地域縁尽倶楽部 なになに寫眞帳

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街角風景~空を見上げて

2015-07-19 09:26:50 | 日記
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出典:  詩集  「まなざしかいご」  p94 (出版:中央法規)より以下転写。


            『手をつないで見上げた空』           詩作:藤川幸之助さん


幼い頃  手をつないで見上げると母がいた
青空は母よりもっと遠くにあって  大きな白い雲が一つ流れていた
幸せのことなんて考えたことなかった



私がつまずき失敗すると  私の手を両手で優しく包んで
母はいつも青空の話をした  雲が流れ雲に覆われ
青空は見えなくなり  ときには雨が降るから
青空を待ちこがれて  青空の美しさに  心打たれるんだと
何度失敗して何度つまずいたことか  そして何度この話を聞いたことか



認知症の母との日々の中で  苛立ちという雲が出て
悲しみという雨が降った  私は何度も失敗してつまずいても
母は何も言ってくれなくなったが  手をつないで散歩をすると
いつも母は静かに空を見上げていた



青空がただ頭上に広がっている  幸せもまたただあるもの
求めるものではなく  気づくものなんだ
と母と手をつないで  空を見上げるといつもいつも思う

コメント
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