGは特撮云々以前に、主人公にだけは絶対に当たらない弾丸や、「ハリウッドガラス(正体は水あめ)」に代表される派手だけどあり得ないアクションをCGでさらに推し進めたことから、逆にリアリティを著しく欠いています。
 ピーター・ジャクソンの『キングコング』には大変期待していたのですが、アクションシーンの特撮には失望しました(ヒロインの立ち位置も)。ジャクソンのキングコングは表情も豊かで、驚くほどリアルでしたが、1976年の機械式実物大『キングコング』や、ストップア二メーションで動いていた1933年の『キングコング』の方が親しみやすいというか、偽物なのに生命感に溢れていて、さらには「これってどうやって撮ったのだろう」という興味まで抱かせてくれるのです。
 特撮におけるリアルさとは、偽物をいかに(本物)らしく見せるかという点に尽きていて、それが模型であっても実際に動くことや破壊されることに特撮マンたちの情熱や技術が注がれています(そのための技法や工作に興味を持つようになると、さらにディープな世界が待っている)。もちろんCGも、人が作っているのですが、あくまでもバーチャルでモノが見えないせいか、どうにも興味を覚えません。アナログ世代とデジタル世代の感性の差かもしれませんね。
 でもまあ、この際ごたくなんか、どうでもよかとです! この番組を観たら、今すぐ東京都現代美術館に馳せ参じたくなりました。10月まで開催されているので、絶対行くぞ~♪

 特撮関係者75人が選んだ「特撮ベスト10」も、文句なしの順位でしたね。個人的には、『北京原人の逆襲』(77)を三位に挙げたいところ(一位『ゴジラ』は不動として、自分は『空の大怪獣ラドン』が二位になる)ですが、残念ながら10位以内には入っていませんでした。『北京原人の逆襲』の一番の見どころのイヴリン・クラフトは特撮じゃなくて女ターザンだけど、香港の街並みを再現したミニチュアセットは、ほんと凄すぎます!
 早くも飽きられてきた3D映画に代わって、手間と暇はかかるけど昔ながらの特撮映画が見直されてくれないかなあ~。
 
  東京都現代美術館の特撮博物館の公式HPは、 → ここをクリック

 さあ、今日から仕事復帰です!


真珠の耳飾りの少女 ~マウリッツハイス美術館展

2012-07-08 23:06:06 | 美術館&博物館など


 7月6日の金曜日に、「マウリッツハイス美術館展」に行ってきました。
 マウリッツハイス美術館は、オランダのハーグにあります。厳選された17世紀フランドル絵画の名品と、これらの美術品を収めたマウリッツハイツ(が住んでいた建物を美術館にして1822年に開館)の素晴らしさから、「美術館の宝石箱」と称えられています。
 マウリッツハイスと比べるのは酷だけれど、ニワトリさんお気に入りの東京都美術館のリニューアルオープンを記念して、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」らの絵画の宝石が一同に集まりました。点数はそれほど多くはないのですが、どれもこれも素晴らしく、時間が許す限り鑑賞したい美術展でした。(生きているうちは)もう二度と観る機会は来ないでしょう。9月17日の最終日までに、もう一度訪ねるつもりです。

 気になるのは混み具合ですよね。開館時間(9時半)前に並びたくなかったので、10時に着くように家を出ました。すでに入場制限がかかっていて結局並ぶ羽目になったのですが、20分で入場できました。待っている間は、「真珠の耳飾りの少女」にまつわるエピソードが記された小さなパンフレット(イメージキャラクターの武井咲が扮したコスプレが笑える?)を読んでいたり、ところどころに設置されたハイビジョンの画面に映されたマウリッツハイス美術館の紹介(約2分間)を繰り返し眺めていたので、それほど待たされた印象はありません。
 場内は確かに混んではいるのですが、入場制限をかけているだけあって、絵の前に佇むことが可能です。ただ一点、「真珠の耳飾りの少女」以外は・・・。
 この絵の前には、人々が折り重なるように長い列を作っていました。絵の前に立ちたければこちらに並ぶよう、肩越しで構わないならそのまま進むよう、係員が案内しています。まあ一度は前に立ってもいいかなと思って、待つこと20分・・・。確かに絵の前に立てましたが、「立ち止まらないでお進みください」の声に急かされ、数秒でおしまいです。打ち上げ花火よりはかない鑑賞は、かつての「モナ・リザの微笑み」や「上野動物園のパンダ」を懐かしく思い出させてくれました。
 そのまま移動せず、すかさず「肩越しに観る」列の後ろに立ちました。前にいる人次第だけれど、5分もせずに一番前まで進めます。ここから「肩越しに観る」わけですが、敵(じゃないけど)は「立ち止まれない」から、八割がた絵と正対することが可能です。結局、「肩越し」で三回も、「真珠の耳飾りの少女」を観てしまいました。照明が暗いため、この位置からだと油絵具の経年変化(ひび割れ)が逆に目立たず(リアルでないと言えばそうなるが)、でも「真珠の耳飾り」が白い絵具を数回乗せただけで表現されていることを確認でき、少女の唇の端に光る白い点もちゃんと見えたので、鑑賞するなら断然「肩越し」をお勧めします。


