平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒17 「辞書の神様」 ~〈常識〉 新しいものを拒む頭の古い考え。 今これを読んで不快に感じているあなたのこと。

2018年11月01日 | 推理・サスペンスドラマ
 右京さん(水谷豊)を言葉で表すとこうなるらしい。
〝つむじ曲がり〟〝ヘソ曲がり〟〝偏屈〟〝意固地〟〝ひねくれ者〟(笑)
 こういう右京さんイジりを毎回やればいいのに!

 さて、事件。

「相棒」でよくある特異な職業物である。
 今回は国語辞書編纂者。
 言葉集めに執念を燃やし、言葉に取り憑かれた男。
 大鷹公介(森本レオ)先生!
 大鷹先生は町で女子高生のスカートを覗いていると思っていたら、女子高生のしゃべる言葉を聞いて収集していた。
 マジ卍。

 いいですね、こういうエキセントリックな人!
 こういう人が文化をつくる。
 現在は金儲け至上主義・効率主義だけど、こういう人を大事にしないとダメだよな。
 そうしないと、社会や人間がスカスカになり、潤いをなくす。

 こんな大鷹先生が紡ぎ出す言葉は次のようなものだ。

〈常識〉
 平凡でつまらない価値観。新しいものを拒む頭の古い考え。
 今これを読んで不快に感じているあなたのこと。

 上手い!
 ビアスの「悪魔の辞典」みたいな感じだろうか。

 そして、この言葉が真犯人の動機につながっている。
 ネタバレになるので具体的に書かないが、動機としては、ちょっと弱いかな?
 犯人の立場なら大鷹先生の仕事に敬意を払うだろうし、そもそも、そんなことで人を殺すか?
 右京さんの推理も状況証拠に基づく類推で、決定的な証拠はない。
 とはいえ、以上のようなことで、
「これは駄作だ、ミステリーでない」
「相棒らしくない」
 と決めつけてしまうのは〈常識〉にとらわれているのかもしれない(笑)
 ミステリも「相棒」も日々変わってきている。

 個人の抱えている疾病が謎やトリックになっているというのは、「ビブリア古書堂の事件手帖」の「論理学入門」のエピソードでもありましたね。
 ある海外ドラマでは、植物人間としてずっと眠っている人物が実は殺人犯だった、というエピソードがあった。
 犯人は医者と結託して昼間は睡眠薬で眠り、夜、起きて殺人をおこなっていたのだ。
 この手のトリックは今後もいろいろ展開されそう。

 あとは辞書の「愛」という言葉で反応したのは芹沢(山中崇史)で、反応しなかったのは伊丹(川原和久)!
 だから伊丹は女性にモテないブラザース?(笑)

コメント
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