カウンセリングルーム 横手(三鷹)しゃべりば

個人カウンセリング
グループカウンセリング
学習会
ひとりごと等
(見たいカテゴリーを、クリックしてください。)

友罪

2018年05月29日 05時21分50秒 | ひとりごと
“ 抑えきれない衝動、
どこに向かえばいいのか、だれに向ければいいのか
わからない。
抑えて抑えて、抑えきれずに罪を犯し深い闇に入った。”

大なり小なり、だれの心の中にもきっとあるはず・・・

闇の深さと重さに10年、17年経とうと悩まされ、夜な夜な、うなされる。
どんなに他人から殴られようとも抵抗しないどころか、殴られた以上に、今度は自分で自分を傷つける。
それでも、犯した罪からは1日たりとも逃れることができない、
かつての少年A・鈴木。
そんな時、自分と似たような眼をした少年を知るという、益田に出会った。

彼もまた深い闇の中にいた。
自分以外は、誰一人罪を犯した(?)ことを知らないどころか、褒められる始末。
友を自殺に追いやったのはこの自分なのだ!と言いたくても誰にも言えず、闇の中にいた。
やっと鈴木になら打ち明けられると思った矢先、今度は彼を陥れてしまう。
何一つ望んでいないはずなのに、結果として鈴木の過去が、居場所(今)が明かされてしまう。
今度も自分は安全な場所にいて、友だけが追い込まれていく。

お互い、闇に背をそむけては生きてはいけないところまで追い込まれ・・・
たどり着いた場所があった。
そこで二人が見たものとは・・・。

二人を取り巻く人々の闇もまた、圧巻であった。

とりわけ、左藤浩市演ずる山内の行いには、胸が押しつぶされそうになった。
父親として、被害者の親に謝りに行っては罵倒される日々。まるで、罵倒されることを選んでいるかのような人生。
人様の子どもを殺した息子(交通事故で、3人の子供を殺してしまう)が結婚し、子供まで授かることがどうしても許せない。
自分の家庭を解散してまでも息子の罪を償おうとする姿勢に、言葉が出てこなかった。
父親として、一人の人間としての覚悟の強さに圧倒された。

覚悟といえばこれは演じた役者一人ひとりの、覚悟の映画であったと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする