平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ライアーゲーム 第1・2話

2007年04月23日 | その他ドラマ
 互いにウソをつきあってお金を奪い合うライアーゲーム。
 まず面白いのは、主人公にそんなライアーゲームには全く不似合いな“バカ正直のナオ”神崎直(戸田恵梨香)を設定したことだ。なにしろ直は100円の落とし物を届け、いたずらのデートで待つこと5時間、落とし穴に落ちること数十回のバカ正直。
 そんな彼女がなすことがトラブルになって事件や傷口がどんどん大きくなっていく所がいい。第1話では中学時代の担任教師の藤沢和雄(北村総一朗)だった。藤沢の元へ向かった直は藤沢の預かるという言葉を信じて1億円を預けることに。第2話では藤沢にお金を返したこと(直は「人間を信じないなんて、そんな哀しいことを言わないでください」と言ってお金を返す)で5000万を払っての棄権ができなくなり、警官の谷村光男(渡辺いっけい)に騙されて2回戦への参戦することになってしまう。
 ストーリーがキャラクターを動かすのではなく、キャラがストーリーを動かしている感じだ。
 天才詐欺師・秋山深一(松田翔太)の立ち位置もいい。
 直を助ける王子様の役回り。
 視聴者は窮地に陥る直にハラハラして感情移入する分、秋山の緻密に計算されたお金を奪う方法に驚かされる。秋山がヒーローに見える。
 主人公が暴れ、脇役が助けてフォローする。
 そんなキャラクターの図式がこの作品にはある。

 さて第1・2話のドラマの焦点は藤沢の1億と直から騙し取った1億をいかに奪うかということ。2億円の在処といかに金庫を開けさせるかが焦点になる。
 それはまさに心理戦。
 自分は有利で絶対に2億円を守りきれると考える藤沢と絶対に奪えると言い切る秋山の「認知的不協和」を利用した心理戦。
 以前あったクイズ番組「ザ・チーター」や今の形ではない「ヘキサゴン」などは駆け引き・心理戦のクイズ番組だったが、この「ライアーゲーム」はそのドラマ版と言える。
 恋愛ドラマ、刑事ドラマ、ホームドラマなどとはまったく異質な新しいジャンルのドラマであるとも言える。
 今後も同様のドラマが作られていくのではあるまいか?
 また、秋山の打つ手に二の手・三の手があったり、ゲームの期間というタイムサスペンスもある点は、この作品をハラハラドキドキのエンタテインメントにしている。

 そして第2回戦。
 2回戦は1回戦を勝ち抜いた22人に拠る負け抜けゲーム。
 1話とは違ったゲームでしかも敵も一癖も二癖もありそうな連中というのが工夫してある。より強い敵を主人公と闘わせるというのは少年ジャンプの作劇手法だが、ヤングジャンプ連載のこの作品でもそれは活かされている。
 また第2回戦への持って行き方がうまい。
 直の様な子なら二度と「ライアーゲーム」に参加しようとは思わない。
 ではどうやって2回戦に参加させるか?
 ひとつは棄権料5000万円というカセ。
 もうひとつは警官に騙されるという罠。
 実に巧みでうまい。

★追記
 時間経過を現す方法として、第1話では熱帯魚が使われた。
 最初、秋山は「熱帯魚の飼い方」という本を読んでいる。しかし、別の日には水槽に水を入れ、また別の日には熱帯魚に餌をあげている。



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