エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

あわあわとしたきみのイマージュ

2011年03月08日 | ポエム
雪にたれこめられた一日、様々な欲望を捨象してぼくは瞑想した。



赤いシクラメンの花も雪に埋もれた。



黄色のビオラも雪に縮んだ。



竹林の側道を散策するかのようにぼくの瞑想は始まった。
あわあわとしたきみの肌に触れながら、暖かい瞑想に入ったのであった。





        あわあわとしたきみに


      触れると溶けてしまいそうなきみの肌に
      ぼくは埋もれてしまった
      だがしかしそれは殆ど無我の概念であって
      きみは実在するのではなく
      形而上の存在である

      きみはあわあわとしていながら
      ぼくの頭脳の中に焦点を結ぶ
      その焦点は像を結べるほど鮮明であって
      次々と焦点を結ぶのであるけれど
      捨象されてしまうのである

      形而上のきみは
      確かに触れると溶解してしまう
      溶けてしまい甘美な液体となる
      そこは水場となって
      蝶々を呼び集めるのだ

      ぼくの瞑想はあわあわとした肌触りである
      きみの肉体を包む肌は
      あわあわとして溶け始めている
      夢を紡ぐかのような触れあいの時間は
      弱々気に打ち震える末梢神経の優雅なしなりである






だがしかし、きみのイマージュはこの薔薇の花である。
ぼくにとってきみは中枢神経であって、脈打つ動脈のダイナミズムである。





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                     荒野人


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