平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おやじの背中 「ドブコ」~斬られたら、地面に倒れて空を見上げよう

2014年08月12日 | ホームドラマ
 木皿泉さんの脚本。

 テーマは<斬られること>。
 この<斬られること>を言い換えれば<失うこと>でしょうか?
 人は何かを失って生きている。

 たとえば、三冬(堀北真希)と勝(溝端淳平)の友人関係。
 三冬は、勝から「フィアンセが嫌がるから友人関係をやめよう」と言われる。

 あるいは、三冬と正(遠藤憲一)の父娘関係。
 いっしょにお風呂に入ることもそうだが、父親にとっては<娘の結婚>という最大の喪失がやって来る。
 娘にとっては、いずれ父親が亡くなるという喪失がやって来る。
 人は生きている以上、これらのことを引き受けなくてはならない。

 あまり向き合いたくない現実だが、人は何かを失って生きている。失うことが人生だ。

 では、失ってしまった時はどうするか?
 勝はバッサリ斬られて、地面に倒れ、青い空を見るという。
 青い空を見ることで、心の傷はすこし癒される。

 木皿泉作品は空を見上げることが多い。
「野ブタ」ではラスト、信子は空を見上げて笑った。
「Q10」では生徒たちが空を見上げて「助けて」と叫んだ。

 うつむきがちで地面ばかり見ていると思った時は、空を見上げよう。


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