平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ガリレオ その4

2007年12月18日 | 推理・サスペンスドラマ
 ガリレオ 最終回

★湯川のキャラクター
 湯川(福山雅治)は最後まで理性の人だった。
 東京の半分が吹き飛ぶレッドマーキュリーの解除を少しもうろたえることなく。
 泣きわめく薫(柴咲コウ)とは対照的。
 まあ、この辺が湯川の魅力なんでしょうね。
 爆弾が解除されて薫に抱きつかれて、少しはデレっとするかと思ったらそうでもない。
 最後のせりふまでが「実に面白い」。

 古畑任三郎や「相棒」の右京さん、みんな名探偵は理性的。
 時々、犯人の非道に腹を立てるけれど。
 湯川も木島(久米宏)に「責任を取れない人間は科学者でない。あなたに未来をつくる資格はない」と断言。

 それにしても湯川の犯罪を追う理由とは何だったのだろう?
・特異な現象への科学的興味?
・罪を憎む心?
・薫への想い?

★勘
 今回の爆弾解除には薫の勘が貢献した。
 赤と青のコード、どちらを切るかというアニメ的状況。
「さっきの言葉は撤回しよう。やはりアニメを見ておくべきだった」
 そしてどちらを切るかの選択は薫に任せられた。
「君の好きな色は?」と聞いて薫が答えたのは?
 ニヤリとさせられるシーンだ。
 その後の湯川のコメントもいい。
「君の勘は超常現象だ。常識では考えられない」
 湯川は薫の『勘』を研究テーマにすればいいのに。

★省略の妙
 こんなふたつのシーンがある。

 家に帰る薫に湯川から電話。
「会って話したいことがある」
 次のシーンではパソコンで音声をいじくっている木島。
 やって来る湯川に爆弾を見せ、捕らわれている薫の姿。

 12時が過ぎても何も起こらない。
 木島は窓から平和な東京の街を見る。
 次のシーンでは講義をしている湯川。

 いずれも「薫が捕らえられるシーン」「木島が逮捕された、あるいは自殺したシーン」が省略されている。
 しかし、これらのシーンが描かれなくても視聴者は想像できる。
 これが省略の妙だ。
「薫が捕らえられるシーン」「木島が逮捕された、あるいは自殺したシーン」はいずれもドラマとして面白くできる。
 「薫が捕らえられるシーン」はサスペンスに、木島のシーンは自殺した女性助手への想いや科学者の思い上がりを語らせたりしてドラマに。
 2時間ドラマなら入れていたかもしれないが、今回は省略でOK。
 これで作品にテンポが出た。
 思えば無駄なシーンを入れてつまらなくさせている作品がどれだけあることか。


コメント
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