珍島
ソウルの友人、朴さんと尹さんが光州まで交流展を見に来てくれたことから、
珍島までドライブに連れて行ってもらった。
セウォル号の沈没に一番近い島、珍島には是非行きたいと願っていただけに、車に乗った途端目頭が熱くなる。
防波堤には鎮魂の黄色いリボンや写真が入ったメッセージが、岸壁の手すりを埋める。
テレビから流れた風景に、ただ手を合わせるだけ。
将来ある若い多くの高校生が、こんなことで亡くなるなんて、彼らの無念さは言葉で言い尽くせない。
家族に身になってみたら、突然どん底に落とされたようなもの。
手向ける花も無く、黄色のリボンも無く、彼らの冥福を祈るだけ、涙が海を霞ませる。
誰が投じたか、黄色の風船が波間を漂い、少しずつ沖に流れ行く。
この時点で、まだ9名が船に閉じ込められているという。
判決が光州裁判所から発信されたが、あれでは家族はたまらない。