 クラウドゲートほどではないけれど、東京都美術館入口にある不思議な球体。しばらく前に佇んでいると、誰もカメラのフレームに入らない瞬間が来ました。この大きさだとわからないでしょうが、球体の中心にニワトリさんが写ってます・・・。


 余計なものは買うまいと誓ったのに、図版をはじめ8130円も使ってしまいました。昼食はワンコインランチ(麻婆豆腐定食)で済ませたけど、入場料込みで一万円が消える現実・・・。

 追記: そうそう、ニワトリさんが美術館を出た正午過ぎには、待ち時間の列が一時間になっていました。最初に並ぶのは承知の上で朝イチで入るか、ウィークデイの夕方以降を狙うのもいいかもしれません。


福島尚さんの鐡道画!

2012-04-28 22:30:55 | 美術館&博物館など

 少し前に帰宅しました。今日は暑かったですね~、日焼けもしました。酔っていないのに、ヘロヘロです。夕食を作る気にならなかったので、馴染みの店で300gハンバーグを食べてきました。
 指折り数えて待った30日が二日後に迫りました。長いようで、短かった? 今日はこれから休んで、明日は引っ越しのお手伝いと部屋の片づけを同時進行させましょう。大変だけど、頑張るぞ~♪

 ところで、今日出かける前に(例によって)『梅ちゃん先生』を終わった後、テレビをつけっぱなしのまま(節電は?)掃除をしていたら、あるものを見て完全に手がとまり、テレビ画面に目が釘付けになりました。
 あるものとは、自閉症の画家=福島尚さんが描いた鉄道画です。最初は鉄道写真かと思いました。これっ、凄過ぎます!

 超絶ディテールと繊細極まりないグラデーション・・・作品はアクリル&水彩で描かれています。ニワトリさんは、あっけにとられて作品に見惚れていたのですが、制作中の様子が映し出されると、冗談ではなくテレビの前に正座しました。福島さんは、絵を現場では描きません(鉄道車両は静止してくれないし・・・)。何度も現場に足を運んでとことん観察し、その記憶だけを頼りに絵を描くのだそうです。
 完成図が脳裏に浮かんでいるのでしょうか? 下書きなどせずいきなりキャンバスに筆を走らせます。直線を引くのに定規も使いません。全てフリーハンド! ニワトリさんなんか、定規を用いても真っ直ぐな線が引けなかったのに・・・。これはもう、ゴッドハンドと呼ぶべきでしょう。
 福島さんは、鉄道模型とジオラマ(建物など)も作ります。こっちも凄いな~と思いながら見ていたら、何とまあこれらの精密模型は全て紙でできていました。アンビリーヴァブル!

 そんなわけで、次の休みに福島さんの個展を見に行くことにしたのですが、残念ながら今日(28日)が最終日でした・・・。「もっと早く教えてよ」と言いたいところだけれど、今回は知っただけで良しとして、次回の個展は必ず観に行きます。その節は、福島さんの鐡道画を幾つかブログで紹介できるかもしれません。
 たった今、そして題名でも「鐡道画」と表記しましたが、福島さんの絵は「鉄道」よりも「鐡道」の文字が似合いますね~♪

PS.鉄道と言えば、駅弁。駅弁って、何であんなにおいしいのだろう? 昨日の夜、NHKで駅弁の特集番組がありました。疲れてたので見るつもりはなかったのに、結局最後まで見てしまいました。まぐろステーキと松坂牛・・・うまそうだけど、ちと遠い。「いすみ鉄道」の伊勢海老弁当は無理でも、国吉駅で見た里山弁当なら近いうちに食べられるかも?

 

 


『デューラー展』 ~木版&銅版版画の魅力

2010-11-29 11:13:00 | 美術館&博物館など


 2010年の『クレイジーズ』は、ノンストップ・アクションホラーですが、精神的にはかなり重苦しい作品でした(レビューは後ほど・・・)。後味の悪い思いをひきずったまま、ニワトリさんには似合わないヒルズをそそくさと後にして、日比谷線で上野に向かいました。国立西洋美術館で開催中の『デューラー展』を鑑賞するためです。
 極楽トンボな暮らしをしているように見えるかもしれませんが、一日に複数のことをするのはわずかでも交通費を軽減するためで、好き好んで映画のはしごをしているわけではありません。少しでも安く見るため「~会員」になったり、チケットショップに寄って特別鑑賞券を買っていくし、基本的に昼食は抜き!です。この日も何度か誘惑にかられましたが、我慢しました。ひもじいよ~♪


 今回の目玉の一つ(というか、純粋な宗教画はあまり興味がないので)が、このサイの版画でしょう。銅版画だと思っていましたが、木版画だったんですね。実物を見ずに描いたそうですが、あたかも甲冑を着ているかような想像力が素晴らしい! インドから連れてこられたサイは、輸送中に皮膚病にかかって黒班ができてしまい、それを模様だと絵師が勘違いしたとか・・・。同時代の博物学の大家コンラート・ゲスナーの『動物誌』の「サイ」の項でも、アルブレヒト・デューラーのオリジナル版画を忠実にコピーした絵(版画)が掲載されていて、以後数世紀にわたって、サイは甲冑を着ている動物だと思われていたそうです。


