LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

12月名古屋ミーティング(いなべ市)報告

2023年12月08日 | Weblog

2023年12月4日(月)名古屋ミーティング シビックコア棟会議室

 

トランスジェンダー当事者 3名

Xジェンダー当事者 1名

性別が定まっていない当事者 1名

当事者の親 5名

産婦人科医 1名       計 11名

 

今回のミーティングは、自己紹介の後、当事者グループと親&アライグループに分かれて様々な話題について話し合うことができました。

 

【親&アライグループ】

・小さいころから、親子でいつも話していたので、子どものことを信頼していた。「この相談会に連れてってほしい」と言われた時に、信頼していたので、子どもだけで行って思いっきり話してきたらいいと思っていたが、親の交流もあったので、参加した。「子どもが親不孝している」と考えていると思うと涙が出る。親は子どもを授かったこと、今までかかわりの中でたくさんの幸せをもらった。自分の人生を歩いてほしい。

 

・子どもの気持ちを受け止めたいが、理解しがたいところもある、今のままでいてほしい。母と息子の関係には説明できないつながりがあると思う。

 

・自立してほしい。

 

【当事者チーム】

〈学校生活・学校での人間関係について〉

・高校で、体育とか、保健の授業とかは男女で分けられる。「体育は出なきゃいけない回数だけ出て。」と言われるけど出ていない。学校の方が気づいてくれて、「男の子の方に行っていい。」と言われたけど。友だちがいるわけでもないし、能力が高いわけでもないから男子の方にも行けない。

 

・体育は、苦手チームと得意チームで分けられることもあったけど、バスケとかは男女で分けられた。音楽は、そもそも席が男女で分けられる。英語も、友だちを紹介する活動で、「He」と呼ばれるのが嫌。昔は技術と家庭で男女分かれてたと聞いて最悪だと思った。

 

・中学校までの人間関係は、卒業したらきっぱり切るつもり。別の自分として生きていく。

(→当事者がそのようにしないといけない現実を、私たち大人や学校はどうとらえるのか。まわりの人間がこの現実を受け止めて、その子たちがそうしなくてもいい社会を作っていかなければならない。)

 

・体育祭で、競技によって女子何人、男子何人というのが決められている。学校に言って、男女混合で競技するようにしてもらったら、「女の子がけがする」など、保護者からクレームがあったらしい。

 

・私服登校の中学校だった。制服でもよかった。みんな割と普通の格好で来ていた。

 

〈性表現や自覚について〉

・手術をして、戸籍も女性に変わったけど、男っぽいところもある。自分が気にしてるけど、人はあまり見てないということに気づいた。当時、女性の格好で病院以外にご飯食べたりとかしたけど意外と大丈夫だった。父親は、元々の性別が男だと分かってバレた時にいじめられてほしくないという考えを持っている。

 

・人のことを気にして、「いい子」を演じなくてもいいと思う。したい格好をしたらいい。

 

・小学校4年生の時に、テレビでLGBTのことをやっていて、「あ、これだ」と思った。

 

・自分の場合は性別で型にはめられるのが嫌で。自分が男性であるという抵抗感を感じてて、かといって女性になりたいかと言うとそうじゃない。まわりに女の子が多くて、そっちの方が生活上合っているのかなと思った。性別がどこにあてはまるのかというと、「勝手にみんなで判断してください」って感じ。どうでもいいかなと思う。性別に「男」「女」「エイリアン」とあったら、「エイリアン」を選ぶと思う。深く考えていない。悩んでいた時はすごく悩んでいた。苦しかったのをどうやって抜け出したかと言うと、やりたい目的、こういう格好したいとか、そこを全部やりたいことやっちゃうと、納得がいってこうなる。ここが一番生きやすい、なりたいラインだなと思って。好きなファッションとかあっても、それが着たいとなって、毎日着るとする。でもそうすると、もういいやとなる、みないな感じ。一回やりきって、そのあとは、過ごしやすいし自分のままでいる。

 

・自分は手術が今の目的。成人が18歳に成人が下がったのはありがたい。中学校のこと考えると、あと1年もあるんだなと思う。

 

・性別は定まってないけど、体の違和感はある。声が嫌。お風呂入る時に、自分の身体が華奢なのも嫌。

 

〈生理・治療について〉

(医師より)・生理は子どもを産むための準備だけど、中高生、毎月準備はいらない。今はいいということで、子宮内膜が分厚くならないようなホルモン剤を服用することはある。中学生なども使っている。「成長に悪いんじゃないの?」と言われることもあるけど、ホルモン剤使うことによって、成長ホルモンが止まるなどそういうことはない。月経困難症かどうかというのは、1クールに2.3回以上も鎮痛剤を使うとか。生理は、ご飯食べて便が出るというのと同じレベルの生理的なこと。生理的なことに対して痛み止めを使う、痛み止め1クールに2回以上飲んでるとか、1か月で1箱12錠全部なくなるとか。生理の時にずっと保健室で1日寝てる子とかには、月経コントロールの話を親にしてあげた方がいい。

 

(医師より)・病院にかかりたいと言う子がいるけど、「なんのために受けるのか」が大事。将来的に例えば胸が出てきて嫌とか。それなら二次性徴抑制ホルモンもある。体はどうでもいいと思うのであれば診断はいらない。基本は、18歳以上だけど、2年以上病院で診てもらっていて自認が強いなど、違和感が体に対して強かったら使える。自分が生まれた戸籍の性別ではちょっと生きにくいとかであれば。

 

(医師より)・ホルモン療法では、外見が少しずつ変わってくる。ホルモン剤で納得する人もいる。次の段階で診断。診断しながらホルモン療法をして、自分は下がついてるのがしんどいとか生活のQOLが十分でないとかとなれば、判定会議が開かれて手術しないとしんどいなとなれば診断。岡大はしっかりしている。精神科、婦人科、泌尿器科、ソーシャルワーカー様々な立場の人がチームを組んで話し合われる。ただ、ホルモン治療した時、外見が変わったときに、まわりから、「どんどんこの人変わって、精神的におかしいんじゃないかとか思われてしまうことがある。そうじゃなくて、家族、学校、職場、まわりのみんなで変わっていくことが大事。男女変わるということは、別人格になるぐらい、それぐらいの大きな変化がある。1人だけで変わってはいけない。

 

〈カミングアウトについて〉

・カミングアウトの反対はクローゼット。クローゼットっていうのはタンスの中に入っている状態。なんで入っているかと言うと、日本は男島と女島しかない、その中で住みにくいからクローゼットにいる。日本でも多様性が保証されているところやったらカミングアウトしたらいい。外に出たら、「なんですかその格好」など揶揄されたり、ねちねち言われる、そこにカミングアウトする必要がありますかということ。親に言いたいと思ったら事前に試験をすることが大事。同性婚訴訟のことが新聞とかに載っているけど、「同性婚を認めないのは違憲とかって言うけどどう思う?」とか聞いてみる。「なんやそれ、意味分からん」「気持ち悪い」と言う親ならカミングアウトはやめといた方がいい。手術要件のこととかも、「そういうのどう思う?」とか聞いてみるといい。その状況によっては、まだまだクローゼットの方が安心な場合もある。

 

次回1月15日(月)

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 11月鳥羽ミーティング報告 | トップ | 12月東京ミーティングの報告 »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事