平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

江~姫たちの戦国~第3回「信長の秘密」

2011年01月24日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は、信長(豊川悦司)が信頼を寄せる好きな人物について。

 まずはルイス・フロイス。
 信長は<布教のために命がけで海を渡ってきた語るべき人物>として見ている。
 フロイスが望むのは<布教>のみ。
 先週、エピソードとしてあった政治・権力を求める本願寺とは大きく違う。
 信長は、自分の領域で、必死に生きる人間が好きなのだ。

 だから千宗易(石坂浩二)も好き。
 彼が求めるのは<美の追求>。他のことには興味がない。
 <美の追求>という自分をしっかり持っている。
 信長は、自分というものをしっかり持ち、それを率直にぶつけてくる人間が好きなのだ。

 だから、江(上野樹里)が好きだし、市(鈴木保奈美)も、おね(大竹しのぶ)も好き。
 そして秀吉(岸谷五朗)も好き。
 第1話で、秀吉が市への気持ちを率直に語りすぎることに僕は違和感を持ったが、信長は、そういう自分の気持ちを隠さない秀吉を気に入っているのだろう。秀吉もそのへんを計算していたのかもしれない。
 また、市は、夫を奪った人間として信長を憎んでいるが、そういう気持ちを隠さない所で、信長は市を信頼をしている。

 一方、明智光秀(市村正親)。
 彼は、自分の考えていることをオモテに出さない。
 フロイスのことを快く思っていないのに、それを口に出さない。
 だから殴られた。
 信長は自分と意見が違っていても、それをしっかりと自分をぶつけてくる人間が好きだし、信頼するのだ。
 だから光秀に、そのような人間になれ、自分に心を開けと叱っている。

 そして家康(北大路欣也)。
 信康切腹事件に関する信長の真意はどこにあるか。
 信長は、家康が自分の要求をそのまま実行するだろうな、と読んでいる。
 その実直さが家康だからだ。
 実直な家康を信長は好きだし、信頼している。
 また戦国という時代は、ほんの小さな綻びでも、それが自分の命を危うくすることを信長は、弟・信行の事件で知っている。
 だから、武田に通じているとされる築山御前を綻びとしてみた。
 家康も、その信長の真意を読み取った。
 戦国のならいとして仕方ないと諦めた。
 
 というわけで、今回の内容はなかなか深い。

 まず、<自分と意見が違っていても、それをしっかりと自分をぶつけてくる人間が好きだし、信頼する>という信長像を示せたこと。
 次に、<小さな綻びでも、それが自分の命を危うくする>という戦国時代のならいと、トップに立つ権力者の孤独を描けたこと。
 そして、千宗易が江に言った言葉。
 「あなたは傲慢ですな」
 江は信長の心の中を知ろうと思ったが、実は人の心を完全に知ることなど不可能。
 そのことを<傲慢>と言っている。

 このことは、次回の本能寺に繋がりそう。
 人間認識に長けた信長だが、さすがに光秀の心の奥までは読み取れなかった。
 さて、本能寺で信長はどう描かれるか?


コメント (2)
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