平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

麒麟がくる 第16回 「大きな国」~道三の光秀への遺言 「大きな国をつくれ。信長となら、そなたはやれるかもしれん」

2020年05月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 道三(本木雅弘)VS高政(伊藤英明)
 戦雲高まる美濃!
 いくさを避けようと奔走する光秀(長谷川博己)。

 登場人物たちの思いが錯綜し、ぶつかり合うのが大河ドラマなんですよね。

 光安叔父(西村まさ彦)も叫んだ。
「あの高政ごときにわしの命を預けようとは思わぬ!
 道三様のためにひと踊りいたそうぞ!」

 当初、光安は酒席で踊りを踊り、高政に迎合しようとした。
 高政はこれを笑って「踊りの達者なお方だ」
 しかし、領地替えが光安を吹っ切らせた。

 ていねいな人物描写だ。
 明智の土地を守れなかった自らの非力・無力も吐露した。
「道三のための踊り」と「高政のための踊り」を掛けているのもいい。
 …………

 光秀、帰蝶(川口春奈)、信長(染谷将太)のくだりもよかった。

 帰蝶は高政に怒りをぶつけ「弟たちをもとに戻して返せ」と叫ぶ。
 光秀はこれに対して帰蝶の浅慮を責めた。
「高政様を追い詰めたのは帰蝶様」
「美濃のことは美濃に任せてほしい」
 信長も帰蝶に対して
「明智の申すことは正しい」
 現状では道三を助けにいけない信長。
 彼は対立を煽れば道三が逆境に陥ることをわかっている。

 いいですね、この三人三様の思い。
 山あり谷ありで、視聴者はスリリングな会話を愉しむことができる。
 帰蝶は帰蝶で、伊呂波太夫(尾野真千子)を使って道三を救う道を模索し始めた。
 帰蝶様、なかなかしぶとい。

 風雲急を告げる美濃の情勢に駒ちゃん(門脇麦)も動き出した。
「菊丸さん、わたしを美濃に連れて行って! いくさが始まる前に確かめたいことがあるの」
 駒ちゃん、可愛い!
 元信(後の家康)も気になっているようだ。
 菊丸(岡村隆史)、藤吉郎(佐々木蔵之介)、元信の四角関係に発展?(笑)

 しかし、みんな、自分の意思で動きまわってるなあ。
 登場人物が自由に動きまわり、自己主張を始め、作家さんは書いていて楽しいだろう。
 …………

 最後は道三の光秀への遺言。

「高政は自分を欺き、飾ろうとした。
 上に立つ者は正直でなくてはならぬ。
 偽りを持つ者は人を欺く。
 そして国を欺く。
 わしはケチだが、それを隠したことがない。
 そなたは正直だ。それでよい」

「大きな国をつくるのじゃ。
 誰も手を出せぬ大きな国を。
 あの信長という男は面白いぞ。
 あの男から目を離すな。
 信長となら、そなたはやれるかもしれぬ」

 さて、道三、高政、叔父、帰蝶らの言葉を聞いて、光秀はどのような結論を見出したか?

「叔父上の後を追う!
 敵は高政様!」

 さあ、次回は前半のクライマックスです!


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 野ブタ。をプロデュース 特... | トップ | コロナの時代だから、永井豪... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そりなりに楽しめています (megumi)
2020-05-04 21:46:15
コウジさん  こんばんは。

今回は 国替え(領地替え)と
「敵は・・・」が  キーワードでしたね。
どちらも 本能寺を彷彿とさせます。
本能寺の変から逆算はしないはずでしたが 
しっかり忍ばせてきましたね。

