
冬枯れの空へ
冬になると気づくのだ
樹木の枝が天をデザインして
その葉が天を覆い隠していると
枝の一つ一つが一閃を画すとき
たちまち
天は空となって高く高く飛翔していく
そして枝は梢に収斂され聳え立つのだ
初冬は
見るもの全てを先鋭化させる
先鋭化させつつ
時空にいたずらする
存在を知覚する生物は
五感で応づる
五感は痛点を突出させ
存在をさらけ出しつつ退化する
先祖返りする存在は
彼岸の彼方へと自らを投影しつつ
地団駄を踏むのかもしれない
森羅万象に畏怖する実在は
初冬の厳しい環境に規定され
やがて解体されていくのだ
という
立ち止まるな
立ち止まらずに進め
季節の女神の微笑を夢見て

我が家は23区といいつつも、野鳥が飛来する。
尾長鳥、メジロ、などは季節の度に出会えるのである。
今日はヒヨドリに出会えた。

鋭く鳴いて飛び立っていった。

荒野人