エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

風花の一日

2013年02月20日 | ポエム
昨日は一日風花が舞った。
ときに、あえかに。
ときに、激しく。

けれど、いくら舞っても積もることはなかった。
風花たる所以である。



昨日は、出かける時にコンデジ(コンパクト・デジカメ)一代だけ持って出かけたのであった。
従って、風花の風景しか撮れなかった。
風花の正体を捉えられなかったのである。
残念としか言いようがない。

しかし、風花の句は詠めたのであった。
ぼくが捉えたのは「風花の風景」である。







「風花や脈拍早く息を吐き」

「風花や頬にあたれば溶け入りぬ」

「途切れ無く素早く走る雲の群れ」

「風花や舞いつつ乾くトタン屋根」

「風花の過ぎる窓辺の昏き空」

「時に舞い時に現の風の花」







川の面は、あくまでも清らかに在って流れるのであった。
風が止み、風花も止み・・・静謐の時間となった。



空を見上げると、多聞に洩れず奥行きのある雲が漂っている。
雲を見て歩くと、雲はズンズン遠のいていって、なかなか近づけない。
映画スターウォーズのエンディングのようである。
あるいは、炎天下でのアスファルトでの体験のようでもある。
そう、逃げ水の感覚である。



不思議な感覚であった。
とまれ、冬の雲である。

この雲から風花は落ちて来たのだ。
どんよりとした色彩だけれど、邪まな気持ちは無い、澄んだ灰色であった。



      荒 野人


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