余談ですが(余談が多い?)
「風林火山」のテーマ曲も良いですね。
改めて聴いてみました。

オープニングの俳優名が
1人の時は それほどでも無いですが
複数の時は 寸詰まりなのが気になって仕方がありません。

気になるのが もうひとつ 「ケチ」は当時から
使われていたのでしょうか?
光秀が道三のことを 「ケチ!」と呟いていた時から疑問に思っていました。

すいません ケチをつけているわけでは無いのですよ。
気に障ったら ごめんなさい。
返信する
これからは駒ちゃん? (TEPO)
2020-05-05 01:48:15
>今回は 国替え(領地替え)と「敵は・・・」がキーワードでしたね。

横レスで申し訳ありませんが、なるほど!です。
たしかに「本能寺」の伏線でしょうね。

さて
>「叔父上の後を追う! 敵は高政様!」

「ニュートラルでマトモ(=正直で真面目)」な光秀の結論はやはりこれでしたね。
主従モードではなく友人モードで高政と話した際に「賢い」と評し、高政もそこに「毒」を感じていましたが、ここが二人の立ち位置の違いを暗示していたと言えるでしょう。

しかし、道三は勝てず、敗死するのでしょうから、光秀の選択は辛い結果になるでしょうね。
ここで所領を失って浪人するのかもしれません。
そうしたことを考えていると、熙子さんの「お心のままに」という優しい言葉が何とも重く感じられてきます。
一族の運命がかかった決断なのですから。

>登場人物が自由に動きまわり、自己主張を始め、作家さんは書いていて楽しいだろう。

主人公光秀の周囲はそろそろよく知られた史実の段階に入ってきて「ラッキーマン」の痛快さは無くなってきそうですが、オリジナルキャラの駒ちゃんは大もての大活躍。
周囲には「後の天下人」が二人も絡んでくるわけですから、やはり「ヒロイン」ですね。
とすると、そこに食い込んでいる菊丸も、ゆくゆくは「超大物の忍び」ということでしょうか。

ところで、コロナウィルス問題のためそろそろ収録分が尽きてきて、6月で中断の見込みらしいとのことです。
ドラマ世界内部もですが、リアルの世界もこれからどうなるのでしょう。
返信する
座布団10枚! (コウジ)
2020-05-05 10:07:22
megumiさん

いつもありがとうございます。

>ケチをつけているわけでは無いのですよ。

上手いオチです! 座布団10枚!(笑)

「本能寺」とのリンクも、TEPOさんと同じように、気づきませんでした。
megumiさん、冴えてますね!

僕は今回、改めて『麒麟』のオープニングを聴いてみましたが、前言撤回、なかなかキャッチーでした。
何度か聴いていると、今後も耳に残りそうです。

『ケチ』は『吝嗇』ですかね?
道三も『ケチ』の自覚はあるようですが、ケチになったのには、若い頃にお金で苦労したとか、国を富ませるためにはまず節約が重要とか、何らかの理由があったはず。
道三には、それを語ってほしかったですね。
返信する
神経の行き届いたせりふ (コウジ)
2020-05-05 10:25:00
TEPOさん

いつもありがとうございます。

「賢い」「お心のままに」
振り返ってみると、意味深なせりふが多かったですよね。
せりふのひとつひとつに神経が行き届いている感じがします。
おそらく脚本の池端さん、筆が運びすぎて乗りに乗っている感じなのでしょうね。

とはいえ、僕もニュースで見ましたが、作品のストックは6月分までとか。
撮影が中断しても、池端さんには書き続けてほしいですが、帳尻合わせで、事件を追うだけのダイジェストにはしてほしくないですよね。

駒ちゃんは、確かに後の天下人ふたりに好かれるという超モテぶり!
今後の活躍が楽しみです!
演じている門脇麦さんは、今は少女のような演技をしていますが、いずれは大人の演技に変えてくるでしょうし。

光秀はこれからしばらく近江に逃れて浪人になるんでしょうね。
そして、信長と将軍を結ぶパイプ役になる?
今回は『正直』という言葉がキイワードになりましたが、いずれ正直さが禍になるのでしょうか?

返信する

コメントを投稿

大河ドラマ・時代劇」カテゴリの最新記事