桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・9・23

2013年09月24日 | Weblog
今日の老老ランチは昨日店で作っておいたトリッパに残ったペンネアラビアータとソーセージとアスパラの三つの細長い食材を炒めて混ぜ合わせたへんてこ料理。最初はいけるかなと思ったけど、気づいてみればトリッパも基本はトマト味だし、こっちのアラビアータとバッティングしてしまい、且つ歯の悪い母に一番かみ切れない豚モツや蜂の巣の入ったトリッパは一番不敵な料理だった訳で、やっぱり頭が芝居の台本のことに一杯になっていると、料理がいい加減になってしまうのか?いや、向田邦子さんはあんなに忙しい執筆活動の間にも美味しいものへの探究心は半端じゃなかったと聞いたし、俺はどっちもいい加減ということか?と自己卑下してしまうのは、大きな構成を立ててみても何かがまだ違うと思っていて、冒頭のシーン以後一行も進まないからで、そんな敗北感にとらわれながら今日もまたイベントがマチネソワレとあるので12時半には店へ。そして今日は昼に元マドンナのTちゃん、夜はHKにドリンクフードサービスを担当して貰って、カウンターで芝居の構成を練り続ける。公演は9時半に終了。何も手がかりが掴めないのにこのままパソコンの待つ部屋に帰るのが怖くて、地下鉄に乗るのをやめて雨降る六本木へと歩く。こんな夜は誰かに逢いたい。せめて電話したい。でも、俺にはこんな夜に逢える相手がいない、雨の中歩きながら電話する相手がいないなんて、65才初期高齢者には似合わないことを思いつつ歩き続ける。でも、その時ふと思う。アンブレラとパラソルの違いはあるけど、俺はこの傘の中に誰を入れたいのか?入れようとしているのか?何故主人公たちはパラソルに閉じ込められたままなのか?そんなことを思っている内に六本木から麻布十番へ出ている。ふと練馬の中学の二年後輩が経営し、知り合いの女優のNちゃんがバイトする干物屋「A」に立ち寄ってみる。甘鯛の干物で日本酒を飲みながら頭の中はパラソルに誰をいれようとしているのか?何故二人は閉じ込められままなのか考えている。★お客様にお願い。都合により突然臨時休業したり、開店時間閉店時間に変化がある場合がありますので、ご来店の際は電話でお確かめ下さい。★コレドシアター THE FINAL 桃井章遺作シリーズ②「パラソル」(作演出・桃井章,美術・部谷京子、出演・浜田晃、滝沢めぐみ)公演日11/13(水)~11/17(日)、料金3500円 ご期待ください、