映画「光」を見て来ました。
推敲という慣用句があります。唐の詩人賈島さんは詩を作っていて門を「推す」か「敲く」かで悩み抜きます。この映画は目が不自由な人のために音声ガイドの原稿を作る女性と次第に見えなくなっているカメラマンとのお話です。映画のガイドの原稿を読んでモニターの人に聞いてもらうのですが、やたらカメラマンの中森が厳しい意見を言って来ます。全部情景の説明を入れたら押し付けがましい。想像にまかせて感情を省いたら怠惰だと。特にラストの情景の説明が決まらずに四苦八苦します。
淡々とした美しい映像なのですが、タイトルがぼんやりしているなと。綺麗な夕日や部屋に差し込む光に窓辺に吊るしたガラスが反射してキラキラしていたり、失われていく美しい光がテーマなのだろうとは思うのですが、にしても光とは安直なと思いながら見ていました。が、最後、いきなり腑に落ちました。なるほどだからか。言葉には力があります。そういう映画でした。
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