この時期になると虫たちは蠢き始め、我が家の啓蟄の象徴がワラジムシ。
のそのそと、洗面所と云わず、台所と云わず、玄関と云わず、トイレと云わず、
いろんな処かまわず動き回る。
暖かい陽光の中、5センチ程の越年蜻蛉が、窓の外の雪の上に横たわっているのが見えた。
窓を開け、動かない越年蜻蛉を室内に入れてテーブルに置いて見た。
しばらくすると、足を、目を、羽根を動かした。
三月になっても連日マイナス10℃を下回る日々、それなのに
「死んだはずだよオトミさんならぬ、とんぼさん」が生きていた。
何という生命の神秘、研究すればこのジジイも寒い中で啓蟄の如く
蘇るすべを身に付けることが出来るかも知れない。