桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・4・11

2013年04月12日 | Weblog
一昨日のブログで午後から見る映画で眠らない為にお腹を空かせていくことを書いたけど、今日も午後二時から旧知のY君が演出する芝居を見ることになっていたので、午前中におにぎりを一つ食べただけの空腹状態で出かけたのは勿論、劇場に入ってからは粉末のカフェインと珈琲を飲んだだけじゃなく、一瞬トイレに行きたいと云う欲求も我慢したのは,その欲求がたかまると過去の経験則で眠れなくなることを知っていたからだ。と云うわけで万全の体制て臨んだ芝居は、これまた旧知の女優Hさんの色っぽい演技もあって序盤から快調に進んでいき、俺も時々起こる排尿欲求を適当にコントロール出来て,このまま最後までいくかも知れないと思っていたら、始まってから40分位で突然ナレーターが配役とキャストを発表し始めた。ええっ、これで終わり?原作の戯曲を知っている俺としては、こう云う省略の仕方もあるのか?それにしても上演時間40分と云うのはかなりの冒険だけど、こんな狭い劇場空間(ウチと同じ程度)では観客のことを考えた素晴らしい構成だと演出のY君に握手を求めたい気持になったと同時に、それまでコントロールしてきた排尿欲求が一気に高まって、場内の照明が点いたらすぐさまトイレに駆け込もうとする状態に心身ともになったのだけど、キャストスタッフの紹介が終わっても場内の照明は明るくならない。そればかりかピアノが新しい演奏を始める。うん?短いエピローグでも始めるのか?あれ?ちょっとまてよ。俺が知っている原作戯曲の続きが始まったような気がするのだけど、それは錯覚か?いや、間違いない。この戯曲はこれから盛り上がっていく筈だ?だとするとエンディングまで後一時間以上はあることになる。そんな困る!もうトイレにいくことだけで頭が一杯になっていたのだ。それが後一時間なんて!そして一度コントロールを外した排尿欲求はもうとどまる処を知らない。どんどん高まる。気をゆるめたら終わりだ。その場で漏らしてしまうこと必至だ。そうなったらどうなるのだろう?ウチと同じように演技するスペースと客席が同じ平面にあって、出演者のHさんは俺の隣で演技していたりする。俺がもしも漏らしたりしたら、こうして我慢していると一気に排尿が始まる筈だから辺り一面おしっこだらけになる。ハプニング的志向のある芝居だけに俺の排尿も芝居の中に取り入れて進行して行くのだろうか?それにしても俺の立場はどうなるんだろう?なんて怖い怖いことを必死に思い込んで気を緩めずにブルブル震えながら全身蒼白になって耐え続けた一時間。灯がついた途端俺は席を立って掛けだす。入り口にいたY君にどうでした?と聞かれる前にトイレは何処?と聞いていた俺。ごめん、Y君。今度はちゃんとトイレに行ってから見ることにします。それにしても。もしも40分段階でスタッフキャストの紹介がなかったら、そのまま排尿欲求をコントロールしたまま最後までみることが出来たのではないかと思うと、人間の体って意識精神に随分と司られているものだと思い知った‥‥というシモネタっぽい話を社長秘書のYさんと今日臨時でスタッフに入ってくれたまだ20歳の女優Hちゃんに延々とし続けたのは、お客さんがYさん一人きりだったからだ。でも、昨日は一杯お客さんが来たんでしょ?そういう時の桃井さんの日記って全然お客さんのことに触れない傾向があるからと俺の日記を裏目読み出来るYさんは言ってくれたけど、いえいえ、昨日もお客さんは美人CMプロデューサーのRさんとナイスバディのYさんの二人だけで、そのまま書くとあまりに愚痴っぽくなるので鞄の話にしたまでで、参った参った。このままいくと二日間で美女が三人きりしか来店しなかったと云う珍しい記録達成になってしまう。でも、大丈夫。今日はこれからお客さんがどっと来るわよと彼女は帰って行ったけど、残念ながらYさん、記録達成です。