平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒16 300回記念SP~「あなたは美しい。目を奪われました」 感情は時に理性を凌駕する

2018年02月01日 | 推理・サスペンスドラマ
 理性と感情の物語だった。

「あなたは美しい。目を奪われました」

 常盤臣吾(矢野聖人)はロシアのスパイで殺し屋。
 合理的なプロフェッショナル。
 だが、社美禰子(仲間由紀恵)を好きになってしまい、ムダな殺しをしてしまった。
 その殺しで罪の意識が芽生え、供養したいと思いから埋めた遺体を掘り起こし、事件を発覚させてしまった。
 不合理でプロにあるまじき行為だ。

 社美禰子も国のために働く理性的・合理的な警察官僚だった。
 だが、ロシアのスパイ・ヤロポロクに恋してしまい、キャリアに傷をつけてしまった。
 常盤臣吾もそうだが、人間の感情というのは時に理性を凌駕するのだ。
 恋愛、怒り、憎しみ──これらの感情は人から理性を奪う。

 このテーマは次のシーンで象徴的に語られる。

 ヤロポロクの死を知って警視庁の部屋の中でひとり号泣する美彌子。
 だが、次のシーンでドアを開けて部屋から出てくる美彌子はキリッとした理性的な顔。
 美彌子はふたたび理性的な自分を取り戻した。
 感情に流されないで生きていく決心をした。

 この決心はどうなんだろう?
 美彌子はこれで幸せなのかな?
 彼女の心からヤロポロクはいなくなってしまったわけだし。

 ………………

 さて、『相棒』300回記念ということで大々的に告知された今回のエピソード。

 ちょっと尻すぼみかな。
 結局、個人の感情レベルの事件に着地してしまった。
 今、僕はF・フォーサイスのスパイ小説を読んでいるんだけど、アイディアもスケール感も全然、違う。

 最後まで常盤臣吾の心情がわからなかったしね。
 瀬戸内(津川雅彦)に「出所したら帰ってこい」と言われて臣吾は救われたみたいなんだけど、僕には伝わらなかった。


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