 今回は展示されていなかったけれど、「サイ」と並んで有名なのが、野兎の素描。原画を元に彫られた手彩銅版画の美しさはこの世のものとは思えず、現代のオフセット印刷は足元にも及びません。


 『神聖ローマ帝国マクシミリアンⅠ世の凱旋門』は、49枚の版画から構成される高さ3mの大作です。凱旋門の表面に描かれた彫刻には、皇帝の生涯を追った絵巻や、マクシミリアン家の系図、象形文字の謎解き、暮らしぶり、その他もろもろがびっしり描かれていて、ちゃんと読もうと思ったら三日ぐらいかかるでしょう。これも木版画なのだから、驚き桃の木!!
 それにしても、銅版画&リトグラフの精微さには恐れ入りました。荒俣さんがこの世界に魅せられたのもわかります。あまりに細かいため、眼鏡を外さないと焦点が合いません。ローガンがここまで進んでいるとは・・・少し悲しくなりました。でも、この日のお客さんは、右を見ても左を向いても、知的で清楚な感じの美人ばかり! 版画より彼女たちを眺めていたのと噂も? 割合空いていたので、じっくり作品と対峙することができました。


 

(左)優れた建築物でもある国立西洋美術館の入口右横の巨大な彫刻。ダンテの『神曲』に登場する「地獄の門」を表現している・・・と、私の横で一人の方が十数名の仲間に解説していました。西洋美術館は常設展も素晴らしいので、時間の許す限りお立ち寄りください。ルノワールやモネ、藤田 嗣治も展示されてます。企画展ではデューラー展に合わせたのでしょう、19世紀のモノクロ版画が特集されていて、かなり見ごたえがあります。ルドンも展示されていました!
(右)あんこさんのブログでも触れていた近くの銀杏の樹。逆さハートか、クローバーか。モンブランか焼き栗が食べたくなりました!

国立西洋美術館の公式HPは、 → ここをクリック


『ルノワール展』 ~色彩の人

2010-02-27 23:54:10 | 美術館&博物館など


 お昼ごろから雨との天気予報に、同じくお昼ごろからオリンピックの女子フィギュアスケートのフリー演技がテレビ中継されることから、今日(金曜日)は空いているに違いないと思い、六本木の国立新美術館で『ルノワール展』を観てきました。
 10時半頃に会場着。入口付近は混んでいましたが、その理由は、そこに今回の目玉作品になる『団扇を持つ若い女』『アンリオ夫人』『アルジェリアの娘」『シャトゥーのセーヌ河』『ブージヴァルのダンス』などが展示されていたからで、その以外の絵とは一対一で対峙できるほど空いていました。全体を回ってから最初のブースに戻ると、結果的に出色の出来だった『団扇を持つ若い女』や『シャトゥーのセーヌ河』とも一対一で向き合うことができ、その意味では大変満足しました。何度も行ったり来たりして、5000歩ほど歩いてしまいました。
 惜しむらくは、海外の作品が思ったより集まっていなかったこと。大阪のみの展示となる『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)』あたりは、(あまりにも有名なので)観られなくて悔しいと全く思わなかったけれど、もう少し揃えてほしかった。
 確かに、ルノワールほどの画家になると、世界各地の美術館と交渉して目玉作品を一同に集めるのは難しいとは思うけれど、オルセー美術館から数点でも借りられたら、もう少し華やかな作品展になったと思います。
 それにしても・・・ルノワールの総作品数は4000点を超える、と言われています。今回のルノワール展は初めて目にする作品が非常に多く、その意味でもなかなか楽しかったです。ルノワールといえば、何といっても、豊かな色彩と筆使いが素晴らしく、前述の作品に加えて『縫物をする若い女』『レースの帽子の少女』や、『薔薇』『アネモネ』『苺のある静物』など、いつまで眺めていても飽きません。
 ルノワールは幸福な画家とも言われているけれど、その資質は幸福な映画作家=ジャン・ルノワールと、撮影監督=クロード・ルノワールとして、息子たちに引き継がれました。
 ああっ、ルノワール(オーギュスト)の絵画『草原の坂道』と、ルノワール(ジャン)の映画『草の上の昼食』を、もう一度観た~い!

 『ルノワール ~伝統と革新』の公式HPは、 → ここをクリック

 国立新美術館では、五美術大学合同の卒業制作展示会が開催されていて(入場無料)、なかなか楽しかったです。27日からは、近くの「富士フィルム」で中村征夫さんの水中写真展「海中散歩」(これも入場無料。準備中だったので、外からチラッと拝見)も開催されていますので、これらも合わせると非常に割安感がありますね~。そうそう、女子フィギュアは、キム・ヨナ選手からリアルタイムで見ることができました。素晴らしかった~♪