平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

LOST 第45話~49話

2007年05月10日 | テレビドラマ(海外)
 「LOST」シーズン2が終わってわかったことは、島は巨大な電磁波を有していること。
 ジャックたちの飛行機が墜落したのは、その電磁波の大量発生に拠るものであること(原因はデズモンド)。
 ハッチはその電磁波の制御システム。
 数字の入力はシステムを作動させるための行為。

 以上のことが明らかにされた事実だが、その他のことはシーズン3に持ち越しになった。
 まずダーマイニシアチブはこの莫大な電磁波を有する島で何をしようとしていたのか? その他にあるハッチの目的は?
 島で起こる様々な奇跡と登場人物たちの運命の交差はなぜか?
 「他の者たち」とは何者か?彼らの目的は?
 ウォルトをさらい、次にジャック、ケイト、ソーヤを求めたのはなぜか?

 これらの疑問はまったく明らかにされていない。
 しかし、その答えを求め、次を見たくなってしまう。
 これがマニアックな作品の魅力。
 ハマってしまうことの楽しさ。
 こうなったら、あれこれ考えながら、シーズン3を楽しみにするのが正しい作品ファンのあり方。
 作品に身を委ねるのが、ファンの至福。

 さて、45話~49話では、ドラマ的にはふたつあった。
 ひとつは数字の入力の問題。
 ロックとミスターエコーの対立。
 今までロックは入力行為を天啓(自分の居場所・自分に与えられた役割)と感じていたが、それがダーマイニシアチブに拠る人間行動の実験であると確信し、入力を否定する。入力は無意味、この愚かな行為であり、やめることで囚われから解放されなければならないと考える。
 島で起こるすべてのことは偶然の産物であり、入力も無意味であると言ったジャックの意見と同じになったわけだ。
 一方、ミスターエコーは墜落した弟の飛行機、弟の出て来る不思議な夢に導かれて、島の意思を信じるようになり、ロックと対立する。
 それは、この作品の背骨である科学と神秘の対立。
 神秘に身を委ねていたロックは満たされて幸せであったが、いったんそれが合理的なものとして説明されてしまうと急に色褪せてくる。
 ロックは今まで自分の信じてきたもの、縛っていたものへ怒りをぶつける。
 そこには神秘を、神を失った人間の苦悩がある。
 形而上学的な深いドラマだ。

 ふたつめのドラマはマイケルの裏切り。
 ウォルトを助けるために、アナ・ルシアとリビーを殺してヘンリーを逃がし、ジャック、ケイト、ソーヤ、ハーリーを騙した。
 マイケルは命を奪ったこと、友人を裏切ったことの苦しみと息子を助けたいという想いとで引き裂かれる。
 その苦悩の様は実に痛々しい。
 息子を助けるためとはいえ犯してしまったマイケルの罪を作者はどう決着つけるか?(シャノンを殺してしまったアナ・ルシアの場合は、サイードに「あれは事故だ。憎むべきは「他の者たち」だと言わせたが)

 この様に「LOST」は単なる謎解きでなく、人間ドラマがしっかりしているから惹きつけられる。


 

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