ネクタイ

ネクタイをする機会がめっきり少なくなった。
めでたい席も減り、葬祭に限られるようになった。
以前、ネクタイ着用は教授会、父母会、入学式や卒業式等の式典が主だった。
洋服箪笥には、雑然とネクタイが掛かっている。
新聞に入っていた情報誌に、「ネクタイを譲って」の記事を家人が見つけた。
良い機会と、ネクタイを全部引っ張り出し、処分の仕分けを始めた。
これは、あの想い出、あれは、この想い出。
これは恩師の形見に頂いた、これはプレゼントされたもの。
これは祝賀会の決めネクタイ、黒は葬祭の必需品と、はかどらない。
それでも、半分まで減らすことが出来た。
この先、毎日取り替えても、ひと月以上は持つ。
スーツも、ブレザーも、カッターシャツも、出番が少なくなった。
折り目の付いたズボンも、はく機会が減った。
こちらも、数を減らして処分の仕分けをと思うけれど、少し大物だけに難しい。
最も、体の成長が今も続いていて入らない。
ボーダー柄のボタンダウンのシャツ、ジャケットや黒いパンツの出番が多くなった。
カジュアルファッションのジジイに変身、帽子が似合うオシャレが楽しい。
似合うと思うコーディネートは、自己満足が一番。
結局ジジイのネクタイは、趣味の問題もあることから、ゴミの日へと直行した。


旭川：夕暮れ－2013