エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

厳頭に・・・華厳の滝見ゆ

2012年06月06日 | ポエム
華厳の滝。
実に壮麗にして、魔力に満ちた滝である。



明治36年(1903年)5月22日、まだ18歳だった一高生の藤村操がこの滝の近くにある樫の木を削り、「巖頭之感(がんとうのかん)」と題する遺書を残して投身自殺した。
結果として、華厳の滝は自殺の名所として知られるところとなったのであった。

藤村 操の遺書

「ホレーショの哲學竟(つい)に何等のオーソリチィーを價するものぞ、
萬有の真相は唯だ一言にして悉す、曰く「不可解」。
我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
既に巌頭に立つに及んで、
胸中何等の不安あるなし。
始めて知る、
大いなる悲觀は大いなる樂觀に一致するを。」







  厳頭に向かう流れの若葉かな  野人



  流るるや曰く不可解目に青葉  野人







華厳の滝を中心として、日光全体がパワー・スポットとなっている。
そのパワーをとどめるのは、ご神体である「男体山」である。



留め蓄えるのが中禅寺湖である。



人生、曰く不可解。
藤村の残した遺書の大意は、今も尚若者の心を打つのである。



自から生命を断つ事を評価したり、憧れたりはしないけれど・・・。
その哲学的思考の深さに感服する。




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  荒 野人


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