長野から半月振りに旭川に戻ってみると、時は止まっていた。
空港に駐車していた車には、うっすらと黄砂が積っていた。
柱時計のネジを捲き、取り置きした新聞のお悔やみ欄と市内・道北版を急ぎめくる。
250通余りのメールを再チェックし、必要な箇所を残し削除する。
まとめて届いた郵便の束をはずす。
蘭は、茎を切ったところから横に伸びて、一輪の花が咲き蕾も膨らんでいた。
道路の土手には赤と黄色のチューリップの花も咲き、砥草の芽がいっぱい顔を出す。
草取りが終わる頃、ようやく旭川時間に追いついて来た。
それでも、体は時差ボケのようにダルさが残る。