平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒 その1

2005年12月29日 | 推理・サスペンスドラマ
「相棒」は現在、4期目を迎える刑事ドラマシリーズです。
 どちらかというと「走る」ことで事件を解決してきた日本の刑事ドラマですが、「相棒」は「推理」で事件を解決していく希有なドラマです。
 今回は「相棒」の中で描かれた「推理と犯人の残したほころび」について書いていきます。(当然、一部ネタバレです)

第1話「閣下の城」

●ストーリー
 殺人犯として逮捕されながら、超法規的取引で自由の身を手に入れた傲慢・狡猾・残忍な元外務省事務次官・北条晴臣。その「閣下」と呼ばれる彼から、晴臣を逮捕した刑事・右京と薫にパーティーの招待状が届く。「すべてを水に流そう」。招待状にはそう書かれており、右京たちは晴臣の城(英国から運んだという中世の城)にやって来るが、殺人事件が起きる。
 晴臣の執事であり晴臣の妻になる繭子のかつての恋人であった郷内が殺されたのだ。

●推理
 脇腹を中世の剣で刺されて殺された郷内。
 まわりには中世の騎士の甲冑が散らばっている。
 右京はこの状況から次の2つの推理・仮説をたてる。
 ・妻の繭子が甲冑を着て待っていて、やって来た郷内を不意打ちにして殺した。
 ・命令して郷内に甲冑を着せた晴臣、身動きがとれない所を剣で刺した。

●ほころび
 郷内の傷が脇腹にあったこと。
 晴臣は郷内に甲冑を着せ、甲冑の脇腹から剣を刺して殺したのだ。

●その他
 こんなアイデアもあった。
 逮捕されそうになった晴臣は証拠となるデジタルビデオテープのテープを引き出して証拠隠滅を計ろうとする。
 そのテープは結局警察に取り上げられるが、実はフェイク。
 本物の証拠となるテープは下着の中に隠していた。

★研究ポイント
・名探偵の条件1
  残された状況から犯人が行ったことを想像して組み立てる。
  この場合は、死体のまわりに散らばった騎士の甲冑。
・名探偵の条件2
  犯人の犯行のどこかに生じたほころびを見つけ出す意地の悪い性格。
  重箱の隅をつつく様な細かさ。
  この場合は脇腹の刺し傷。
  右京は自分のことをこう表現する。
  「一通り疑ってみないと気が済まない性格なんです」
  「引き出しがあれば開けてみたくなるのが、私の習性でして」

★追記
 この閣下こと北条晴臣役をやった長門裕之さんは本当に怪演でした。
 長門さんぐらいのキャリアの方なら重厚に構えていてもいいと思うのに、この怪演。本当に演じることを楽しんでいらっしゃる様でした。
 また、長門さんの役者魂を見ました。

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