街中では一斉に秘蔵の人形を公開するのが最近流行してきた。この機会を逃す手はない。今年の一品は あふれる気品 重厚な権威感と存在感 オーラが周辺に漂っている女雛(古来どおり向かって左側位置に)。
作り手側に立って心持ちを想像してみると きっと宗教的な祈りと厳粛な生命観の意識が基にあったに違いない。そう思って鑑賞すると 心の中も見通されてるようで ゾクッとして 後ずさりしてしまうくらい 近寄りがたい表情をしておられる。
おままごと用のお人形というイメージより 仏像に近く命を吹き込むように作ったのでしょう。発祥の元は古代宮廷だから さもありなん。
ちなみに 向かって左が男雛の場合は 昭和天皇の即位式以降の流行(はやり)で 東京風…と 云うらしい。
「雛の間に寝てたましひの眠られず:大石悦子」