荒井善則展覧会情報

旭川と長野を中心に、作品活動をしています。その中で、展覧会情報をお送りします。

ぶての家

2012年07月03日 | 日記
実家がある長野市上千田の中心は「むらうち」、川を挟んだ外側の周辺を「ぶて」という。

近所の親戚筋は、同じ姓の我が家を「ぶての家」と呼んでいる。

新しいギャラリーには、近所の方も連日見学にやって来る。

今日来廊された方からの話によって、この地の名前の由来がほのかに見えて来た。

そのおばさんは、この地で生まれ育った。

母親とは仲が良かったとか、私の子供の頃のこと、近所のことなど記憶力抜群、何でも知っている。

多分明治の終わり頃、おばさんの母親が子供の頃の話として、この周辺に「舞台」があったことから「ぶて」。

夏の終わり頃、旅役者の一団がやって来て、農作業が終わった一時を楽しんだのだろう。

村はずれの掘ったて小屋の舞台に、人々は娯楽を求めて集った。

時代劇やお涙頂戴の母子ストーリー、目の前のライブ劇は迫力満点だったろう。

旅興行の舞台は、今も綿々と続いている。

「舞台」から「ぶて」へと変わり、今も残る伝承の地名。

「ぶたれた」から「ぶて」と思っていたことが、恥ずかしい今日の僕。