平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒 「ボマー」~弱者を保護したところで国は繁栄しない

2014年01月02日 | 推理・サスペンスドラマ
 公安部長の正木浩輔(中村橋之助)は国を担うエリートとその犯罪を暴くジャーナリストについてこう叫ぶ。

「弱者を保護したところで国は繁栄しない。
 国の舵取りを担う優秀な人材を確保するためには彼らに相応な見返りを与える必要があるんだ!
 それをいちいち暴き立てることの方が悪質な犯罪ではないのか!
 <知る権利>を振りかざすジャーナリストたちは皆、大衆を煽り、国益を損なう犯罪を犯しているんだ」

 いかにもエリートらしい傲慢さですね。
 正木は『相棒』というフィクションの世界の人間ですが、こんなエリートは現実にもいそう。
 特定秘密保護法もこんな思想のもとに作られているような気がする。

 これに対して右京(水谷豊)。

「あなたの言う国益とは、いったい誰のための益でしょう?
 一部の官僚や為政者がこのような親子から奪い取った利益を国益とは呼べません」

 ここで言う<このような親子>とは児童養護手当を減額されて自殺した親子のことだが、官僚と為政者は、その減額して浮いたお金を就業支援施設建設という自らの利権・天下りに使っている。
 それは決して<国益>などではなく、官僚や為政者の<私益>だ。
 99%でなく、1%の人間を潤すためのもの。
 ジャーナリスト桂木涼(佐藤藍子)はこれを告発しようとして、罪を着せられ、殺されそうになった。
 そこで右京はジャーナリスト論を展開する。

「ジャーナリストの核にあるのは普通の人々に対する信頼です。
 この苦しみを知れば放っておけないはず、この理不尽を知れば怒りを感じるはず、その思いが世の中を変えていく。
 そう信じるからこそ、彼らは銃弾の飛び交う戦地に立って報道し続けるんです」
「桂木涼さんもまた、この国の前線に立っていました。
 普通に生きている人のために、この国の巨大権力を敵にまわして戦いました」

 権力は何の批判も受けなければ腐る。やりたい放題になる。
 だからジャーナリストや市民団体などで、チェックしていかなくてはならない。
 というわけで、特定秘密保護法反対!

 また、権力は自分たちに対する批判や秘密を暴こうとする者を、その力を使って押しつぶそうとする。
 ちょうど桂木涼が殺人犯にされたり、カイト(成宮寛貴)たちがテロリストに仕立て上げられ、抹殺されようとしたように。

 今の時代には、右京さんや桂木涼のように巨大な力に立ち向かう人たちが必要だ。

コメント
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